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ITアウトソーシングから転職|社名を書けない職務経歴書

ITアウトソーシングから転職|社名を書けない職務経歴書のイメージ写真

ITアウトソーシングの会社に所属し、客先に常駐して働いてきたエンジニアが転職の書類を用意すると、最初に手が止まるのが職務経歴書です。守秘の約束があって客先の社名を出せない、複数の現場を短い期間で移ってきたので経歴が細かく分かれてしまう。この2つのつまずきは、書き方を変えるだけで解消できます。

IPAの調査では、DX推進人材が不足していると答えた企業は85.5%にのぼります*1。人材を求める企業が多くても、職務経歴書に担当した業務を具体的に書けなければ、書類選考の段階で埋もれてしまいます。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

数字で見る、転職前に確認しておきたいこと この記事の要約 DX推進人材が不足と回答した企業 *1 85.5% IPA調査(2025年度) 調査対象は国内企業 人材を求める企業は多い 一般労働者の賃金・東京都 *2 418.3千円 全国計との差は77.7千円 月額・2025年調査 地域による差ははっきり出る 東京都と全国計の賃金差 *2 77.7千円 東京都418.3千円との差 月額・2025年調査 差を意識した求人選びができる 経歴の書き方次第で、求人からの見え方は変わります *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

この記事のポイント

  • IPAの調査では、DX推進人材が不足していると答えた企業は85.5%です*1。人材を求める企業が多い一方で、職務経歴書に担当した業務を具体的に書けるかどうかが、書類選考を通過できるかを分けます。
  • 一般労働者の賃金は東京都が月418.3千円で、全国計との差は77.7千円です*2。リモートワーク対応の求人であれば、常駐先を変えなくても、この差を縮める転職先を探せます。
  • ITアウトソーシングの現場では、客先の社名を書けない、複数の現場を短期間で移ってきた、という2つの壁があります。書き方を変えれば、どちらも伝わる情報に変わります。

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1. ITアウトソーシングからの転職は職務経歴書の書き方で決まる

ITアウトソーシングの現場で客先常駐を続けてきたエンジニアの転職は、職務経歴書に「どの業種の現場で何を担当したか」を具体的に書けるかどうかで結果が変わります。IPAの調査では、DX推進人材が不足していると答えた企業が85.5%にのぼります*1。人材を求める企業が多くても、書類の時点で担当した業務が伝わらなければ、選考の入り口を通過できません。

客先に常駐して働いてきたエンジニアの経歴は、自社開発だけを続けてきたエンジニアの経歴とは書き方が変わります。守秘の約束で客先の社名を書けない現場があり、複数の現場を短い期間で移ってきた場合は、経歴が現場の数だけ細かく分かれてしまいます。

この2つは、経歴が薄いことを意味しません。むしろ複数の業種・複数の技術に触れてきた経験として書けるかどうかが、書類選考の通過を分けます。書けない情報を空欄にするのではなく、書ける情報を先に固めることが出発点になります。

採用する側は、社名そのものより、どの規模のシステムでどの技術を担当し、どんな成果を出したかを見ています。ITアウトソーシングの経歴でも、この3点を職務経歴書の中心に置けば、選考で不利になる理由はありません。

この考え方は、これまで所属した会社の数にかかわらず使えます。ITアウトソーシングの会社を1社しか経験していなくても、複数の会社を渡り歩いていても、書類に書く優先順位は変わりません。

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2. 経歴を職務経歴書に積み上げる3段階

職務経歴書に何を書くかを考える前に、積み上げる順番を決めておくと、複数の現場をひとつの経歴として書きやすくなります。

経歴を組み立てる3つの段 実績を数字や成果物で示す 担当した業務の結果を、件数や規模、 扱ったデータ量などの数字で書きます 担当した業務を技術と役割で書く 使用した技術と、現場で受け持った役割を具 体的に書きます 現場の期間と技術を時系列で並べる 複数の現場を時系列で並べ、それぞれの期間 と使用した技術を書きます 積み上げる順番を守ると、複数の現場が1つの経歴として伝わります

土台になるのは、現場の期間を時系列で並べることです。複数の現場を短期間で移ってきた場合ほど、時系列の抜けや重なりが目立つため、在籍していた期間を月単位で正確に書くことが欠かせません。

