昇給額の平均はいくら?2025年は月1万3,601円

昇給額の平均は、厚生労働省の2025年の調査で月1万3,601円、昇給率にすると4.4%です*1。5,000人以上の会社では1万6,784円、100〜299人の会社では1万264円でした*1。この額は所定内賃金(残業代などを除いた毎月決まって払われる賃金)の上がった分で、賞与は入りません*1。
対象は、従業員100人以上の会社で期間の定めなく雇われている人です*1。自分の昇給額がいくらかは、残業代を除いた月給を昇給の前と後で引き算すると出せます。比べる相手は、勤め先に近い規模の会社の額にしてください。
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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- 昇給額の平均は2025年で月1万3,601円です*1。5,000人以上の会社は1万6,784円、100〜299人の会社は1万264円、情報通信業は1万4,096円でした*1。
- 平均は月の所定内賃金の差で、残業代と賞与の増減は入りません*1。自分の額は、給与明細の基本給と手当の合計を昇給の前後で引き算して出してください。
- 転職した人のうち、賃金が1割以上増えた人は29.4%、1割以上減った人は21.7%でした*2。提示された額は、月給・賞与・昇給・残業代に分けて聞いてください。
1. 2025年の昇給額の平均は月1万3,601円
厚生労働省の調べでは、2025年の昇給額の平均は月1万3,601円で、額は会社が大きいほど多いという結果でした*1。規模別の額は、100〜299人が1万264円、5,000人以上が1万6,784円です*1。平均には、昇給しなかった会社の分と、賃金を引き下げた会社の減った分も入っています*1。そのため、昇給した会社だけで平均を取れば、この額より高くなります。
まず、この額には定期昇給(年齢や勤続などで毎年決まった時期に上がる分)と、ベースアップ(賃金表そのものを書き換えて全体を引き上げる分)が入っています*1。役付手当や住宅手当などの手当を会社が改定した分も、この額に含まれます*1。自分の額も、基本給と手当を合わせた月の額の差で出すと、平均と同じ数え方になります。
ただし、数えているのは常用労働者(雇用期間を定めずに雇われている人)の賃金で、役員や、期間を区切って雇われている人は入りません*1。会社の側も民間の会社に限られ、国や自治体で働く公務員の昇給は、この平均に入っていません*1。契約社員のように働く期間が決まっている人がこの平均と比べると、条件の違う人どうしを比べることになります。
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2. 従業員の数で分けた昇給の額
従業員の数で分けた集計では、人数の多い会社ほど昇給の額が多い結果でした*1。5,000人以上と100〜299人の間にある規模の会社も、規模の大きい順に額が多くなっています*1。全体の平均は規模の違う会社をまとめた額なので、従業員の少ない会社で働く人がこれと比べると、自分の昇給が少なく見えやすくなります。
逆に、従業員5,000人以上の会社に勤める人は、全体の平均を上回っていても、同じ規模の会社の平均には届いていないことがあります。勤め先の従業員数は、会社概要のページに載っていなければ、人事の担当者に聞いてください。
ただし、同じ規模の平均を下回っても、比べている額に残業代や賞与が混ざっていれば、その差は昇給の少なさとは言えません。数え方をそろえてもまだ下回るなら、評価の面談で、自分の昇給がどう決まったのかを上司に聞いてください。昇給の月の給与明細は、翌年の昇給と比べるときにも使うので、手元に残しておいてください。
3. 情報通信業は1万4,096円で前年を下回った
業種別に見ると、情報通信業の平均は1万4,096円で、全体の平均を上回りました*1。一方で、前年と比べると額は下回っており、全体の平均が前年より増えたのとは逆の動きでした*1。下がった理由はこの調査からは分からないため、来年も同じ動きになるとは言えません。
つまり、情報通信業の会社で働く人が全体の平均とだけ比べると、業種の平均に届いていない昇給を、平均より多いと読み違えることがあります。自分の額が1万3,601円と1万4,096円の間にあれば、全体の平均より多くても、業種の平均よりは少ないからです。この業種の会社で働いているなら、全体の平均と業種の平均の両方に自分の額を並べてください。
1万4,096円は、情報通信業に入る会社の常用労働者をまとめた平均で、エンジニア以外の職種の人の昇給も入っています*1。社内SEのように、情報通信業ではない会社でITの仕事をしている人は、勤め先の業種の額と比べるほうが条件がそろいます。業種ごとの額は、出典*1に挙げた調査の概況に表で載っています。
4. 年収で見た昇給は残業代と賞与を外して月給の差に直す
年収や手取りの差は、平均の1万3,601円と数え方が同じではありません。年収には賞与と残業代が入り、手取りは税金や社会保険料を引かれたあとの額だからです。給与明細の支給の欄にある基本給と手当の合計なら、その差を平均とそのまま並べられます。
具体的には、昇給の前と後の月の給与明細から、それぞれ基本給と手当の合計を出して引き算します。残業代・休日手当・深夜手当は、支給の欄に載っていても合計に入れないでください。昇給した月がはっきりしないときは、前の年の同じ月の給与明細を、昇給の前の月として使えます。
