技術ブログの実績を転職で使う|置き場所を変える

技術ブログや社内向けの技術資料を書いてきた人にとって、転職の場面で問われるのは、読者を増やす工夫でも、更新の頻度でもありません。同じ記事であっても、職務経歴書のどこに置き、どんな一言を添えるかによって、選考の場での伝わり方は大きく変わってきます。置き場所と添え方を先に決めておくことが、選考を進めるうえでの土台になります。
技術ブログの実績で欠かせないのは、書いたものをどこに置くかという判断という視点です。
Relasic(株式会社LASSIC運営)|リモートワーク対応の転職支援
この記事のポイント
- 技術ブログの実績は、量やペースではなく、職務経歴書のどこに置くかによって選考での伝わり方が変わります
- 業務で得た知見を書いた記事は、公開してよい範囲を勤務先の規程で確認したうえで、判断の型だけを残す形に整えます
- DX推進人材が『不足している』と回答した企業は85.5%です*1。採用側がどのような人材を必要としているかという前提であり、発信の有無を条件にするものではありません
1. 技術ブログの実績は、職務経歴書のどこに置くかで見られ方が変わります
技術ブログや社内資料など、書いたものが選考でどう見られるかは、内容の量よりも、職務経歴書のどこに置き、どんな一言を添えるかで変わります。読者を増やす工夫ではなく、選考で伝わる置き場所と書き添え方を先に決めておくことが軸になります。
書いたものの扱いに迷うのは、内容そのものに自信が持てないからではなく、置き場所と添える一言の型が決まっていないからです。ここでは、書いた内容を評価してもらうための工夫ではなく、選考の場でどう置き、どう添えるかという点に絞って整理します。
分量を増やしたり体裁を整え直したりする作業は、ここでは扱いません。すでに書いてあるものをどう並べ替え、どこに置き、どんな一言を添えるかという、手元にあるものの扱い方に絞ります。
次のセクションから、棚卸しの段階、置き場所の分け方、業務由来と個人由来の書き方の違いという順に進めます。
2. 書いたものが選考で見られるまでの流れをたどります
書いたものが選考の材料になるまでには、いくつかの段階があります。今の自分がどの段階にいるかを先に確かめておくと、次に何をすればよいかが見えやすくなります。
棚卸しは、書いたものの数をそろえる作業ではありません。社外に公開した記事だけでなく、社内向けにまとめた資料や議事録も対象に含めて、まず一覧にする段階です。
置き場所を決める段階では、同じ記事でも職務経歴書に載せるかポートフォリオにとどめるかで、読まれ方が変わります。分量が多いものはポートフォリオに置き、職務経歴書には要点と一言だけを添える形が扱いやすくなります。
一言添える段階が抜けると、書いたものがあっても実績として伝わりにくくなります。何を書いたかの説明ではなく、書く過程でどんな判断をしたかを一言にする段階です。
面接で触れる段階は、聞かれたときに初めて話す場面です。あらかじめ全部を話そうとするより、質問に応じて経緯を話す準備をしておくほうが、やり取りとして自然になります。
3. 書いたものの種類ごとに、置く場所と添える一言を変えます
書いたものにはいくつかの種類があり、種類によって置く場所と添える一言が変わります。同じ技術ブログという括りでも、調査のまとめと障害の振り返りでは、読まれるときの観点が異なります。
下の表は、書いたものの種類ごとに、置く場所と添える一言の目安をまとめたものです。
書いたものの種類・置く場所・添える一言
| 書いたものの種類 | 置く場所 | 添える一言 |
|---|---|---|
| 調査のまとめ | 職務経歴書の担当業務欄 | 調べる過程で切り分けた判断基準を添えます |
| 障害の振り返り | 職務経歴書の実績欄 | 再発防止のために変えたことを一言添えます |
| 個人の学習記録 | ポートフォリオへのリンク | 何を検証してどう判断したかを添えます |
| 業務改善の提案 | 職務経歴書の実績欄 | 提案が通った理由を一言添えます |
表の4種類は、どれか1つだけを選ぶものではありません。書いたものの性質に応じて、置く場所と添える一言をそれぞれ変えていく形になります。
調査のまとめは、担当業務欄に置いたうえで、調べた結論そのものよりも、途中でどこを切り分けて判断したかを一言に残すと伝わりやすくなります。
障害の振り返りは、実績欄に置く場合、障害の詳細よりも、再発防止のために何を変えたかという一言のほうが読まれます。社内固有の情報は、この段階で伏せる形に整えます。
個人の学習記録は、量が多くなりやすいため、職務経歴書には要点だけを残し、詳細はポートフォリオへのリンクに任せる形が扱いやすくなります。
業務改善の提案は、提案の内容そのものよりも、なぜその提案が通ったのか、あるいは通らなかったのかという経緯を一言に添えると、判断の跡が伝わります。
表にない種類の文章であっても、考え方は同じです。まず何を確かめて書いたものかを見極め、そのうえで社外に出せる情報か、業務の記録なのか個人の学習なのかを分けてから、置く場所と一言を決めます。
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4. 何を書いたかより、どう決めたかが読まれる理由があります
IPA「DX動向2026」によれば、DX推進人材が『不足している』と回答した企業は85.5%、そのうち『大幅に不足』と回答した企業も50.1%にのぼります*1。これは各社が採用の場面でどのような人材を必要としているかという前提であり、個人が技術ブログを書いているかどうかとは別の話です。
この前提のもとで面接官が知りたいのは、書いた記事の分量や更新の頻度ではなく、担当した業務のなかでどこに難しさがあり、どう判断して進めたかという経緯です。技術ブログは、その経緯を思い出すための材料として扱われます。
