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退職交渉|転職先の伝え方と聞かれやすい内容

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退職を伝える面談で、上司や人事から「次はどこに決まったのですか」と聞かれて、答えに詰まった経験がある人は少なくありません。答える義務があるかどうかより先に、どこまで話すかを自分で決めておくと、当日の受け答えに迷いが減ります。

転職先を伝えるかどうかを決めるのは会社ではなく自分です。厚生労働省の調査では、転職入職率は9.7%です*1。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

数字で見る、転職と働き方の状況 この記事の要約 転職入職率*1 9.7 % 厚生労働省 雇用動向調査 令和6年・産業計 45〜49歳の賃金*2 377.9千円 月額・一般労働者 厚生労働省 賃金構造基本統計調査 2025年調査・年収の話が出る場面も ある 正社員のテレワーク実施率*3 22.5 % パーソル総合研究所 2025年・働き方を理由にする場合も 転職先をどこまで話すかは、会社に決められることではなく自分で選べます *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

この記事のポイント

  • 退職交渉で転職先を聞かれても、社名まで話す決まりはありません。伝える内容は自分で選べます。
  • 厚生労働省の調査では、転職入職率は9.7%です*1。転職する人が珍しくない状況でも、伝え方に迷う場面は残ります。
  • 業種だけ伝える、保留にする、社名まで話すという3つの選び方から、自分の状況に合う対応を選べます。

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1. 退職交渉で転職先を聞かれたら答え方を決めておきます

退職交渉で転職先を聞かれても、社名まで答える決まりはありません。厚生労働省の雇用動向調査では、転職入職率は9.7%です*1。伝える相手や場面に応じて、業種だけ伝える、保留にする、社名まで話すという中から選べます。

退職を伝える面談で「次はどこに決まったのですか」と聞かれる場面は珍しくありません。引き止めの材料にされたくない、同業なら詳しく話したくないなど、答えたくない理由がある人もいます。

会社に対して転職先を報告する決まりは、労働契約にも法律にも定められていません。伝えるかどうか、どこまで伝えるかは、自分で選べることです。

ただし、何も答えずに済ませようとすると、話がこじれることもあります。何を話し、何を話さないかを、面談の前に自分の中で決めておくと、その場で言葉に詰まらずに済みます。

答え方に正解はありませんが、退職を伝える前に自分の状況を整理しておくと、当日の対応がぶれにくくなります。同業への転職なのか、業種そのものを変える転職なのか、引き継ぎにどれくらいの期間が必要かによって、話す内容の選び方も変わってきます。

2. 転職先を伝える退職交渉は3段階で進みます

転職先の伝え方を決める3段階 1 退職の意思を伝える まず退職する意思そのものを伝えます。転職先の話は、この時点でしなくてもかまいません。 2 引き止めへの対応を決める 慰留された場合に、条件を聞いて考え直すか、意思を変えないかを先に決めておきます。 3 転職先をどこまで話すか決める 社名まで話すか、業種だけにとどめるかを、聞かれた場面で答えられるように決めておきます。 3段階を分けておくと、聞かれた場面でも慌てずに答えられます

退職交渉は、意思を伝える段階と、転職先について聞かれたときに答える段階を分けて考えると整理しやすくなります。まとめて話そうとすると、意思そのものより転職先の話に時間を取られることがあります。

引き止めにあった場合、その場で結論を出す必要はありません。条件を聞いたうえで持ち帰り、考え直すか意思を変えないかを、後日改めて伝える方法もあります。

転職先については、社名・業種・入社時期のうち、どこまで話すかを事前に決めておくと、聞かれた瞬間に迷わずに答えられます。伝え方に迷う場面は、選考を辞退するときの伝え方とも似ています。こちらの記事も参考になります。

段階を分けずに一度にまとめて話そうとすると、意思を伝える場のはずが、条件交渉のような雰囲気になってしまうことがあります。退職の意思、引き止めへの対応、転職先の話をそれぞれ別の話題として扱うことが、面談を落ち着いて進めるための土台になります。

あわせて読みたい | 選考辞退の理由の伝え方|転職活動で角が立たない例文

3. 伝える順番を変えると上司の反応も変わります

退職の意思を先に伝え、転職先の話はそのあとに回すと、話の重心が意思の固さに置かれます。逆に転職先を先に話すと、社名や条件のほうに関心が向き、意思そのものへの確認が後回しになることがあります。