中段では、使用した技術と現場で受け持った役割を書きます。客先の社名が書けなくても、扱った技術と役割は守秘の対象外であることがほとんどです。

頂点に置くのは実績です。担当した件数、扱ったデータの規模、対応した障害の件数など、数字にできるものを優先して書きます。数字がなければ、成果物の種類や関わった工程の広さを書きます。

3段階を意識せずに書くと、古い現場の説明が長くなり、直近の実績が埋もれてしまいます。積み上げる順番を先に決めておくことで、採用する側が知りたい情報から書けるようになります。

3. 客先の社名を書けないときの書き方

客先常駐の現場では、契約上の理由で客先の社名を書けないことがあります。この場合、社名の代わりに業種と事業規模を書きます。「小売業大手の基幹システム」「地方銀行の勘定系システム」のように、業種と規模が伝われば、採用する側は現場の複雑さを想像できます。

社名を伏せる理由も、一言添えておくと誤解を防げます。「守秘の約束により社名は記載していません」という一文を職務経歴書の冒頭に置くだけで、空欄ではなく方針であることが伝わります。

業種や規模だけでは伝わりにくいと感じる場合は、チームの人数や、自分が担当した作業量を添えます。人数や作業量は、守秘の対象になりにくい情報です。

複数の現場を短期間で移ってきた経歴も、書けないことではありません。異動や契約更新のタイミングで現場が変わった理由を一言書いておけば、経歴が細切れに見える印象を減らせます。

ITアウトソーシングの現場を渡り歩いてきた経歴は、業種を横断した経験として書き直せます。社名が書けないことを弱点として扱うのではなく、経験の幅を示す材料として使います。

面接で社名を聞かれた場合も、書類と同じ答え方で構いません。守秘の約束がある旨を伝えたうえで、業種や役割を口頭で補足すれば、説明として成立します。

退職前にできる準備として、担当した業務や実績を月ごとにメモしておく方法があります。在職中でなければ思い出せない数字も多いため、早い段階でメモを残しておくと、職務経歴書を書く段階で困りません。

4. 書ける情報と書けない情報を整理する表

ITアウトソーシングの経歴で、書ける情報と書けない情報を一度整理しておくと、複数の現場をひとつの職務経歴書にまとめやすくなります。

【表1】客先常駐の経歴で書ける情報の整理

項目書けない情報の例書ける情報の例
現場の呼び方客先の社名業種・事業規模・システムの種類
担当した業務客先固有の業務フロー名使用した技術・受け持った役割
実績契約金額や取引条件対応件数・データ規模・成果物の数
期間在籍した年月・現場の数

表のとおり、客先の社名や契約金額のように守秘の対象になりやすい情報がある一方で、業種や事業規模、使用した技術や役割、実績の数字は書きやすい情報です。

一般労働者の賃金は東京都が月418.3千円で、全国計との差は77.7千円です*2。リモートワーク対応の求人であれば、常駐で身につけた技術と実績を書ければ、拠点を変えずにこの差を縮める転職先を探せます。

表の右側の列を先に埋めてから、左側で書けない項目を確認すると、書ける情報の多さに気づきやすくなります。

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5. 複数の現場をひとつの経歴にまとめる手順

経歴をまとめる4つの手順 1 現場を時系列で書き出す 在籍した年月と現場の数を、入社の古い順に一覧にします 2 共通する技術で束ねる 現場が変わっても使い続けた技術があれば、ひとつの経験としてまとめます 3 異動の理由を一言添える 契約更新や配属替えなど、現場が変わった理由を短く書きます 4 直近の現場を厚く書く 直近1〜2件の現場は、実績や数字を厚めに書き、それより前は要約します 手順どおりに並べると、現場の数が多いことは弱点に見えなくなります

ITアウトソーシングの現場を渡り歩いてきた経歴も、次の手順でひとつの職務経歴書にまとめられます。

現場を時系列で書き出す作業は、経歴の抜けや重なりをなくすための土台になります。在籍期間が短い現場が続いていても、時系列が整っていれば、採用する側は経緯を追いやすくなります。

共通する技術で束ねる工程では、現場ごとに別々に書いていた経験を、ひとつの技術の積み上げとして書き直します。ITアウトソーシングの現場を複数経験してきたことは、技術を使う場面の幅として書けます。

