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賞与の手取りは何割?引かれる社会保険料と所得税

賞与の手取りは何割?社会保険料と所得税を引いて約8割のイメージ写真

賞与の手取りは、計算例では額面の約8割です。東京の40歳未満で扶養0人の人が50万円を受け取ると、社会保険料73,450円と所得税17,420円が引かれます*1*2*3。残る手取りは409,130円で、額面の81.8%です。

割合は前月の給与や年齢、加入している健康保険で変わり、40〜64歳なら81.0%に下がります*1。計算に使った健康保険料率は、全国健康保険協会(協会けんぽ)東京支部の率です*1。住民税は毎月の給与から差し引く仕組みのため、計算例には含めていません*5。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 50万円の計算例では、社会保険料と所得税を引いた手取りは409,130円で、額面の81.8%です*1*2*3。引かれる2つのうち大きいのは社会保険料で、40歳未満なら額面の14.69%を占めます*1。
  • 所得税は、社会保険料を引いた後の額に、前月の給与と扶養している人数で決まる率をかけます*3。扶養0人で前月の給与が26万円以上の行に入ると、率は4.084%ではなく6.126%です*3。
  • 40〜64歳の人は介護保険料が加わるため、計算例の手取りは81.0%です*1。子ども・子育て支援金は令和8年4月分から加わった負担で、健康保険料と一緒に引かれます*1。

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1. 賞与の手取りは計算例で額面の約8割

社会保険料と所得税を引いた賞与の手取りは、今回の計算例で額面の約8割です*1*2*3。50万円のときに受け取る額は409,130円、額面に対する割合にすると81.8%です。引かれる額のうち大半は社会保険料の73,450円で、所得税の17,420円を大きく上回ります。社会保険料は額面だけで決まり、所得税は前月の給与によって率が変わります*1*3。

計算例では、年齢を介護保険料がかからない40歳未満とし、扶養している家族はいない前提にしています*1。前月の給与は、社会保険料などを引いた後で25万円としました。この25万円は、所得税の率を決める表で4.084%の行に入ります*3。

手取りが額面の何割かを考えずに額面のまま予定に入れると、社会保険料と所得税の分だけ使える額を多く見積もります。求人票で賞与の月数を見るときも、額面から保険料と税が引かれた後の額で年収を考えてください。とくに転職後の最初の支給では、加入する健康保険が前の会社と変わると、同じ額面でも引かれる額が変わります。

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2. 所得税は社会保険料を引いた残りにかかる

額面から引かれる2つの額は、先に社会保険料を出し、その残りに所得税をかけて求めます*1*3。社会保険料の計算に使う額を標準賞与額といい、税引き前の総支給額から1,000円未満を切り捨てた額です*4。50万円には1,000円未満の端数が無いので、そのまま50万円で計算します。

賞与50万円から引かれる額と手取り 409,130円 手取り 90,870円 社会保険料と所得税 社会保険料73,450円と所得税17,420円を引くと手取りは約8割 *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

そのため、所得税をかける元の額は、50万円から73,450円の社会保険料を引いた残りです*3。この残りにかける率を算出率といい、前月の給与と扶養している人の数で決まります*3。計算例の算出率は4.084%なので、所得税は17,420円です*3。手取り409,130円にこの2つを足すと、額面の50万円にちょうど戻ります。

3. 所得税の率は前月の給与と扶養の人数で決まる

算出率は、国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使い、3つの段階で決まります*3。まず、前月の給与(賞与を除く)から、その給与の社会保険料などを引いた額を出してください。次に、その額と扶養親族等(扶養している家族)の数で表の行を決め、その行の率を保険料を引いた後の額にかけます*3。表の率は復興特別所得税を含んだ率です*3。

実際、扶養0人の行では、前月の給与が9万4千円以上26万円未満なら4.084%、26万円以上30万9千円未満なら6.126%です*3。前月の給与が26万円以上30万9千円未満の人なら、同じ50万円でも所得税は26,130円に増えます。手取りは400,420円となり、81.8%だった割合は80.1%まで下がります。

ただし、前月に給与が無い場合と、賞与の額が前月の給与から保険料などを差し引いた額の10倍を超える場合は、この表を使いません*3。その場合は月額表という別の表を使って計算します*3。入社したその月に支給があるときは、その会社から前月に給与が支払われていないので、こちらにあたります。

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4. 引かれる社会保険料の内訳は4つ

社会保険料の合計は、健康保険料・子ども・子育て支援金・厚生年金保険料・雇用保険料の4つを足した額です*1*2。このうち最も大きいのは厚生年金保険料の45,750円で、次が健康保険料の24,625円です*1。子ども・子育て支援金は、令和8年4月分から健康保険料と一緒に納める負担として新しく加わりました*1。50万円から引かれる支援金は575円で、4つのうち最も小さい額です。

賞与50万円のうち社会保険料の割合(40歳未満) 14.69% 社会保険料 73,450円 健康保険24,625円・支援金575円 厚生年金45,750円・雇用保険2,500円 50万円から引かれる社会保険料は73,450円で14.69% *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

ただし、14.69%は協会けんぽ東京支部の率で出した割合で、健康保険料率は協会けんぽの支部ごとに決まっています。健康保険組合に入っている人は組合ごとの率で引かれるため、同じ50万円でも社会保険料の額は変わります。東京支部以外の人は、同じ式に自分の支部の率を当てはめてください。