同業他社への転職を伝えると、情報の扱いを気にする上司もいます。社名を出さずに「同業です」とだけ伝え、詳しい話は避けるという伝え方もあります。

家庭の事情や働き方を理由に挙げる場合は、転職先の詳細より、理由のほうを先に、具体的に伝えたほうが納得を得やすくなります。パーソル総合研究所の調査では、正社員のテレワーク実施率は22.5%です*3。働き方を変えるための転職であれば、その点だけを伝えて、社名は保留にする選び方もできます。

どの順番で話すにしても、聞かれてから考えるのではなく、話す内容を先に決めておくことが、当日の受け答えを安定させます。

上司との関係が良好な場合でも、伝える順番は変えなくてかまいません。関係が良いからこそ社名まで話してしまい、あとで気まずくなるケースもあるため、話す内容を決めておく手間は省かないほうが安心です。

4. 聞かれる内容ごとに答え方を表にまとめます

退職交渉で聞かれやすい内容と、答え方の例を整理します。答える決まりがある項目とない項目を分けて確認します。

退職交渉で聞かれる内容と答え方の例

聞かれる内容答える決まり答え方の例
転職先の社名答える決まりはない「同業ではありません」など、業種までにとどめます
転職先の年収答える決まりはない「今より条件のよいところです」など、金額は伏せます
入社予定日伝えると引き継ぎの調整がしやすい「◯月から勤務予定です」と具体的な時期を伝えます
退職理由伝えると引き止めの材料が減る「働き方を変えたいためです」など理由を先に伝えます

表の左は聞かれやすい内容、中央は答える決まりの有無、右は答え方の例です。

転職先の社名や年収は、答える決まりがない項目です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、45〜49歳の一般労働者の賃金は月377.9千円です*2。年収を理由に退職を伝える場合、水準の話が出ることもありますが、具体的な金額まで答える必要はありません。

入社予定日と退職理由は、答えておくと引き継ぎの調整や引き止めへの対応がしやすくなる項目です。答える決まりがなくても、伝えておいたほうが話がまとまりやすくなります。

条件面の話し合いは、退職を伝える面談だけでなく、転職先のオファー面談でも起こります。オファー面談での条件の確かめ方は、こちらの記事で扱っています。

表にした4つの項目以外にも、勤務地や職種など、聞かれる内容は会社によって異なります。共通しているのは、答える決まりがない項目でも、伝えておいたほうが話がまとまりやすい場合があるという点です。何を伝え、何を伏せるかを、項目ごとに分けて考えておくと判断しやすくなります。

あわせて読みたい | オファー面談で年収交渉はできる?確認すべき条件と進め方

5. 社名まで話す場合と業種だけ話す場合を比べます

転職先について、社名まで話す場合と業種だけにとどめる場合とで、何が変わるかを比べます。

社名を話す場合と業種だけ話す場合の比較 社名まで話す場合 同業なら情報の扱いを気にされることがあります 引き止めの材料にされる可能性があります 話がその場で終わりやすくなります 業種だけ話す場合 社名を尋ねられても伝えずに済みます 引き止めの材料が具体的になりにくくなります 重ねて聞かれることがあります どちらを選んでも、答える決まりがないという前提は変わりません

社名まで話すと、話がその場で終わりやすくなります。一方で、同業への転職であれば、情報の扱いを気にされたり、引き止めの材料にされたりすることがあります。

業種だけにとどめると、社名を重ねて聞かれることもありますが、「まだお伝えできる段階ではありません」と繰り返し答える方法で対応できます。

どちらを選んでも、答える決まりがないという前提は変わりません。話す内容は、聞かれた場面や相手との関係で選べます。

迷ったときは、退職の意思を伝える面談の時点では業種だけにとどめ、実際に引き継ぎが進んで転職先が確定した段階で社名まで話すという、時期をずらす進め方もあります。一度に決め切らなくても、段階を分ければ答えやすくなります。

