出張の精算はどう進むか|立替と締め

出張にかかる費用は、多くの場合、いったん本人が立て替えてから、あとで会社に申請して受け取る形になっています。精算を進めるときに迷いやすいのは、何を立て替えるのか、いつまでに申請するのか、何を添えて出すのかという3点です。この3点がどこに書かれているかを確かめておくと、戻ったあとの手続きで迷う範囲を減らせます。金額や区分は会社の規程によって決まるため、ここでは示しません。
精算の要点は、立て替える範囲・申請の締め・添える控えの3つを確かめることです。
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この記事のポイント
- 出張の精算で確かめる項目は、立て替える範囲・申請の締め・添える控え・振り込まれる時期の4つです
- この4つは、旅費規程・社内の案内・上長の承認に分かれて書かれています
- 金額や区分は会社の規程で決まるため、案内と窓口で確かめます
1. 出張の精算は、立替と締めで進みます
この費用の精算を進めるうえで軸になるのは、立て替える範囲と、申請の締めです。何を立て替えるのか、いつまでに申請するのか、何を添えて出すのかという3点を先に確かめておくと、戻ったあとの手続きで迷う範囲を減らせます。
出張に出ると、交通費や宿泊費などの費用は、いったん本人が立て替えてから、あとで会社に申請して受け取る形になっている会社が多くあります。立て替える範囲は会社ごとに決まっており、どこまでを対象とするかは旅費規程に定められています。
精算の流れで迷いやすいのは、立て替える範囲そのものよりも、申請をいつまでに出せばよいかという締めです。締めを過ぎてから提出すると、受け取りが翌月に回る扱いになっている会社もあります。
予定が決まった段階では、経路や宿泊先を選ぶことに気を配りがちですが、戻ったあとの精算の手続きも同じくらい確かめておく価値があります。何を立て替え、何を添えて、いつまでに出すのかという3点は、旅費規程・社内の案内・上長の承認という3つの書面や手続きに分かれて書かれています。
通勤にかかる定期の精算は、出張にかかる費用の精算とは別の扱いです。通勤の扱いについては別記事で確かめられます。
次の章では、立て替える範囲がどのように決まるのかを見ていきます。
あわせて読みたい | 定期券の精算は在宅で変わる|書面と時期
2. 立て替える範囲は、旅費規程で分かれます
立て替える範囲とは、交通費や宿泊費のうち、どこまでを対象とするかという線引きです。旅費規程に、対象となる費用の種類と、対象外となる費用の種類が定められています。
対象となる費用の種類は、会社によって幅があります。交通費と宿泊費だけを対象とする会社もあれば、食事にかかる費用の一部まで対象に含める会社もあります。
立て替えた費用を申請するときは、支払った内容を確かめられる控えを添えることが求められます。控えの形式や、どこまで細かく必要かは旅費規程や申請書のひな形に示されています。
控えの原本を提出するか、控えを撮影した画像で足りるかも、会社によって分かれます。原本の提出を求められる場合、申請後に控えが戻ってくるかどうかまでは明記されていないことがあるため、返却の扱いも合わせて確かめておくと、あとで困りません。
立て替える範囲が旅費規程だけで判断できない場合は、社内の案内に補足が示されていることがあります。規程の改定が済んでいない項目について、案内で運用を補っている会社もあります。
立て替え以外の方法として、出張の前に仮払いを行う会社もあります。仮払いを利用できるかどうかや、その申請先は旅費規程に定められている場合が多く、利用した場合は戻ったあとの精算時に仮払いの分を差し引く手続きが必要になります。
日数が延びた場合や、予定していた経路を変えた場合の扱いも、立て替える範囲と合わせて確かめておきたい点です。変更が生じたときの扱いまで規程に書かれているとは限らないため、次の章の表で確認先を整理します。
3. 確かめる項目は、三つの書面に並びます
確かめておきたい項目を、三つの書面や手続きと対応させて整理します。
確かめる項目/書かれている場所
| 確かめる項目 | どこに書かれているか |
|---|---|
| 何を立て替えるのか | 旅費規程に、対象となる費用の種類と対象外の範囲が定められています |
| 必要な控え | 旅費規程や申請書のひな形に、添える控えの形式が示されています |
| 提出の締め | 社内の案内に、申請をいつまでに出すかが示されています |
| 振り込まれる時期 | 社内の案内や給与に関する案内に、精算がいつ支払われるかが示されています |
四つの項目のうち、何を立て替えるのかと必要な控えは、旅費規程に書かれていることが多くあります。範囲と控えの形式をセットで確かめておくと、申請のときに不足に気づいて出し直す手間を減らせます。
提出の締めは、旅費規程そのものではなく、社内の案内に示されている場合があります。締めの日は毎月同じとは限らず、出張が重なる時期は特に確かめておく価値があります。
振り込まれる時期についても、社内の案内や給与に関する案内に示されています。締めに間に合った申請がいつの支払いに反映されるかは、給与の支払日とは別に決まっている会社もあります。
旅費規程に書かれていない項目があっても、それだけで申請できないわけではありません。社内の案内や、経理・総務からの案内に補足が示されている場合があるため、規程集だけを探して見当たらないときは、案内も確認範囲に含めます。
申請の出し方も会社によって異なります。紙の申請書に控えを貼って提出する会社もあれば、経費管理システムに内容を入力し、控えを画像で添付する会社もあります。どちらの方法かによって、控えを保管しておく期間や形式が変わることもあります。
四つの項目を一度に確かめられなくても、旅費規程から始めて、社内の案内、必要であれば上長の承認という順に確認範囲を広げていく形でも、必要な情報は揃います。
