在宅の光熱費はどう書かれるか|記載の読み方

在宅で働く日が増えると、電気やインターネットにかかる光熱費も増えます。この増えた分を会社がどう扱うかは、定額の手当として支給する場合と、実費の一部を精算する場合、そして支給しないと明記する場合や記載そのものがない場合まで分かれます。どの型に当たるかを、書面のどこに書かれているかから確かめる話に絞って見ていきます。金額や税の扱いは会社の規程と制度の定めによって変わるため、ここでは示しません。
光熱費の扱いは、在宅で働くときに書面のどこに記載されているかを確かめると分かります。
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この記事のポイント
- 在宅で働くときの光熱費は、定額の手当・実費の精算・支給しないと明記・記載がないの4つの型のいずれかとして書面に記載されます
- 記載を読む手順は、書面の記載を読む→読み取れない点を1つに絞る→窓口を1つ決める、という3段で進めると迷いにくくなります
- 雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%です*1。この数字は在宅で働く人の割合を示すもので、費用の扱いを決めるものではありません
1. 在宅の光熱費は書面の記載で分かります
在宅で働くときにかかる光熱費は、会社が定額の手当として支給するか、実費の一部を精算するか、あるいは支給せずそのままにするかのいずれかとして書面に記載されます。記載がないときは、その書面自体を探すところから始めます。
自宅で働く時間が長くなると、電気やインターネットの使用量が増え、光熱費もその分だけ膨らみます。会社がこの増えた分をどう扱うかは、就業規則や社内規程、あるいは募集要項に記載されている場合があります。書かれている場所も書き方も会社によって異なるため、まず記載そのものを探すところから始まります。
在宅の環境をどこまで会社が用意するかという論点は、光熱費の扱いとは別の書面に書かれていることが多くあります。パソコンや通信機器の貸与、作業スペースの整備といった環境面の関わり方は、別記事で扱っています。ここでは光熱費の記載だけに絞って見ていきます。
光熱費の記載は、大きく分けて4つの型に分かれます。定額の手当として支給する型、実費の一部を精算する型、支給しないと明記する型、そして記載そのものがない型です。次の表で、それぞれの型と確かめることを整理します。
あわせて読みたい | 在宅の環境に会社はどこまで関わるか|確かめ方
2. 光熱費の記載の型と書面の対応
光熱費の記載は、4つの型に分けて確かめると迷いません。それぞれの型で、確かめることも変わります。
光熱費の記載の型と、確かめること
| 記載の型 | 確かめること |
|---|---|
| 定額の手当として支給 | 対象になる働き方の条件・支給の対象になる期間・申請の要否 |
| 実費の一部を精算 | 対象になる費用の範囲・精算の対象になる期間・申請の方法と期限 |
| 支給しないと明記 | 支給しない理由の記載があるか・見直しの予定があるかどうか |
| 記載がない | 探す書面の範囲・確認する窓口・確認した記録の残し方 |
定額の手当として支給する型では、在宅で働く日数や時間の条件によって対象になるかどうかが変わります。条件がどこに書かれているかを確かめておくと、対象から外れていないかを見落とさずに済みます。
実費の一部を精算する型では、対象になる費用の範囲が論点になります。電気代の全額なのか、在宅で働いた日数に応じた一部なのかは、規程の書き方によって変わります。範囲が書かれていない場合は、申請の窓口に確かめる必要があります。
支給しないと明記する型は、記載がない型と混同しやすいところです。支給しないと書かれている場合は、その方針自体が確定していることを意味します。一方で記載がない場合は、方針そのものが定まっていない可能性も含みます。
入社を検討している段階では、募集要項に光熱費の記載があるかどうかも確かめておくと、入社後の思い違いを防げます。ただし募集要項にすべての条件が書かれているとは限らず、入社時の説明で初めて明らかになる部分も残ります。
記載が見当たらない場合は、就業規則だけでなく、入社時に受け取った案内文書や社内ポータルの掲示まで、確かめる範囲を広げます。それでも見当たらないときは、口頭ではなくメールなど記録に残る方法で人事や総務に確かめておくと、あとで行き違いが起きにくくなります。
4つの型のどれに当たるかが分かれば、次に確かめることも絞られます。次の図で、記載を読む手順を3段に分けて示します。
3. 光熱費の記載を読む3段の手順
4つの型のどれに当たるかが分かったら、記載を読み進める手順を3段に分けておくと、途中で迷いにくくなります。
土台になるのは、就業規則や社内規程、募集要項に書かれている記載を、実際に読むことです。記載を読む前に窓口へ相談すると、窓口側も何を答えればよいか絞れず、同じ説明を繰り返すことになります。
中段では、読んでも分からない点を1つに絞ります。4つの型のどれに当たるかは分かっても、対象になる条件までは書かれていない、ということもあります。分からない点を1つに絞ってから次に進むと、聞くことが明確になります。
頂点では、絞った点を誰に聞くかを決めます。人事、給与担当、上長のどこに聞くかは、分からない点の種類によって変わります。窓口の分け方は、あとの項目で3つの型に分けて示します。
私物の端末を在宅で使えるかどうかという線引きも、同じように記載を読むところから始まります。端末の線引きについては、別記事で扱っています。
あわせて読みたい | 私物端末が使えない在宅|線引きを読む
4. 定額の手当と実費精算の違い
定額の手当は、在宅で働く条件を満たせば、使った量にかかわらず同じ額が支給される仕組みです。毎月の額が変わらないため、申請の手間は少なくなりますが、実際にかかった費用との差は生まれます。
