Webポータル担当が入口の裏でしてきた調整|転職

社内向けや会員向けのWebポータルを担当してきたエンジニアが転職の書類を書くとき、そこに並ぶ実績は「入口の画面を作っていた」という一行に縮んでしまいがちです。実際に担当してきたのは、画面の裏側にある部署をまたいだ調整の積み重ねです。
DX推進人材が不足していると回答した企業は85.5%です*1。部署の要望を聞き、権限で表示を分け、リンク先の担当と話をつけてきたこの調整の経験は、人材が不足している現場ほど価値を持ちます。
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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- DX推進人材が不足していると回答した企業は85.5%です。部署をまたいで要望を聞き取り、権限で表示を分けてきたこの調整の経験は、この状況のなかで評価されやすくなります*1。
- 一般労働者の賃金は40〜44歳で月364.3千円です。この担当を重ねてきた時期と重なりやすく、次の求人でこの水準をどう扱うかが判断材料になります*2。
- 正社員全体のテレワーク実施率は22.5%です。Webポータルの担当は部署への聞き取りやリンク先との調整が中心のため、在宅を含む働き方でも進めやすい仕事です*3。
1. Webポータル担当は入口の画面だけに見えてしまいます
Webポータルを担当してきた経験は、入口の画面だけでなく、部署をまたいだ調整の実績として伝えられます。IPAの調査では、DX推進人材が不足していると回答した企業は85.5%でした*1。人材が不足している現場ほど、どの部署の何を並べるかを聞いて回り、権限で見えるものを分け、リンク先の担当と話をつけてきた調整の経験の価値が上がります。転職の書類にこの調整の中身を書かないままだと、担当していたのは画面の見た目だけだと受け取られてしまいます。
社内向けや会員向けのWebポータルは、掲載する情報が多いほど、画面をどう作るかより、どの部署の何をどこに置くかを決める作業のほうに時間がかかります。掲載を希望する部署に話を聞いて回り、優先順位をつけてきた経験は、画面が形になるより先に積み重なっています。
権限によって見える項目を分ける作業も、この担当につきものです。誰にどこまで見せるかを決めるには、部署ごとの役割や、公開してよい情報かどうかを先に把握しておく必要があります。
リンク先の担当と話をつける作業も欠かせません。ポータルに並んだリンクの先には、別の部署が管理するページやシステムがあり、表示する文言や遷移の条件をその担当者とすり合わせてから公開しています。
担当してきた掲載の数や、確認をとった部署の数を具体的な数字で示せると、書類の段階でも実績として伝わりやすくなります。
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2. 関わる部署の数で経験の伝わり方が変わります
Webポータルの担当と一口に言っても、関わってきた部署の数や、権限による表示の分け方は担当ごとに異なります。自分がどの位置にいたかを、部署の数と表示の分け方の2つで確認します。
多くの部署と関わりながらこの仕事を担当してきた場合、その経験は表示の作り方だけでなく、部署ごとの要望をどう聞き取ってきたかという実績でもあります。図の右上に近いほど、聞き取ってきた要望の数は増えます。
権限で表示を分けてきた経験も、単なる設定作業ではありません。どの部署のどの情報を、誰に見せてよいかを判断するには、社内の役割や公開のルールを理解している必要があります。
少数の部署だけを担当してきた場合でも、権限で表示を分けてきたなら、その判断の積み重ねは十分な実績になります。関わった部署の数だけで経験の厚みを測る必要はありません。
面接で聞かれたときは、図のどちらに近い経験かを先に伝えると、担当してきた仕事の広さが相手に伝わりやすくなります。
3. リンク先の担当と話をつけてきた調整があります
Webポータルに並んだリンクの先には、別の部署やチームが管理しているページやシステムがあります。リンクを置くだけであれば数分の作業ですが、実際にはその前に、表示する文言や遷移条件をリンク先の担当者とすり合わせる作業が入っています。
掲載を依頼された部署の要望をそのまま反映すると、リンク先のページ側で表示している内容と食い違うことがあります。食い違いを防ぐには、リンク先の担当者に現在の状態を確認し、変更があれば連絡をもらう関係を先に作っておく必要があります。
この調整は一度きりの作業ではありません。組織の変更や、リンク先のシステム更新のたびに、掲載内容を見直す機会が発生します。そのたびに関係する部署へ連絡を取り、変更点を反映してきた積み重ねが、この担当の裏側にあります。
転職の書類にこの調整の中身を書かず、「入口の画面の保守を担当」とだけ書くと、リンク先との調整までは伝わりません。誰と、何を、どう確認してきたかを具体的に書くことで、担当してきた仕事の厚みが伝わります。
面接でも同じことが言えます。画面をどう作ったかより、どの部署の誰と、どんなやり取りを重ねてきたかを聞かれる場面が増えています。具体的なやり取りを話せるように、担当した掲載ごとに整理しておくと答えやすくなります。
誰といつ、どんなやり取りをしたかを簡単な記録に残しておくと、時間が経ってからも具体的な場面を振り返ることができます。
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4. 担当してきた仕事を求人票の言葉に置き換えます
この経験を、求人票でよく使われる言葉と並べて確認します。同じ仕事でも、書き方によって伝わり方が変わります。
【表1】Webポータルの担当経験と求人票の表記
| 担当してきた仕事 | 求人票でよく使われる表記 | 伝わる実績 | 書き添えておく点 |
|---|---|---|---|
| 部署への聞き取り | 「要件のヒアリング」「関係部署との調整」 | 掲載内容を決める判断 | 対象部署の数を具体的に書く |
