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社長面接はほぼ内定?中途採用で落ちる理由と準備

午前の社長室の応接スペースで、社長と応募者が向かい合って話す社長面接

社長面接に進んだだけで、内定が決まったとは言い切れません。通った人の割合を示す公的な統計は無く、「ほぼ内定」と言える根拠も見当たりません。社長面接も落ちることがある選考のひとつとして、準備を進めます。

社長面接とは、会社の経営者が応募者と直接会って話す面接です。厚生労働省委託の調査には、面接3回のうち3回目が社長面接の企業の事例があります*1。数社の事例であり、統計ではありません。

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この記事のポイント

  • 合格率や内定率の公的な統計は無く、社長面接のあとの結果は企業ごとに違います。面接が終わるまでは、落ちることもある選考として臨みます。
  • 落ちる理由の例は、入社後に何をしたいかが話せないこと、会社の事業を調べていないこと、条件のすり合わせができていないことの3つです。これは公的な資料にある内容ではなく、筆者の例です。
  • 本籍・出生地や家族に関することを面接で尋ねて把握すると、就職差別につながるおそれがあります*2*3。聞かれたときの対応は、前もって決めておきます。

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

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1. 社長面接も合否は選考の結果で決まる

社長面接に進んでも、ほぼ内定と決まるわけではなく、合否は面接の結果で決まります。厚生労働省委託の調査の事例には、面接2回のうち2回目が社長・役員面接の企業があります*1。この事例は数社のものであり、社長面接を通る割合を示す統計ではありません。結果が企業ごとに違うため、面接の前に内定を前提とした動きはとりません。

午後の会社の廊下で、面接を終えて出口へ向かう応募者

社長面接が選考の最後に置かれる企業では、そこまで進んだ応募者は絞られています。ただし、絞られていることと、全員が通ることは別の話です。結果が出る前に内定を前提として動くと、他の応募先への連絡を止めてしまい、不合格になったときに選考中の応募先が残りません。

採用する側にも事情があります。労働政策研究・研修機構(JILPT)が2025年11月に公表した調査があります*4。採用の課題として「求めているレベルの人材が採用できない」を挙げた企業は41.7%(6,116社)です*4。この数字は社長面接の合格率ではありませんが、求めるレベルの人材を探している企業が少なくないことは読み取れます。

結果の連絡が来る時期は企業によって違うため、面接の最後に、連絡がいつ頃になるかを人事担当者に尋ねておきます。連絡が来るまでの間も、並行している応募先の選考は止めません。連絡の時期が分かれば、他の応募先の返事の期限と並べて動けます。

2. 社長面接は顔合わせと選考の中間にある

社長面接には、入社後に一緒に働く人の顔を見る顔合わせの面と、合否を決める選考の面があります。どちらの面が強いかは企業ごとに違い、公的な資料には割合も区別の基準もありません。筆者は、最終に近い面接ほど選考の面が残ると考え、図では顔合わせより選考に寄せて示します。位置は統計から求めた値ではなく、筆者の見立てです。

社長面接は顔合わせより選考に近い(筆者の見立て) 筆者の見立て 顔合わせ 合否を決める選考 社長面接の性格は企業ごとに違い、位置は統計ではなく筆者の見立てです 顔合わせの面もあるが、合否を決める選考として準備する

どちらの面が強い面接でも、用意する話は同じです。入社後にしたい仕事、会社の事業への理解、条件のすり合わせ方の3点について、自分の言葉を持っておきます。顔合わせの面が強い面接でも、この3点に答えられなければ、一緒に働くイメージを社長が持てないと筆者は考えます。

前の面接で話した内容と、この面接で話す内容がずれないことも、選考の面で見られる点だと筆者は考えます。前の面接で伝えた志望理由は、社長面接でも同じ言葉で話せるようにします。

面接が顔合わせの色合いかどうかは、面接の冒頭の進み方から推測できます。社長が事業や会社の方針を長く話す面接は、会社を理解してもらう顔合わせの面が強いと筆者は読みます。応募者への質問が続く面接は、選考の面が強い面接です。

3. 社長面接で聞かれやすいことと落ちる理由の例

聞かれやすいことや落ちる理由を示した公的な資料は無く、表の内容は筆者の例です。筆者は、社長が事業全体を見る立場にあるため、応募者の話が会社の方向と合うかに関心が向くと考えます。3つの落ちる理由は、能力の高さとは別の理由で、準備しだいで変えられます。

聞かれやすいことと落ちる理由、面接前の準備(筆者の例)

聞かれやすいこと落ちる理由の例面接前の準備
入社後に何をしたいか「成長したい」だけで、会社で担う仕事が語れない入社直後に取り組みたい仕事を1つ決めておく
会社の事業への理解事業の中身を調べておらず、他社でも通る話になる公式サイトで事業内容を読み、自分の経験と結びつく部分を挙げる
条件のすり合わせ希望する条件が会社の想定と合わない希望する働き方と入社時期を、聞かれたときに答えられる形にする

入社後に何をしたいかは、聞かれやすい質問の例です。「成長したい」だけの答えでは、会社でどんな仕事に就くのかが伝わらず、ほかの応募者との違いも出ません。求人票の仕事内容を読み、入社直後に取り組みたい仕事を1つ決めて、その仕事に自分の経験をどう使うかまで話します。

会社の事業への理解は、社長が自分の言葉で語れる話題であるため、聞かれやすくなります。事業の中身を調べていないと、社長の話に質問で返せず、面接が一方的な説明で終わりがちです。会社の公式サイトで事業内容を読み、自分の経験が事業のどこで役に立つかを1つ挙げられるようにします。