実費の一部を精算する仕組みは、使った分に応じて申請し、その都度または月単位で受け取る形です。実際の使用量に近づけられる一方で、申請の手間や、対象になる費用の範囲を確かめる手間が増えます。
どちらの仕組みを採るかは会社ごとに決まっており、どちらが正しいということはありません。在宅の日数が少ない会社では定額の手当を、在宅の日数が多い会社では実費の精算を選ぶ傾向がありますが、これも会社の規程によって変わります。
通勤にかかる費用の扱いも、在宅の日数によって定期券代の支給から実費の精算に切り替わることがあります。切り替わる仕組みの考え方は、光熱費の扱いと近い部分があります。通勤費の扱いについては、別記事で扱っています。
光熱費の扱いを確かめるときは、定額か実費かという型だけでなく、その型がいつから適用されているか、見直しの予定があるかも合わせて確かめておくと、あとになって戸惑うことが減ります。
あわせて読みたい | 定期券の精算は在宅で変わる|書面と時期
5. テレワークの実施率を参考として添えます
光熱費の記載を確かめる前に、在宅で働く人がどれくらいいるかを示す数字を1つだけ参考に置きます。
雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%です*1。この数字は在宅で働く人の割合を示すもので、費用の扱いを決めるものではありません。
光熱費の記載がどう書かれているかは、在宅で働く人の割合が高いか低いかとは関係なく、会社ごとの規程で決まります。実施率が高い会社だから記載が充実しているとも限りません。この数字は、在宅で働くという状況の広がりを示す参考情報として置いています。
参考の数字はここで説明を終えます。次の項目からは、記載を確かめる窓口の分け方に戻ります。
6. 確かめる窓口を3つの型に分けます
光熱費の記載について分からない点が絞れたら、聞く窓口を3つの型に分けておくと、確認が重複しません。
確かめるときの3つの型
- 人事に確かめる型:就業規則や社内規程のどこに光熱費の記載があるかを尋ねます
- 給与担当に確かめる型:申請の方法と期限、対象になる費用の範囲を尋ねます
- 上長に確かめる型:在宅の日数が変わったときに記載どおりの扱いが続くかを尋ねます
人事に確かめる型は、記載そのものがどこにあるか分からないときに使います。就業規則や社内規程、募集要項のどこに光熱費の記載があるかを尋ねると、次に読む書面が絞れます。
給与担当に確かめる型は、申請の方法や対象になる費用の範囲が分からないときに使います。定額の手当か実費の精算かが分かっても、申請の期限までは書かれていないことがあります。
上長に確かめる型は、在宅の日数が増えたり減ったりしたときに、記載どおりの扱いが続くかどうかを尋ねる場面で使います。記載自体は変わっていなくても、運用が変わっている場合もあるため、日数が変わったタイミングで確かめておくと安心です。
3つの型を使う順番にも目安があります。まず人事に記載のある場所を確かめ、次に給与担当に申請の方法を確かめ、最後に上長へ日数が変わったときの扱いを確かめると、同じ説明を繰り返さずに済みます。
窓口が分からないときは、まず人事に相談すると、そこから次にどの窓口へ確認すればよいかを教えてもらえる場合があります。
確かめた内容は、メールなど記録に残る方法でやり取りしておくと、あとになって聞いた内容の食い違いが起きにくくなります。口頭だけで確かめた場合は、内容を簡単にまとめて返信し、認識が合っているかを重ねて確かめておくと安心です。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 光熱費の手当は、在宅で働けば必ず支給されますか。
A. 会社の規程によって異なります。在宅で働く条件を満たしていても、支給の対象になる働き方や期間が別に定められている場合があるため、就業規則や社内規程の記載を確かめる必要があります。
Q2. 光熱費が実費で精算される場合、電気代の全額が対象になりますか。
A. 会社の規程によって異なります。対象になる費用の範囲は電気代の一部だけを指す場合もあるため、範囲がどこまでかを給与担当や人事に確かめることをおすすめします。
Q3. 光熱費の記載が就業規則に見当たらない場合、支給されないと判断してよいですか。
A. その時点では判断できません。記載がないことは、支給しないと決まっていることと同じではなく、別の書面に書かれている場合や、方針自体が定まっていない場合もあるため、窓口で確かめる必要があります。
Q4. 光熱費の扱いに、税の区分は関係しますか。
A. 税の扱いは会社の規程と制度の定めによって変わるため、ここでは断定できません。給与に関する案内や人事の窓口で確かめることをおすすめします。
8. まとめ:在宅の光熱費は記載で確かめます
この記事の要点
- 在宅で働くときの光熱費は、定額の手当・実費の精算・支給しないと明記・記載がないの4つの型のいずれかとして書面に記載されます
- 記載を読む手順は、書面の記載を読む→読み取れない点を1つに絞る→窓口を1つ決める、という3段で進めると迷いにくくなります
- 確かめる窓口は人事・給与担当・上長の3つの型に分けると、確認が重複しません
- 雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%です*1。この数字は在宅で働く人の割合を示すもので、費用の扱いを決めるものではありません
光熱費の記載を定額の手当だと思い込んだまま実費の精算に切り替わっていたり、記載がないまま在宅を続けていたりすると、あとになって戸惑うことになります。型を見分け、読む手順と窓口を決めておけば、記載がどう書かれていても落ち着いて確かめられます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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