| 権限による表示の分け方 | 「アクセス制御」「権限設計」 | 誰に何を見せるかを決める判断 | 分けた権限の種類を書く |
| リンク先との調整 | 「他部署との連携」「システム間の調整」 | 継続的にすり合わせてきた実績 | 調整の頻度を書く |
表の左側は、実際に担当してきた仕事をそのまま書いた場合の表現です。右側は、求人票でよく使われる言葉に置き換えた表現です。同じ仕事でも、言葉を変えるだけで求人票との一致度が上がります。
書き添えておく点の欄は、書類に数字や具体例を足すための手がかりです。対象部署の数や、分けた権限の種類、調整の頻度を書き添えると、置き換えた言葉だけでは伝わらない実績の厚みが補えます。
5. 在宅を含む働き方の広がりを確認します
Webポータルの担当は、複数の部署とのやり取りが中心の仕事です。在宅を含む働き方でどこまで進められるかを、実施率の数字で確認します。
正社員全体のテレワーク実施率は22.5%です*3。この担当は、部署への聞き取りやリンク先との調整が中心で、対面でなければ進められない作業は多くありません。
ただしこの数字は正社員全体の平均であり、この担当だけの実施率ではありません。在宅を含む働き方が可能かどうかは、求人ごとに条件を確認する必要があります。
求人票に出社の頻度が書かれていない場合は、面談で確認する方法もあります。部署への聞き取りをどう進めているか、オンラインの打ち合わせで代替できているかを聞くと、実際の働き方が見えてきます。
面談でこの担当の実施率を聞かれたときは、部署への聞き取りをオンラインでどこまで進めてきたかを、具体的な場面とあわせて答えると伝わりやすくなります。
6. Webポータルの経験を書類で伝える工夫を整理します
この経験を職務経歴書や面接で伝えるために、書き添えておきたいことを整理します。
書類で伝えるために書き添えること
- 関わった部署の数:聞き取りをした部署がいくつあったかを、具体的な数で書きます。
- 権限による分け方:どんな権限の種類を作り、誰にどこまで見せていたかを書きます。
- リンク先との調整:どの部署の誰と、どのくらいの頻度でやり取りしてきたかを書きます。
- 変更への対応:組織変更やシステム更新があったとき、掲載内容をどう見直してきたかを書きます。
- 問い合わせの変化:掲載の見直しによって、利用者からの問い合わせがどう変わったかを書きます。
5つはどれも、画面の見た目には表れない実績です。求人票の「関係部署との調整」「権限設計」といった言葉と結びつけて書くと、Webポータルで担当してきた仕事の中身が伝わりやすくなります。
職務経歴書に書ききれない場合は、面接で話す内容として別に整理しておく方法もあります。数字や具体例を添えて話せるようにしておくと、入口の画面だけを担当していたのではないと伝わります。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. Webポータルの担当経験だけでリモートワーク対応の求人に応募できるか
A. 応募できます。部署への聞き取りや権限による表示の分け方、リンク先との調整といった実績を、求人票の言葉に置き換えて書くことで、経験として伝わりやすくなります。
Q2. 実務経験は何年あれば評価されるか
A. 目安は実務3年です。複数の部署とやり取りしながら掲載内容を決めてきた経験の厚みが問われます。3年未満でも、関わった部署の数が多ければ評価される場合があります。
Q3. 権限による表示の分け方は職務経歴書にどう書けばよいか
A. 分けた権限の種類と、それぞれに何を見せていたかを具体的に書きます。「アクセス制御を設計した」だけでなく、対象になった部署や利用者の種類まで書くと伝わりやすくなります。
Q4. 在宅を含む働き方はこの担当でも可能か
A. 求人ごとに異なります。部署への聞き取りやリンク先との調整はオンラインでも進められる作業が多いため、対象になりやすい仕事です。出社の頻度は求人票や面談で確認しておく必要があります。
Q5. 面接ではこの担当経験をどう話せばよいか
A. 画面をどう作ったかではなく、どの部署の誰と、どんなやり取りを重ねてきたかを具体的に話します。関わった部署の数や、調整の頻度を添えると、担当してきた仕事の厚みが伝わります。
Q6. 担当してきたのが1つのWebポータルだけでも実績になるか
A. なります。関わった部署の数や、権限で分けた種類が多ければ、担当したポータルの数が1つでも、調整の経験としては十分な厚みになります。
8. まとめ:入口の画面の裏側にある調整の経験が評価されます
この記事のまとめ
- DX推進人材が不足していると回答した企業は85.5%です。部署をまたいで要望を聞き取ってきたこの調整の経験は、この状況のなかで評価されやすくなります*1。
- 一般労働者の賃金は40〜44歳で月364.3千円です。この担当を重ねてきた時期と重なりやすく、次の求人でこの水準をどう扱うかが判断材料になります*2。
- 正社員全体のテレワーク実施率は22.5%です。部署への聞き取りやリンク先との調整が中心の仕事のため、在宅を含む働き方でも進めやすい仕事です*3。
- Webポータルの担当経験は、入口の画面だけでなく、部署の数・権限による分け方・リンク先との調整という3つの実績に分けて書くことで、担当してきた仕事の厚みが伝わります。
次の一歩は、これまで聞き取ってきた部署の数や、分けてきた権限の種類を、具体的な数と場面で書き出すことです。画面の裏側にある調整の経験を言葉にしたうえで、転職の書類を組み立てていきましょう。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 IPA「DX動向2026」
*2 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)
*3 パーソル総合研究所「第十回テレワークに関する調査」
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