条件のすり合わせは、希望する働き方や入社時期が会社の想定と合うかを聞く質問です。希望を面接で初めて伝えると、会社の想定と食い違ったまま選考が進みます。希望する働き方と入社時期は、聞かれたときにそのまま答えられるよう、先に決めておきます。

3つの落ちる理由に共通するのは、その会社ならではの話が答えに出ていないことです。会社名を別の会社に入れ替えても成り立つ答えは、社長に選ばれる理由を伝えません。準備した答えごとに、会社名を入れ替えても成り立つかを試します。

4. 内定の連絡を受けたあとに確認する提示内容

最終面接の評価が高いと、想定より上の役職でオファー(採用の条件として提示すること)する企業があります*1。応募した求人と違う役職の提示を受ける場合も、この事例の延長にあります。社長面接で評価が高かったときは、提示内容が応募時と同じとは限りません。

役職が変わると担当する仕事の範囲や報酬が変わる場合があるため、提示を受けたら応募時の求人票と照らし合わせて、変わった点を1つずつ書き出します。電話で聞いた内容だけで答えを出さず、書面で受け取ってから判断します。

提示された条件に希望との差があるときは、差がある項目を書き出して優先順位をつけます。優先順位の低い項目は譲り、高い項目を通す形で話すと、交渉の論点が絞られます。入社日に関わる項目も、この段階で伝える対象です。

不合格の連絡を受けたときは、面接で聞かれた内容を書き出して、次の応募先の準備に使います。何を聞かれ、どこで答えに詰まったかが分かれば、同じ種類の面接に向けて準備を直せます。

社長面接の直後に送るお礼のメールは、件名を用件が分かる短い一文にします。例文は、関連記事にまとめています。

あわせて読みたい | 最終面接のお礼メールの例文|件名は用件が分かる短い一文に

5. 逆質問の例と聞かれたくない質問への対応

夕方の応接スペースで、メモを見ながら社長に逆質問する応募者

逆質問とは、面接の最後に応募者が会社へ質問する時間です。社長面接では、社長にしか答えられない質問を選ぶと、事業への関心が伝わります。筆者の例として、今後力を入れる事業は何か、入社後の最初に成果を期待する仕事は何か、社員にどんな姿勢を求めるか、の3つを挙げます。

条件や福利厚生の質問は、社長ではなく人事担当者に聞くほうが答えが具体的になると筆者は考えます。社長に聞くのは、会社の方向や仕事への期待のように、経営者の判断にかかわる質問です。逆質問の作り方は、関連記事に例とNG例を載せています。

逆質問の最後に、入社までに準備しておくことを尋ねる方法もあります。入社前に読んでおく資料や、触れておく技術が分かれば、入社後の仕事のイメージが具体的になります。

面接では、仕事と関係のない質問をされることがあります。公正な採用選考とは、応募者の適性・能力に基づく基準で行う選考であり、本籍・出生地、家族、住宅状況、生活環境は本人に責任のない事項です*2。

これらを面接で聞いて把握すれば、就職差別につながるおそれがあります*3。尋ねられたときの対応は、仕事に関係する範囲で答えると伝える方法です。エージェントを通して応募しているなら、不適切な質問があったことをあとでエージェントに伝えます。

あわせて読みたい | 面接の逆質問対策|おすすめの質問例とNG例

6. よくある質問

Q1. 社長面接に進めばほぼ内定ですか

A. ほぼ内定とは言い切れません。合格率や内定率の公的な統計は無く、結果は企業ごとに違います。並行している選考は止めずに進めます。

Q2. 社長面接では何を聞かれますか

A. 公的な資料に聞かれる内容の一覧は無く、筆者の例は、入社後の仕事、事業への理解、条件の3つです。答えは面接前に1文ずつ書いておくと、話す順番が決まります。どの質問にも、会社の事業と自分の経験を結びつけて答えます。

Q3. 面接で家族や出身地を聞かれたらどうしますか

A. 本籍・出生地や家族に関することを聞き出すと就職差別につながるおそれがあります*2*3。答える範囲を仕事に関わる内容に限る、と面接で伝える方法もあります。

Q4. 社長への逆質問は何を選べばよいですか

A. 社長の判断にかかわる、今後の事業や仕事への期待を尋ねる質問を選びます。条件の質問は、人事担当者に聞くほうが具体的な答えを得やすい、というのが筆者の見立てです。質問は複数用意しておくと、面接の中で答えが出てしまった質問があっても対応できます。

Q5. 社長面接は何回目の面接で行われますか

A. 回数と順番は企業ごとに違います。調査の事例では、面接3回の企業は3回目に、面接2回の企業は2回目に、社長または役員の面接を置いています*1。応募先の面接の回数は、日程の連絡を受けるときに聞いておきます。

7. まとめ:社長面接は準備して臨む選考のひとつ

この記事のまとめ

  • 社長面接のあとに内定が決まっている保証は無く、結果が出るまで他の選考は続けます。
  • 聞かれやすいのは、入社後の仕事、事業への理解、条件の3つです(筆者の例)。
  • 最終面接の評価が高いと、想定より上の役職を提示する企業もあるため、提示内容は書面で見ます*1。
  • 本人に責任のない事項を尋ねられたときは、仕事に関係する範囲だけ答えます*2*3。

この面接は、3つの話を自分の言葉で用意してから受けます。

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出典・参考情報

*1 中途採用・経験者採用が活躍する企業における情報公表その他取組に関する調査研究事業報告書(厚生労働省委託・令和6年度・2025年3月)
*2 公正な採用選考の基本(厚生労働省)
*3 採用選考時に配慮すべき事項(厚生労働省 公正採用選考特設サイト)
*4 JILPT調査シリーズNo.257 人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査(労働政策研究・研修機構・2025年11月)

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