同じ障害対応を書いた記事であっても、結論だけを並べた記事と、途中でどの選択肢を検討し、なぜその対応を選んだかまで残した記事とでは、面接で聞かれる深さが変わります。読まれているのは文章の長さではなく、判断の跡です。
判断の跡は、時間が経つほど本人の記憶からも薄れていきます。対応した直後に一言だけでも書き残しておくと、数年後に振り返って伝え直すときの手がかりになります。書く時点を早めておくこと自体が、後から実績として扱いやすくする準備になります。
次のセクションでは、業務で得たことを書いた記事と、個人の学習を書いた記事とで、残せる判断の跡がどう違うかを比べます。
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5. 業務で得たことと個人の学習、それぞれの書き方を比べます
書いたものは、業務のなかで得たことを書いた記事と、業務以外で個人的に学習した内容を書いた記事とに分かれます。どちらが評価されやすいかという話ではなく、書ける範囲と確認すべきことが異なる点を先に整理しておきます。
業務で得たことを書いた記事は、内容そのものよりも先に、公開してよい範囲を確かめる段階が必要になります。社外に出せるかどうかの判断は記事の質とは別の話であり、迷った場合は勤務先の規程を確認したうえで進めます。
個人の学習を書いた記事は、守秘の制約が少ない分、検証した手順や結論をそのまま残せます。ただし、利用したツールの規約によって書ける範囲が変わる場合があるため、その点だけは確認が必要です。
2つの書き方に優劣はありません。業務由来の記事は判断の型を、個人由来の記事は検証の過程を、それぞれ違う形で示すことができます。職務経歴書に置くときも、この違いを踏まえて一言の内容を変えます。
業務のなかで気づいたことを、業務時間外に個人であらためて検証し直して書いた記事のように、両方にまたがるものもあります。その場合は、業務由来の部分だけを取り出して公開範囲を確認し、検証の部分は個人の記事として扱う形に分けておくと整理しやすくなります。
6. 棚卸しは3つの視点で進めます
ここまでの整理を踏まえて、実際に棚卸しを進めるときの3つの視点をまとめます。書いたものを集める段階でつまずきやすいのは、視点を1つずつ確認せずに一気に並べようとするときです。
棚卸しの視点
- 書いたものを並べる:日付や媒体を問わず、これまで書いた記事や資料を一覧にします
- 判断の跡を確認する:結論だけでなく、途中でどう考えたかが残っているかを見ます
- 公開範囲を仕分ける:社外に出せる内容かどうかを、書いた時点の状況ごとに分けます
3つの視点は、順番に進めると迷いにくくなります。まず一覧にし、次に判断の跡が残っているかを確認し、最後に公開範囲を仕分ける流れです。
判断の跡が残っていない記事も、そのまま使えないわけではありません。当時の状況を思い出せる範囲で、一言を書き足すことで実績として扱えるようになります。
公開範囲の仕分けは、書いた時点では判断がつかなかったものも含めて、あらためて確認しておく価値があります。異動や担当替えによって、公開してよい範囲が変わっている場合もあります。
棚卸しをした結果、公開できる形で残っているものが少ない場合もあります。そのときは、社内向けのやり取りのメモや会議の記録など、判断の跡が残っている範囲まで対象を広げて確認してみます。書いた場所が社外か社内かは、棚卸しの段階では区別せずに並べてかまいません。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. 技術ブログは、必ず書いておく必要がありますか。
A. 必須ではありません。書いたものがある場合は、置き場所と添える一言を整理することで実績として扱いやすくなります。書いていない場合は、口頭で経緯を説明する形で伝える方法もあります。
Q2. 業務で得た知見を書いた記事は、そのまま職務経歴書に載せてよいですか。
A. 内容によります。社内の固有名詞や数値が含まれる場合は、公開してよい範囲を勤務先の規程で確認したうえで、判断の型だけを残す形に整えます。
Q3. 個人の学習記録は、職務経歴書とポートフォリオのどちらに置くべきですか。
A. どちらも選択肢になります。分量が多い場合はポートフォリオに置き、職務経歴書には要点と一言を添えてリンクする形が扱いやすくなります。
Q4. 面接で技術ブログについて聞かれたら、何を話せばよいですか。
A. 書いた内容そのものよりも、なぜその題材を選び、どう判断したかという経緯を話す形が伝わりやすくなります。
8. まとめ:技術ブログの実績は、置き場所と一言で伝わります
この記事の要点
- 技術ブログの実績は、量やペースではなく、職務経歴書のどこに置くかによって選考での伝わり方が変わります
- 棚卸し・置き場所を決める・一言添える・面接で触れるという4つの段階を、順に進めると整理しやすくなります
- 調査のまとめや障害の振り返りなど、書いたものの種類によって、置く場所と添える一言を変えます
- 業務で得たことを書いた記事は勤務先の規程を確認し、個人の学習を書いた記事は検証の過程をそのまま残せます
- DX推進人材が『不足している』と回答した企業は85.5%です*1。これは採用側の前提であり、発信の有無を条件にするものではありません
技術ブログや社内資料として書いてきたものは、内容の量ではなく、職務経歴書のどこに置き、どんな一言を添えるかによって選考での伝わり方が変わります。業務で得たことと個人の学習とでは、確認すべきことと書ける範囲が異なるため、種類ごとに整理したうえで、棚卸しから一言を添える段階まで順に進めてみてください。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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