住む場所に条件がつく在宅|4つの書面

在宅で働ける求人であっても、住む場所に条件がつくことがあります。フルリモートと書かれていても、緊急時の対応や連絡のとりやすさを理由に、居住地についての一文が別の書面に置かれている場合があります。この条件は求人票だけに書かれているとは限らず、労働条件通知書や就業規則、在宅勤務の規程、個別の合意という複数の書面に分かれて置かれることがあります。転居を考える前に、どの書面に何が書かれているかを確認する順番を持っておくと、あとから条件を知って慌てることを避けられます。
住む場所の条件は、求人票・労働条件通知書・就業規則・個別の合意という4つの書面のどこかに書かれています。
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この記事のポイント
- 在宅で働けても、住む場所には条件がつくことがあります
- 条件は求人の記載・労働条件通知書・就業規則や規程・個別の合意という4つの書面に分かれて書かれています
- 雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%です*1。この数字は条件の有無を決めるものではありません
1. 在宅でも住む場所に条件がつくことがあります
在宅で働ける求人であっても、住む場所に条件がつくことがあります。条件は1つの書面にまとめて書かれているわけではなく、求人票、労働条件通知書、就業規則や在宅勤務の規程、個別の合意という複数の書面に分かれて書かれています。転居を考える前に、どの書面に何が書かれているかを確かめる順番を持っておくと、あとから条件を知って慌てることを避けられます。
在宅勤務が認められている求人でも、居住地についての条件が別の書面に置かれていることがあります。フルリモートと書かれていても、緊急時の来社や連絡のとりやすさを理由に、居住地についての一文が求人票以外の書面に書かれている場合があります。
住む場所の条件は、採用の場面で最初にすべて示されるとは限りません。募集の段階では触れられておらず、内定後に交わす書面や、入社後に閲覧できる社内の規程で初めて明らかになることもあります。
条件の書かれ方も1つではありません。「通勤可能な範囲」「日本国内在住」というように範囲で示される場合もあれば、居住地を区分する形で示される場合もあります。どの書き方かによって、確認すべき内容も変わってきます。
この条件を確認する作業は、在宅で働けるかどうかそのものを確認する作業とは別の話です。在宅勤務の可否がどこで決まるかについては、別記事で扱っています。
ここから、条件が示されるタイミング、条件が書かれる4つの書面、テレワークをしている人の割合、勤務地の指定として書かれている場合と出社できる範囲として書かれている場合の対比、確認する順番、よくある質問という順に見ていきます。
2. 条件は入社前に一度だけ示されるとは限りません
この条件は、入社の前に一度だけ示されるとは限りません。募集の段階では条件が書かれておらず、内定後に受け取る書面で初めて明らかになることもあります。
書き方も1つに決まっているわけではありません。「通勤可能な範囲」「日本国内在住」というように範囲で示される場合もあれば、区分で示される場合もあります。範囲の示し方が違うと、実際に動ける範囲の広さも変わってきます。
在宅で働く前提の求人であっても、この条件が別に置かれているのは、緊急時の来社や連絡のとりやすさを想定している場合が多いためです。理由そのものが書かれていないときは、条件だけが先に示されることもあります。
この条件は、一度確認したら以後変わらないとも限りません。転居を検討する時点であらためて確認しておくと、以前確認した内容と変わっている場合に気づけます。
条件が確認できても、在宅勤務そのものが認められるかどうかは別の確認が必要です。在宅勤務の承認がどこで決まるかは、別記事で扱っています。
あわせて読みたい | 在宅の可否が決まる場所|承認の位置
3. 住む場所の条件が書かれる4つの書面
この条件は、4つの書面のいずれかに書かれています。どの書面に書かれているかによって、確認できるタイミングも変わります。
住む場所の条件が書かれる場所と、そこから読み取れること
| 条件が書かれる場所 | そこから読み取れること |
|---|---|
| 求人の記載 | 応募前に確認できる条件。範囲や区分の文言があれば、応募の段階で把握できる |
| 労働条件通知書 | 内定後に渡される書面。求人の記載と条件が変わっていないかを確認できる |
| 就業規則や在宅勤務の規程 | 入社後に閲覧できる社内規程。条件が置かれている背景が書かれている場合がある |
| 個別の合意 | 転居や在宅勤務の申請時に交わす書面。会社ごとの個別の事情が反映される |
住む場所の条件は、この4つの書面のいずれかに書かれています。求人の記載に条件がある場合は、応募の前に確認できます。「通勤可能な範囲」「日本国内在住」などの文言があれば、その時点で範囲を把握できます。書かれていない場合は、次の書面で確認する必要があります。
労働条件通知書は、内定後に渡される書面です。求人の記載と同じ条件が書かれているか、範囲が変わっていないかを確認できます。2つの書面で条件が異なっている場合は、どちらが現在の条件かを人事に確認したほうがよいでしょう。
就業規則や在宅勤務の規程には、この条件そのものだけでなく、条件が置かれている背景が書かれている場合があります。緊急時の来社や連絡のとりやすさを理由にしていることが分かれば、条件の重さも見えてきます。
個別の合意は、転居や在宅勤務の申請をする時点で交わされる書面です。会社の規程には表れない個別の事情が反映されるため、規程を確認したあとに、この書面が必要かどうかを人事に確認しておくと、確認の抜けを減らせます。
4つの書面は、どれか1つだけを見れば済むというものではありません。求人の記載を確認したうえで、労働条件通知書、就業規則や規程、個別の合意という順に確認を重ねると、条件を見落とす範囲を減らせます。
4. テレワークをしている人の割合を確かめておきます
