原則出社の求人|在宅の例外条件と試用期間中の扱いを確認

「原則出社」と書かれた求人票を見て、在宅勤務は一切認められないのか、それとも条件次第で働けるのかが分からず、応募をためらうことがあります。文言だけでは、例外がどこまで認められるかは判断できません。申請の要否や試用期間中の扱いは、求人ごとに異なります。
パーソル総合研究所の調査では、正社員全体のテレワーク実施率は22.5%でした*1。「原則出社」という言葉の裏でも、在宅を組み合わせて働く正社員は一定数います。求人票の一文だけで諦める前に、確かめる方法があります。
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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- 「原則出社」という表記は、在宅の例外が一切ないことを意味するとは限りません。申請の要否や条件は、求人ごとに確認が必要です*1。
- 情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.65倍です*2。求人が多い状況は、面接で在宅の例外を確認する場面でも材料になります。
- 一般労働者の50〜54歳の賃金は月388.8千円です*3。出社の条件だけでなく、給与水準もあわせて確認しておく必要があります。
1. 原則出社の求人にも在宅の例外はあります
「原則出社」と書かれた求人でも、在宅勤務が認められる例外はあります。パーソル総合研究所の調査では、正社員全体のテレワーク実施率は22.5%でした*1。その表記を掲げる求人でも、通院や育児など個別の事情に応じて在宅を認める場合があります。ただし、その条件は求人票の一文だけでは分かりません。申請の要否や対象になる場面は、会社ごとに違います。応募する側は、面接や内定後の確認で、その条件を具体的に聞く必要があります。
原則出社という言葉は、出社を基本とする働き方を示すために使われます。ただし、この言葉が「在宅は一切認めない」という意味で使われているとは限りません。育児や通院、台風など個別の事情に対応するために、限定的な在宅を認める求人もあります。
問題は、求人票の文言だけでは、その運用がどちらなのか判断できないことです。同じ表記でも、例外を一切設けない求人と、個別に相談できる求人が混在しています。
原則出社と書かれた求人であっても、在宅を組み合わせて働く正社員が一定数いることは、この調査からも裏付けられます。求人票の一文だけで判断せず、確かめる方法を知っておく必要があります。
この表記は、労働条件通知書に明記される就業場所の条件とは別に、求人票の見出しとしてだけ使われることがあります。実際の契約条件は、内定後に交付される書面で確認できます。求人票の表記と契約書の内容が異なる場合は、その場で質問して認識をそろえておく必要があります。
「原則」という言葉自体が、例外の存在を前提にした言い回しです。すべての在宅を認めないのであれば、求人票には「出社必須」「在宅不可」のような表記が使われます。この言葉が選ばれている時点で、何らかの例外を想定している可能性があります。
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2. 在宅の例外を確かめる順番をたどります
この表記の求人で在宅の例外があるかどうかは、次の4つの場面で確認できます。
求人票の段階では、その表記の近くに、例外に触れる記載があるかを確認します。「個別に相談可」「事情に応じて」などの一文があれば、運用に幅がある可能性があります。
面接では、原則出社の運用を具体的に質問します。通院や育児で在宅を利用した実績があるか、申請の窓口はどこかを聞くと、言葉だけでは分からない運用が見えてきます。
内定後は、口頭で聞いた内容を書面で確認します。労働条件通知書や雇用契約書に在宅に関する記載があるかを確かめておくと、入社後の認識のずれを防げます。
試用期間中は、原則出社の運用がそのまま続くのか、正式採用後に変わるのかを確認します。試用期間中は対象外とする求人もあるため、期間の長さと解除の条件を合わせて確認します。
4つの場面のうち、どこか1つだけを飛ばすと、認識のずれが起こりやすくなります。求人票で見た情報を面接で確認し、内定後に書面で確認し、試用期間中に運用を見るという順番を崩さないことが、遠回りに見えて認識のずれを防ぐ方法です。
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3. 有効求人倍率は在宅の相談材料になります
厚生労働省の一般職業紹介状況では、情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.65倍でした*2(令和7年12月分・常用でパートを除く、全国計)。数字の上では、企業側が人材を探す動きが続いています。
この数字は、原則出社と書かれた求人であっても、面接の場で条件を相談できる余地につながります。求人が多い状況では、応募する側から運用の条件を確認する質問をしても、選考で不利になりにくいと考えられます。
ただし、有効求人倍率は職種全体の数字であり、個別の求人の運用を保証するものではありません。数字を根拠に交渉するのではなく、面接で運用を直接確認することが遠回りのない方法です。
求人が多い状況でも、企業が在宅の運用を変える義務はありません。数字はあくまで、応募する側が条件を確認しやすい環境があることを示すだけです。確認した結果、運用が変わらない求人であれば、その求人が自分の希望と合うかどうかを、別の基準で判断する必要があります。
4. 確認する項目ごとに運用が変わります
出社中心の求人で在宅の例外を確かめるときに、見ておきたい項目を整理します。
【表1】原則出社の求人で確認する項目
| 確認する項目 | 運用の例 | 確認の方法 |
|---|---|---|
| 例外の条件 | 通院や育児など個別の事情に対応する求人があります | 求人票の記載を確認する |
| 申請の要否 | 事前申請が必要な求人と、都度相談する求人があります | 申請の窓口と期限を面接で確認する |