雇用保険料の労働者負担は令和8年度に5/1,000となり、令和7年度の5.5/1,000から下がりました*2。子ども・子育て支援金が新しく加わった年でもあるため、前の年の明細とは、引かれる額の内訳が違っています。見比べるときは、保険料の項目ごとに額を並べてください。

5. 保険料と所得税の本人の率と50万円のときの額

健康保険料・支援金・介護保険料・厚生年金保険料は、会社と本人で半分ずつ払います(労使折半)*1。そのため、表の本人の率は、協会けんぽの保険料額表に載る率を半分にした値です*1。雇用保険料だけは、労働者の負担分として示された5/1,000をそのまま載せています*2。

賞与から引かれるものと計算のしかた

引かれるもの本人の率(東京・令和8年度)50万円のときの額
健康保険4.925%24,625円
子ども・子育て支援金0.115%575円
介護保険(40〜64歳)0.81%4,050円
厚生年金9.15%45,750円
雇用保険0.5%2,500円
所得税前月の給与で決まる率(例 4.084%)17,420円(40歳未満の例)

一方、40〜64歳の人には介護保険料4,050円が加わり、社会保険料の合計は77,500円で額面の15.5%です*1。保険料が増えた分だけ所得税をかける元の額が減るので、所得税は17,254円と少し下がります*3。差し引きの手取りは405,246円で、額面の81.0%です。介護保険料の4,050円がそのまま手取りから減るわけではなく、減り方は所得税が下がった分だけ小さく収まります。

6. 自分の賞与の手取りを出すときに手元に置くもの

自分で手取りを出すときは、計算に入る前に、次の3つを手元にそろえてください。

手取りを自分で計算するときに手元に置くもの

  • 前月の給与明細:社会保険料などを引いた後の額から、所得税の算出率の行を決めるのに使います*3
  • 加入している健康保険:協会けんぽの支部か健康保険組合かで、健康保険料率が変わるためです
  • 扶養控除等申告書:書いた扶養親族等の数を、前月の給与と組み合わせて算出率を決めるのに使います*3

実際に計算するときは、まず額面の千円未満を切り捨て、本人の率をかけて社会保険料を出します*1*4。次に、額面から社会保険料を引いた残りに、前月の給与明細と扶養親族等の数で決まった算出率をかけてください*3。40〜64歳の人は、社会保険料に介護保険料の0.81%を入れ忘れると手取りを多く見積もります。年齢・前月の給与・加入先の3つが計算例と同じなら、この手順で出した額は計算例の409,130円と一致します。

7. よくある質問

Q1. 賞与から住民税は引かれますか

A. 住民税は、6月から翌年5月まで毎月の給与から月割りの額を差し引く仕組みで、賞与からは引かれません*5。自分の明細で住民税の欄に額があるときは、会社の給与担当に扱いを聞いてください。

Q2. 40歳を過ぎると賞与の手取りは減りますか

A. 介護保険料が加わる40〜64歳では、同じ額面でも手取りは減ります*1。本人の率は0.81%で、50万円なら4,050円が上乗せで引かれる計算です。計算例では、受け取る額が409,130円から405,246円へ下がっています。

Q3. 前月の給与が高いと賞与の所得税は増えますか

A. 前月の給与が一定の額以上になると算出率が上がり、所得税は増えます*3。扶養0人の場合、4.084%の行は前月の給与が26万円未満までで、26万円以上の行では6.126%に上がります*3。額面50万円のときの所得税は、17,420円から26,130円に増える計算です。

Q4. 額面が1,000円単位でないときはどう計算しますか

A. 社会保険料は、千円に満たない端数を切り捨てた標準賞与額に率をかけて出します*1*4。所得税のほうは、切り捨てる前の額面から保険料を差し引き、その残りに算出率をかける計算です*3。端数を切り捨てる分、保険料は支給額そのものに率をかけた額より少し小さく収まります。

Q5. 子ども・子育て支援金は賞与からも引かれますか

A. 引かれます*1。協会けんぽの保険料額表では、標準賞与額に保険料率をかけた額を保険料とし、支援金率0.23%も同じ表に載っています*1。本人の負担はその半分の0.115%にあたり、50万円では575円です。

Q6. 健康保険組合に入っていると手取りは変わりますか

A. 変わる場合があります。組合に加入している場合、健康保険料は協会けんぽ東京支部の9.85%ではなく、加入先の組合の率で計算します*1。厚生年金保険料と雇用保険料の率は、健康保険の加入先によって変わりません。健康保険料と介護保険料の行を、加入先の組合が示す率に置き換えてください。支援金の率も、組合の案内で見ておくと安心です。

8. まとめ:賞与の手取りは社会保険料と所得税を引いて約8割

この記事のまとめ

  • 50万円(東京・40歳未満・扶養0人)の計算例では、手取りは409,130円で額面の81.8%です
  • 社会保険料は標準賞与額に本人の率をかけて出し、40歳未満なら合計で額面の14.69%です
  • 所得税は保険料を引いた後の額に算出率をかけ、率は前月の給与と扶養親族等の数で決まります
  • 40〜64歳は介護保険料が加わり、計算例の手取りは81.0%に下がります
  • 住民税は毎月の給与から差し引く仕組みで、計算例の手取りには含めていません

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出典・参考情報

*1 全国健康保険協会「令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)」
*2 厚生労働省「令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内」
*3 国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和8年分)」
*4 日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」
*5 東京都主税局「個人住民税と特別徴収について」

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