6. 話す前に確認しておくことを整理します

退職交渉で転職先について聞かれる前に、確認しておきたいことを整理します。

話す前に確認しておくこと

  • 就業規則の記載:退職時の報告事項に転職先が含まれていないかを確認します
  • 誓約書の内容:競業避止に関する誓約書を交わしていないかを確認します
  • 話す内容:社名まで話すか、業種にとどめるかを先に決めておきます
  • 入社予定日:転職先で決まっている入社日を、引き継ぎの期間と照らして確認します

就業規則に退職時の報告事項が定められている場合、転職先の記載を求められることがあります。事前に確認しておくと、聞かれたときに慌てません。

入社時に競業避止に関する誓約書を交わしている場合、転職先の業種によっては確認が必要になることがあります。誓約の内容を見返しておくと安心です。

話す内容を先に決めておけば、聞かれた場面でその場しのぎの答えにならずに済みます。

入社予定日は、退職の引き継ぎ期間と重ならないかを確認しておく項目です。転職先の入社日に幅があるなら、引き継ぎの期間を踏まえて調整を相談できます。入社してからの立ち上がり方については、こちらの記事で扱っています。

4点はどれも、退職を伝える面談の前に自分だけで確認できることです。上司に何かを尋ねる必要はなく、手元の書類と転職先からの連絡内容を見返すだけで済みます。面談の直前になって慌てないよう、余裕を持って確認しておきましょう。

あわせて読みたい | 入社後3か月の立ち上がり|リモートで信頼を作る

7. よくある質問(Q&A)

Q1. 退職交渉で転職先を聞かれたら必ず答えなければいけませんか

A. 答える決まりはありません。業種だけ伝える、保留にするなど、伝える内容は自分で選べます。聞かれた場でその場しのぎの答え方をするより、面談の前に決めておいた内容をそのまま伝えるほうが、あとで話がぶれません。

Q2. 転職先が同業の場合社名を伝えないほうがよいですか

A. 決まりはありませんが、情報の扱いを気にされることがあります。「同業です」とだけ伝え、社名は保留にする方法もあります。取引先が重なる可能性がある場合は、社名を伏せておくほうが後々のやり取りで気を使わずに済みます。

Q3. 転職先の年収を聞かれた場合答える必要がありますか

A. 答える決まりはありません。「今より条件のよいところです」など、具体的な金額を伏せた答え方もできます。年収の差を理由に退職を伝える場合も、金額そのものより理由の説明を先にしたほうが伝わりやすくなります。

Q4. 誓約書を交わしている場合転職先を伝える必要がありますか

A. 誓約書の内容によって扱いが変わります。競業避止に関する記載がある場合は、内容を確認してから答え方を決めます。記載が曖昧なときは、伝える前に誓約書の写しを見返しておくと安心です。

Q5. 入社予定日は退職交渉で伝えておいたほうがよいですか

A. 決まりはありませんが、伝えておくと引き継ぎの期間を調整しやすくなります。入社日に幅がある場合は、引き継ぎが終わる時期を転職先に相談してから伝える方法もあります。

8. まとめ:転職先をどこまで話すかは自分で選べます

この記事のまとめ

  • 退職交渉で転職先を聞かれても、社名まで答える決まりはありません*1。
  • 退職の意思を伝える、引き止めに対応する、転職先をどこまで話すか決めるという3段階に分けると、当日の受け答えが安定します。
  • 厚生労働省の調査では、45〜49歳の一般労働者の賃金は月377.9千円です*2。年収を理由にする場合も、金額まで答える必要はありません。
  • 正社員のテレワーク実施率は22.5%です*3。働き方を理由にする場合は、その点だけを伝えて社名は保留にする選び方もできます。
  • 就業規則や誓約書の内容を確認し、話す内容を面談の前に決めておくと、聞かれた場面で慌てずに対応できます。

退職交渉で転職先を聞かれる場面は珍しくありませんが、答える決まりはありません。話す内容を自分で決めておき、聞かれた場面で落ち着いて答えられるように準備しておきましょう。転職先が固まっていない段階で退職を伝えるかどうかで迷っている場合は、先に転職先の選考を進めておくと、聞かれたときの答え方も選びやすくなります。

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出典・参考情報

*1 厚生労働省「雇用動向調査」
*2 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)
*3 パーソル総合研究所「第十回テレワークに関する調査」

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