この条件を確認する作業と並べて、実際にテレワークをしている人がどれくらいいるかも見ておきます。
雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%です*1(2024年・国土交通省 テレワーク人口実態調査)。在宅で働いている人がどれくらいいるかを示す数字です。
この数字は在宅で働く人の割合を示すもので、住む場所の条件を決めるものではありません。実施率が高くても、個々の求人や会社の規程に条件がないとは限りません。
実施率はあくまで働き方の広がりを示す集計であり、会社ごとの条件の有無や範囲は、この数字からは分かりません。条件があるかどうかは、3の表で挙げた書面を確認して初めて分かります。
テレワークをしている人が一定数いるという事実と、自分が応募する求人に条件があるかどうかは、別々に確認する事柄です。実施率の高さを理由に、条件の確認を省略しないほうがよいでしょう。
5. 勤務地の指定と出社できる範囲を比べます
住む場所についての条件は、大きく2つの書き方に分かれます。1つは勤務地の指定として書かれている場合で、指定した場所での居住そのものを条件にする書き方です。もう1つは出社できる範囲として書かれている場合で、出社できることを条件にする書き方です。
勤務地の指定として書かれている場合、この条件そのものが基準になるため、指定の範囲外に住むと条件を満たさない扱いになります。範囲が都道府県や地域で区分されていることもあり、区分の外に住む予定があるなら、応募の前に確認しておく必要があります。
出社できる範囲として書かれている場合は、居住地そのものではなく、出社できることが条件になります。通勤にかかる時間や範囲で示されることが多く、出社の頻度によって範囲の基準が変わることもあります。
どちらの書き方であっても、条件を満たすかどうかは書面の文言をそのまま確認するのが確実です。書かれ方が違えば、確認すべき内容も変わります。
出社できる範囲として書かれている場合、実際にどのくらいの頻度で出社が求められるのかは、この対比だけでは分かりません。出社頻度の読み取り方は、別記事で扱っています。
あわせて読みたい | ハイブリッド勤務の求人|「リモート可」では分からない出社頻度
6. 確認する順番を4つの手順に分けます
この条件を確認する作業は、順番を決めておくと重複や抜けを減らせます。求人の記載から個別の合意まで、4つの手順に分けて確認します。
住む場所の条件を確認する順番
- 求人の記載を見る:応募前に、居住地についての文言があるかを確認します
- 労働条件通知書を照合する:内定後に、求人の記載と条件が変わっていないかを確認します
- 就業規則や規程を確認する:入社後に、条件の背景や在宅勤務の規程を確認します
- 個別の合意を確認する:転居や申請の時点で、追加の合意が必要かを人事に確認します
4つの手順は、この順番で確認すると重複が少なくなります。求人の記載を先に見ておけば、内定後に労働条件通知書を照合する際、変わった点だけを確認すればよくなります。
求人の記載にこの条件が書かれていない場合でも、条件がないとは限りません。労働条件通知書や就業規則で初めて示されることがあるため、記載がないことを条件がないことと同じに扱わないほうがよいでしょう。
就業規則や在宅勤務の規程は、入社してから閲覧できることが多い書面です。入社前に内容を知ることが難しい場合は、内定後の面談などで確認できる範囲を尋ねておくと、入社後に確認する手間を減らせます。
個別の合意が必要になるのは、転居や在宅勤務の申請をする時点です。規程に書かれていない個別の事情がある場合、この段階で人事に相談しておくと、あとから条件の食い違いに気づく事態を避けやすくなります。
条件を確認したあとは、実際の働き方として出社日がどのように決まるのかが次の関心事になることがあります。出社日の決め方は、別記事で扱っています。
あわせて読みたい | 出社日は誰がいつ決めるか|生活の組み立て方
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 住む場所の条件は、求人票に書かれていない場合もありますか。
A. あります。求人の段階では条件が示されず、労働条件通知書や就業規則で初めて明らかになる場合があります。求人票に条件の記載がないときは、次の書面で確認するとよいでしょう。
Q2. 居住地の条件と、出社できる範囲の条件は同じ意味ですか。
A. 同じではありません。居住地そのものを指定する書き方と、出社できる範囲を条件にする書き方は分かれており、どちらで書かれているかによって確認する内容が変わります。
Q3. 内定後にこの条件が変わっていた場合、どうすればよいですか。
A. 求人の記載と労働条件通知書の内容が異なる場合は、どちらが現在の条件かを人事に確認するとよいでしょう。書面同士の食い違いは、確認すれば解消できることが多いです。
Q4. 転居を考えている場合、いつ条件を確認すればよいですか。
A. 転居を検討し始めた時点で、あらためて就業規則や個別の合意の内容を確認しておくとよいでしょう。以前確認した内容から変わっている場合があります。
8. まとめ:条件は書面を順に確認すれば見えてきます
この記事の要点
- 在宅で働けても、住む場所には条件がつくことがあります
- 条件は求人の記載・労働条件通知書・就業規則や規程・個別の合意という4つの書面に分かれて書かれています
- 雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%です*1。この数字は条件の有無を決めるものではありません
- 勤務地の指定として書かれている場合と、出社できる範囲として書かれている場合は、書き方が異なります
住む場所の条件を1つの書面だけで判断すると、見落としが残ります。求人の記載、労働条件通知書、就業規則や規程、個別の合意という4つの書面を順に確認すれば、転居の前に必要な確認を済ませられます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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