| 試用期間中の扱い | 試用期間中は対象外とする求人があります | 期間の長さと解除の条件を確認する |
| 部署による差 | 配属先によって運用が異なる場合があります | 配属予定部署の運用を確認する |
表の4項目は、原則出社と書かれた求人でも運用に幅があることを示しています。同じ表記でも、会社によって対応が異なります。
確認の方法に共通するのは、求人票だけで判断せず、面接や内定後のやり取りで具体的に聞くという点です。曖昧なまま入社すると、想定していた働き方と実際の運用がずれる可能性があります。
部署による差が生じる理由のひとつに、顧客対応を伴う部署か、社内向けの開発を担う部署かという違いがあります。顧客との打ち合わせが多い部署では出社を求められやすく、社内向けの開発が中心の部署では在宅の運用に幅がある場合があります。配属予定の部署がどちらに近いかを確認しておくと、判断の材料になります。
5. 在宅の可否は言葉だけで決まりません
原則出社という表記は、出社を基本にするという方針を示しているだけで、例外の有無までは示していません。同じ表記の求人でも、例外を一切設けない会社と、個別の事情に応じて相談に応じる会社の両方があります。
この位置は、求人票の文言だけでは分かりません。面接で通院や育児で在宅を利用した実績があるかを聞くと、その会社がどちらに近いかが見えてきます。
位置を確かめないまま入社すると、「一切の例外なし」と受け取っていた場合に、認識のずれが生じます。入社前に運用の位置を確認しておくことが、ずれを防ぐ方法になります。
求人票には、そのほかに「原則出社・応相談」のような表記もあります。「応相談」という言葉が添えられている求人は、例外なしの求人よりも、相談の余地がある可能性を示しています。
6. 面接で聞く質問を整理します
在宅の例外を確認するために、面接で聞いておきたい質問を整理します。
面接で確認する質問
- 例外の条件:通院や育児など、在宅が認められる事情を具体的に聞きます。
- 申請の窓口:在宅を使うときに、誰にどのタイミングで申請するのかを聞きます。
- 試用期間中の扱い:試用期間中も同じ運用になるのか、正式採用後に変わるのかを聞きます。
- 配属先の実績:配属予定の部署で、実際に在宅を使った人がいるかを聞きます。
質問は、求人票に書かれていない具体的な運用を引き出すために聞きます。「在宅は可能ですか」という聞き方では、原則出社という前提を繰り返されるだけで終わることがあります。
「通院や育児で在宅を利用した実績はあるか」「申請の窓口はどこか」のように、場面を挙げて聞くと、会社の側も具体的に答えやすくなります。
給与水準もあわせて確認しておく点のひとつです。一般労働者の50〜54歳の賃金は月388.8千円でした*3。出社の条件と給与条件は別に確認しておくと、入社後の判断材料が揃います。
質問をするタイミングも重要です。一次面接でいきなり条件を細かく聞くよりも、選考が進んだ段階や内定後の条件確認の場で聞くほうが、具体的な回答を得やすい場合があります。
聞き方も、来月から在宅にしたいという申し出ではなく、入社後にどのような場面で在宅を利用できるかを尋ねる形にすると、採用担当者も答えやすくなります。過去に例外を認めた事例があるかを聞くのも、運用の実態を知る方法のひとつです。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. 原則出社の求人でも在宅を申請できますか
A. 求人によります。個別の事情に応じて在宅を認める会社がある一方、例外を設けない会社もあります。申請の窓口や条件は、面接で確認しておく必要があります。
Q2. 試用期間中は在宅の例外が認められませんか
A. 試用期間中は対象外とする求人があります。試用期間の長さと、正式採用後に運用が変わるかどうかを、内定後に確認しておきましょう。
Q3. 配属される部署によって在宅の運用は変わりますか
A. 変わる場合があります。会社としての方針とは別に、配属先の業務内容によって出社の必要度が異なることがあります。配属予定の部署に運用を確認しておくと安心です。
Q4. 面接で在宅の条件を聞くと選考に不利になりますか
A. 条件を確認すること自体は、選考の判断材料にはなりにくいと考えられます。具体的な運用を聞かずに入社すると、入社後に想定との差が生じるほうがリスクになります。
Q5. 原則出社とフルリモートの求人は何が違いますか
A. 原則出社は出社を基本とする求人で、フルリモートは出社を前提としない求人です。例外的な在宅が認められる場合はありますが、出社が基本という位置づけ自体は変わりません。
8. まとめ:原則出社の求人でも条件次第で在宅は狙えます
この記事のまとめ
- パーソル総合研究所の調査では、正社員全体のテレワーク実施率は22.5%でした*1。原則出社と書かれた求人でも、在宅を組み合わせて働く正社員は一定数います。
- 情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.65倍です*2。求人が多い状況は、面接で条件を確認する場面でも材料になります。
- 求人票、面接、内定後、試用期間の4つの場面で、在宅の例外条件を順番に確かめられます。
- 一般労働者の50〜54歳の賃金は月388.8千円です*3。出社の条件と給与条件は、あわせて確認しておく必要があります。
「原則出社」という表記だけを見て応募をあきらめる前に、例外の条件を確かめる方法があります。求人票、面接、内定後、試用期間のそれぞれで確認しておけば、入社後の認識のずれを防げます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 パーソル総合研究所「第十回・テレワークに関する調査」(2025年7月実施)
*2 厚生労働省「一般職業紹介状況」(令和7年12月分)
*3 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)
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