複数社の日程を調整する|記録と伝える範囲

在職中に転職活動を進めていると、複数社の選考が同じ時期に並ぶことがあります。面接の候補日が重なったり、返事の期限が近い日に集まったりすると、どこから手をつければよいか迷いやすくなります。ここでは、他社の名前を出さずに伝える範囲を決める考え方と、自分の側で日程をどう記録しておくかに絞って見ていきます。
複数社の選考が並ぶ日程調整は、伝える範囲と記録の残し方を決めると整います。
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この記事のポイント
- 在職中に複数社の選考が並ぶときは、他社の社名を出さずに、伝える範囲を時期だけにとどめます
- 連絡した日と相手・提示された候補日・自分が返した内容・次の連絡予定は、1か所にまとめて記録します
- そのつど返信する進め方より、先に自分の空きを決めておく進め方のほうが、確認のやり取りは少なくなります
1. 複数社の選考は先に日程を整理します
複数社の選考が同じ時期に並ぶときは、まず自分の空いている時間を先に決め、次にどこまで伝えるかを決めます。他社の名前は出さずに、時期だけを伝える形にすると、選考ごとの調整がしやすくなります。
在職中に転職活動を進めると、書類選考が重なる時期に複数社の面接が近い日に集まることがあります。1社ずつであれば都度の調整で済みますが、面接が近い日に重なると、誰にどの日を伝えたかが分からなくなりやすくなります。
情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.65倍、全職業の有効求人倍率は1.26倍です*1。募集の状況からみて、選考が同じ時期に重なる場面は起こりやすいといえます。この数字は募集の状況を示すもので、日程の決め方を左右するものではありません。
選考が並ぶときにまず整理したいのは、伝える範囲です。他社の選考状況を具体的に伝える必要はなく、候補日が別の予定と重なっているという事実だけで足ります。社名を挙げて比較させる伝え方は避け、時期だけを伝える形にとどめます。
伝える範囲を決めたら、次は自分の側の記録です。連絡した相手・提示された候補日・自分が返した内容を残しておくと、同時に連絡が来ても、どの返信がどの選考への回答かを取り違えずに済みます。
調整の段取りをどう分けるかは、次の項目で4段に分けて見ていきます。面接に誰が出てくるかという範囲は、日程の調整とは別の観点になるため、別記事で扱っています。
あわせて読みたい | 面接官は誰が出るか|聞ける内容の範囲
2. 調整の段取りを4段で進めます
調整の段取りは、思いついた順に対応するのではなく、先に4段に分けておくと、複数社の選考が同時に動いても迷わずに進められます。
4段の順番を逆にすると、伝える範囲を先に決めていない状態で打診に返信することになり、会社によって伝える内容がぶれやすくなります。順番を守ることで、対応のたびに考え直す手間が減ります。
最初の段は自分の空きを決めることです。面接に使える曜日と時間帯を、選考の数だけまとめて先に確保しておくと、打診が来た都度に予定を組み直す必要がなくなります。
2段目は伝える範囲を決めることです。複数社の選考が並んでいることは伝えてよい情報ですが、どの会社の選考が進んでいるかという具体的な内容までは伝えません。
3段目は打診への返信を即日にすることです。候補日の連絡から返信までの時間が空くと、連絡が積み重なり、どれに返信済みかが分からなくなります。
4段目は決まった日程を1か所に集めることです。次の項目では、記録として残す内容と、その記録をどこに置くかを具体的に見ていきます。
3. 記録しておく内容と残す場所をそろえます
決まった日程だけでなく、途中のやり取りも記録に残しておくと、連絡が重なっても混同しにくくなります。
記録しておく内容と、残す場所の目安
| 記録しておく内容 | どこに残すか |
|---|---|
| 連絡した日と相手 | 予定表やメールの下書きに1行で記録 |
| 提示された候補日 | 予定表に仮予定として先に入れる |
| 自分が返した内容 | 送信済みメールか、返信の写しを保管 |
| 次の連絡予定 | 予定表に次の連絡日を入れておく |
連絡した日と相手を記録するのは、複数社から日をおいて連絡が来たときに、どの会社にいつ何を伝えたかを思い出せるようにするためです。日付だけでも記録があれば、後から確認するときの手間が減ります。
提示された候補日は、返信する前に予定表へ仮の予定として入れておきます。仮予定を入れておかないと、別の会社から同じ時間帯の候補日を提示されたときに気づけません。
自分が返した内容は、送ったメールを消さずに残す、または返信の文面を控えておく形で記録します。同じ内容を口頭でも伝えた場合は、伝えた日付も合わせて残しておきます。
次の連絡予定を記録に残しておくと、返信が来ていない会社に気づきやすくなります。選考が並ぶ時期は、連絡が来ることを待つだけでなく、来ていないことにも気づく必要があります。
記録する場所は1つにまとめることが要になります。会社ごとに別のメモを作ると、比べるときに開き直す手間が増え、記録している意味が薄れます。
記録の形式は、デジタルの予定表でも手書きのメモでも構いません。形式をどちらにするかより、四つの項目をもれなく同じ場所に残すことのほうが重要です。
4. 他社へ伝える範囲は時期にとどめます
複数社の選考が並んでいることを、面接の場でどこまで伝えるかは迷いやすい点です。伝える範囲は、候補日が別の予定と重なっているという時期の情報にとどめます。
他社の社名や、その選考がどこまで進んでいるかという内容は、伝える必要のない情報です。社名を挙げて比較させる伝え方は、伝えた側の意図と関係なく、比較を求めているように受け取られることがあります。