直近の現場を厚く書くのは、採用する側が近い時期の実績を重視するためです。古い現場は、担当した技術と期間だけを簡潔に書けば十分です。

4つの手順は、現場を数多く経験した人だけでなく、現場の数が少ない人にも使えます。時系列で並べ、技術で束ね、理由を添え、直近を厚く書くという順番は、経歴の長さにかかわらず共通します。

6. 書類を出す前に確認すること

職務経歴書を提出する前に、次のことを確認しておくと、書き直しの手戻りを防げます。

提出前に確認すること

  • 書いてよい情報:客先との契約書や誓約書に、書いてよい情報の線引きが書かれていないか確認します。契約書が手元にない場合は、人事や総務に確認できないか検討します。
  • 技術の書き方:使用した技術の名称は、求人票や職種名に合わせて書きます。略称と正式名称が混ざらないように、どちらかに統一します。
  • 実績の数字:件数・規模・期間など、数字にできるものを在職中にメモしておきます。数字が残っていない場合は、関わった期間の長さや担当した工程の数で代用します。
  • 現場の数:ITアウトソーシングで複数の現場を経験した場合、直近3件を目安に厚く書き、それ以前は年月と技術だけをまとめます。件数が多いことは、経験の幅として書けます。

書いてよい情報とそうでない情報は、退職してからでは確認しにくくなります。在職中に契約書や誓約書を見返し、線引きを整理しておきます。

4つの確認はどれも単独では足りません。書いてよい情報、技術の書き方、実績の数字、現場の数をまとめて確認することで、複数の現場を経験した経歴でも、ひとつの職務経歴書として仕上がります。

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7. よくある質問

Q1. 客先の社名を書かないと転職で不利になりますか

A. 不利にはなりません。守秘の約束で社名を書けない理由を一言添えたうえで、業種や事業規模、使用した技術を具体的に書けば、採用する側は現場の内容を判断できます。書類の段階で判断材料が具体的であるほど、選考に進みやすくなります。

Q2. 短期間で現場を移ってきた経歴はどう見られますか

A. 現場が変わった理由を一言添えれば、印象は変わります。契約更新や配属替えのタイミングであったことを書き、共通する技術で経歴をまとめると、経験の幅として伝わります。理由を書かずに現場名だけを並べると、採用する側は経歴の一貫性を確認しにくくなります。

Q3. 常駐先で身につけた実績はどう証明すればよいですか

A. 件数や規模など、数字で示せるものを優先します。数字にできない場合は、担当した工程の広さや、関わった成果物の種類を書きます。成果物の種類も、実績として扱えます。

Q4. ITアウトソーシングの経歴だけで正社員求人に応募できますか

A. 応募できます。雇用の形にかかわらず、担当した業務と実績が具体的に書かれていれば、正社員求人の選考でも同じように評価の対象になります。雇用形態の違いよりも、担当した業務の具体性が評価の基準になります。

Q5. 転職エージェントには客先の社名を伝える必要がありますか

A. 話せる内容で構いません。エージェントは書類に載せる情報とは別に経歴を把握したうえで企業に推薦するため、社名が言えなくても、業種や技術の情報があれば選考は進められます。

8. まとめ:ITアウトソーシングの経歴は書き方で伝わる

この記事のまとめ

  • 客先の社名が書けない現場は、業種・事業規模・使用した技術に置き換えて書きます。
  • 複数の現場は、時系列で並べたうえで、共通する技術で束ねると、ひとつの経歴として伝わります。
  • IPAの調査では、DX推進人材が不足していると答えた企業が85.5%です*1。人材を求める企業が多くても、書類の時点で担当した業務が伝わらなければ選考を通過できません。
  • 一般労働者の賃金は東京都が月418.3千円、全国計との差は77.7千円です*2。リモートワーク対応の求人であれば、常駐で積んだ経験を、拠点を変えずに活かせます。

客先の社名が書けないことも、現場を短期間で移ってきたことも、書類選考で不利になる理由にはなりません。次の一歩は、これまでの現場を時系列で書き出すことから始めてみましょう。

経歴の書き方を整えてから、次の一歩へ

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※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。

出典・参考情報

*1 IPA「DX動向2026」
*2 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」

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