4. 地域差の数字は、旅費規程とは別に見ます
立て替える範囲や締めの背景として、賃金の地域差を示す数字を2つ並べます。
一般労働者の賃金は、全国計が月340.6千円、東京都が418.3千円です*1。地域によって賃金の水準に差があることを示す数字です。
この数字は賃金の地域差を示すものであり、旅費の扱いを決めるものではありません。旅費規程が会社ごとに違う背景には、拠点を置く地域や事業の内容など複数の要因が関わっており、賃金の地域差だけで説明できるものではありません。
地域によって水準が違うという前提に立つと、旅費規程が会社ごとに異なるのも、特別なことではないと分かります。立て替える範囲や締めを確かめるときは、他社の運用をそのまま当てにせず、自分の会社の規程で確認することが要になります。
5. 精算の理解は、位置で表せます
精算がどこまで分かったかは、数字ではなく位置で表せます。
出張の精算がどこまで分かっているかは、「まだ分からない」から「書面まで確かめた」までの間のどこかに位置づけられます。何を立て替えるかまでは分かっていても、締めまでは分かっていない、という状態もこの間に含まれます。
位置が左に近いほど、まず何を確かめればよいかを絞る段階にあります。位置が右に近いほど、書かれている書面をもとに窓口へ直接聞く段階に進めます。
出張中の勤務時間の扱いについても、精算とは別に確かめておきたい運用です。勤務時間の申請については別記事で扱っています。
精算の理解を進めることは、会社の規程を評価することではありません。次に確かめる窓口を絞るための手がかりです。
書面を確かめる前の段階では、同僚から聞いた話だけで判断しないほうが安全です。同じ会社でも部署や目的によって、確かめた時点の扱いが異なっている場合があります。
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6. 確かめる窓口は、三つの型に絞れます
確かめる窓口が分かれば、聞き方も型でそろえられます。経理・上長・総務という三つの型に分けておくと、確認が重複しません。
確かめるときの三つの型
- 経理に確かめる型:立て替える範囲や必要な控えの形式を尋ねます
- 上長に確かめる型:承認の要否や、予定を変更したときの扱いを尋ねます
- 総務に確かめる型:申請の締めや振り込まれる時期を尋ねます
三つの型は、確かめたいことが複数あるときに、聞く相手をそろえるための型です。どの型を使うかは、まだ分かっていない項目によって決まります。
経理に確かめる型は、立て替える範囲や必要な控えの形式が分からないときに使います。旅費規程のどこに対象の範囲が書かれているかを尋ねると、次に見る書面が絞れます。
上長に確かめる型は、承認が必要かどうかや、予定を変更したときの扱いが分からないときに使います。承認の要否は行き先や目的によって分かれる場合があるため、事前に確かめておくと申請がスムーズになります。
総務に確かめる型は、申請の締めや振り込まれる時期が分からないときに使います。社内の案内をもとに、次の締めがいつなのかを尋ねられます。
三つの型を使う順番にも目安があります。まず経理に立て替える範囲を確かめ、次に上長へ承認の要否を確かめ、最後に総務へ締めと支払いの時期を確かめると、同じ説明を繰り返さずに済みます。
複数人で出張した場合は、確かめる相手が一人増えることもあります。タクシー代など複数人分をまとめて立て替える人が出てくる場面では、誰が代表して申請するか、参加した人の名前をどう記載するかも、旅費規程や社内の案内に定めがある場合があります。
早朝や深夜に及ぶ先方との打ち合わせがある場合、その時間帯の扱いは精算とは別に確認が必要です。時間帯に関する運用は別記事で扱っています。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. 費用は必ず立て替える必要がありますか。
A. 会社によって異なります。コーポレートカードなどを使う会社もあれば、いったん立て替えてから精算する会社もあるため、旅費規程で確認する必要があります。
Q2. 立て替えた費用の控えは、どこまで細かく必要ですか。
A. 会社によって異なります。旅費規程や申請書のひな形に、必要な控えの形式が示されているため、そこで確認します。
Q3. 申請の締めを過ぎてしまった場合、どうなりますか。
A. 会社の規程によって異なります。翌月の支払いに回る扱いになっている会社もあるため、社内の案内で確かめることをおすすめします。
Q4. 予定を変更した場合、立て替える範囲も変わりますか。
A. 変わる場合があります。変更が生じたときの扱いは旅費規程に明記されていないこともあるため、上長や経理に確かめることが確実です。
8. まとめ:出張の精算は立替と締めで確かめます
この記事の要点
- 出張の精算で確かめる項目は、立て替える範囲・必要な控え・提出の締め・振り込まれる時期の4つです
- 4つの手がかりは、旅費規程・社内の案内・上長の承認に分かれています
- 確かめる窓口は経理・上長・総務の三つの型に分けると、聞き方が重複しません
- 賃金の地域差を示す数字(全国計340.6千円・東京都418.3千円*1)は、旅費の扱いを決めるものではありません
出張の精算で大切なのは、立て替えられるかどうかではなく、範囲と締めをどこで確かめるかです。何を立て替え、何を添えて、いつまでに出すのかを旅費規程と社内の案内で確かめ、それでも分からない部分は上長や経理に確認します。会社ごとに定めが異なるため、規程と案内、上長の承認を見比べながら進めます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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