時期だけを伝える言い方であれば、社名を出さずに済みます。候補日をいくつか示してもらったうえで、都合のつく日を選んで返す形にすると、他社の存在を前提にした説明を加えずに調整できます。
伝える言葉の一例として、「別の選考の日程と重なっているため、○日以降でご相談できますでしょうか」という言い方があります。会社名や選考の状況を挙げずに、時期だけを伝えられます。
伝える範囲を決めておくと、それぞれの会社への伝え方がそろい、会社ごとに説明の内容を変える必要がなくなります。説明の内容がそろっていれば、後から自分でも何を伝えたかを覚えておきやすくなります。
伝える範囲を決めたあとの判断、たとえば内定が出たときにどこまで検討するかは、日程の調整とは別の観点になります。承諾の判断について、必要な情報の足し方は別記事で扱っています。
あわせて読みたい | 内定の承諾で迷うとき|足す情報を決める
5. そのつど返す進め方と先に固める進め方を比べます
そのつど返す進め方は、打診が来るたびに予定を確認し、空いている時間を探して返信する形です。1社だけであれば大きな負担になりませんが、複数社が同時に動くと、確認の回数がそのまま増えます。
先に固める進め方は、面接に使える曜日と時間帯をあらかじめ決めておき、打診が来た時点でその枠から選んで返す形です。確認の回数を増やさずに、それぞれの選考への返信を進められます。
先に固める進め方では、候補日の連絡を受けた時点で「候補日のうち、○日と○日で調整できます」とすぐに返せます。空きをあらかじめ決めておくことで、返信の文章を考える時間も短くなります。
どちらの進め方でも、候補日を提示すること自体は変わりません。差が出るのは、提示された候補日を確認する作業を、打診が来るたびに行うか、先にまとめて済ませておくかです。
先に固める進め方に切り替えるタイミングは、複数社の選考が同時に動き始めた時点が目安になります。1社だけの選考であれば、そのつど返す進め方でも大きな支障は出ません。
先に固めた枠は、3の表で挙げた記録と合わせて管理すると、返信の抜けや重複を避けやすくなります。次の項目では、調整でつまずきやすい点を確認します。
6. 調整でつまずきやすい点を確認します
複数社の選考が並ぶ調整では、同じ点でつまずきやすい傾向があります。あらかじめ知っておくと、気づいたときに対応しやすくなります。
つまずきやすい点
- 候補日の記録漏れ:仮予定として入れる前に返信してしまい、後から重複に気づく
- 伝える範囲のずれ:会社によって伝える内容を変えてしまい、自分でも何を伝えたか分からなくなる
- 返信の持ち越し:即日返す運用を決めていても、忙しい日に先送りしてそのまま止まる
- 記録場所の分散:会社ごとに別のメモを作り、比べるときに開き直す手間が増える
候補日の記録漏れは、複数社から連絡が続く時期に起こりやすくなります。候補日を受け取ったら、返信する前に予定表へ仮の予定として入れる順番を守ると、記録漏れを防ぎやすくなります。
伝える範囲のずれは、決めたはずの範囲を会社ごとに変えてしまうことで起こります。時期だけを伝えるという範囲を先に決めておき、どの会社にも同じ範囲で伝えることが対策になります。
返信の持ち越しは、即日返す運用を決めていても、忙しい日には先送りしやすい点です。先送りした連絡は次の日に持ち越さず、その日のうちに一度は状況を見直すようにします。
記録場所の分散は、会社ごとに別のメモを作ることで起こります。3の表で挙げた項目を1か所にまとめておくと、比べるための開き直しが減ります。
記録する場所は、使っているカレンダーの予定に直接メモを添える形でも十分です。新しく専用のツールを用意する必要はなく、すでに使っている予定表に一手間加えるだけで足ります。
選考が進んだ段階で職場の様子を確認したいときの頼み方は、日程の調整とは別の観点になります。頼み方と見るところは、別記事で扱っています。
あわせて読みたい | 職場を見せてもらえるか|頼み方と見るところ
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 複数社の選考が並ぶとき、面接で他社の名前を伝えてもよいですか。
A. 社名は伝えなくてもよい情報です。候補日が別の予定と重なっているという時期の情報だけを伝えれば、調整に必要な範囲は伝えられます。
Q2. 候補日の返信は、どれくらい早く返すのがよいですか。
A. 目安は即日です。返信までの時間が空くほど、連絡が積み重なり、どれに返信済みかが分かりにくくなります。
Q3. 記録する内容が多くて負担に感じる場合、削ってもよい項目はありますか。
A. 連絡した日と相手、提示された候補日、自分が返した内容、次の連絡予定の4つは、いずれも取り違えを防ぐための項目です。負担を感じる場合は、記録する場所を1つに絞ることから始めると続けやすくなります。
Q4. 先に空きを決めておく進め方に、途中から切り替えることはできますか。
A. できます。切り替えるタイミングに決まりはなく、複数社の選考が同時に動き始めた時点で切り替える形でも調整できます。
8. まとめ:複数社の日程は記録の作り方で決まります
この記事の要点
- 複数社の選考が並ぶときは、まず自分の空きを先に決め、次に伝える範囲を時期だけに決めます
- 他社の社名を出さずに、候補日が別の予定と重なっているという事実だけを伝えます
- 連絡した日と相手・提示された候補日・自分が返した内容・次の連絡予定を1か所に記録します
- そのつど返す進め方より、先に空きを固める進め方のほうが、確認の回数は増えません
複数社の選考が同じ時期に並んでも、伝える範囲と記録の残し方をあらかじめ決めておけば、都度迷わずに対応できます。決めた範囲と記録の形を、選考が進む間も変えずに続けることが調整を保つ要になります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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