一方、年収で比べると、残業の多かった年と少なかった年を並べただけで、昇給が無くても差が出ます。賞与が増えた年や減った年を並べたときも同じで、年収の差は昇給の額と一致しません。年収から比べるなら、賞与と残業代を引いて月あたりの額に直してから、平均と並べてください。
手取りで見ていた場合は、控除の欄を足し戻すより、支給の欄から基本給と手当を拾い直すほうが早く済みます。控除される額は昇給と関係なく変わることがあり、手取りの差は昇給の額とずれるからです。支給の欄だけで計算すれば、平均と同じ数え方の額が出ます。
5. 昇給額の平均に入る賃金と入らない賃金
昇給額の平均に入るかどうかは、その賃金が月の所定内賃金に含まれるかで決まります*1。所定内賃金には基本給と手当が入り、割増で払う残業代や、慶弔手当のような特別な手当は入りません*1。賞与は月々の賃金ではないため、昇給とは別の項目で調べられています*1。
昇給額の平均に入るもの・入らないもの
| 賃金 | 昇給額の平均に | 調査での決まり |
|---|---|---|
| 基本給が上がった分(定期昇給・ベースアップ) | 入る | 賃金の改定に含まれる |
| 手当の改定(役付・家族・通勤・住宅など) | 入る | 諸手当は所定内賃金に含まれる |
| 残業代・休日手当・深夜手当 | 入らない | 割増で払う手当は所定内賃金に含まれない |
| 慶弔手当などの特別な手当 | 入らない | 特別な手当は所定内賃金に含まれない |
| 賞与(ボーナス) | 入らない | 月の賃金ではなく、別の項目で調べている |
| 賃金の引下げ(ベースダウン・賃金カット) | 入る(マイナスとして) | 減った額も賃金の改定に含まれる |
たとえば、通勤手当は所定内賃金に入る手当なので、自分の昇給の額を出すときも基本給と一緒に合計へ入れます*1。ただし、引っ越しで通勤手当が変わった月をまたいで比べると、昇給とは関係のない増減が差に混ざります。通勤手当の額が変わった月は、昇給の前後を比べる月から外してください。
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6. 転職で賃金が1割以上増えた人と減った人
昇給で月の賃金が上がる割合は、2025年の平均で4.4%です*1。これに対して、2024年に転職した人の賃金を前職と比べると、1割以上増えた人が29.4%、1割以上減った人が21.7%でした*2。増えた側も減った側も、1年の昇給の平均を超える幅で賃金が動いています。数えているのは、前の職場でも雇われて働いていた人です*2。
内定の前に分けて聞く賃金
- 月給:基本給と手当の合計を、残業代を除いた額で聞く
- 賞与:年に何回あり、前年はどれだけ支給されたか
- 昇給:毎年いつあり、前年はどれだけ上がったか
- 残業代:月給の中に含まれている分があるか
賃金が下がる転職もあるので、提示された年収が今より高く見えても、賞与や残業代の見込みを含んだ額なら、月給は今より低いことがあります。提示額を月給・賞与・昇給・残業代に分けて聞き、月給どうしを残業代を除いた額で並べると、今の職場との差が出ます。昇給の時期と前年の実績まで聞いておき、入社の翌年の月給も、今の職場で昇給した場合と並べてください。
この29.4%と21.7%は、年齢や業種を分けずに転職した人をまとめた割合で、ITエンジニアに限った数字ではありません*2。自分の転職で賃金が上がるか下がるかは、この割合からではなく、提示された額の内訳から見てください。
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7. よくある質問
Q1. 昇給額の平均に賞与(ボーナス)の増減は入りますか
A. 入りません。この調査が昇給として数えるのは月の所定内賃金の差で、賞与は昇給とは別に調べられています*1。賞与が前年より増えても、月の賃金が変わっていなければ、平均には何も加わりません。
Q2. 従業員100人未満の会社の昇給額の平均は分かりますか
A. この調査からは分かりません。調べているのが、常用労働者を100人以上雇っている民間の会社だけだからです*1。100人未満の会社に勤めている人は、調査でいちばん小さい規模の1万264円も、規模の違う会社の数字として読んでください。
Q3. 昇給が年の後半にある会社も平均に入っていますか
A. 額が決まっていれば入っています。2025年の平均は、すでに改定した会社と、年内に改定する予定で額まで決まっている会社を合わせて出しています*1。調査の時点で額が決まっていなかった会社の分は、この平均に入っていません*1。
Q4. 技術手当が上がった分も昇給額の平均に入りますか
A. 会社が手当の額を改定した分なら入ります。技術手当や技能手当は所定内賃金に含まれる手当で、改定した分は基本給の昇給と合わせて平均に数えられています*1。給与明細で昇給の前後を比べるときも、技術手当の増えた分は合計に入れてください。
Q5. 昇給額の平均は正社員だけの数字ですか
A. 正社員かどうかではなく、雇用期間の定めがあるかどうかで分けています。雇用期間を決めずに雇われていれば、会社での呼び方が正社員でなくても数に入ります*1。正社員として期間の定めなく雇われる人にとっては、この平均が同じ条件で集めた数字です*1。
8. まとめ:自分の昇給額は月給の差で出して平均と比べる
この記事のまとめ
- 昇給額の平均は2025年で月1万3,601円、昇給率にすると4.4%でした*1。
- 5,000人以上の会社は1万6,784円、100〜299人の会社は1万264円で、情報通信業は1万4,096円でした*1。
- 平均は月の所定内賃金の差で、残業代と賞与は入らず、昇給しなかった会社と引き下げた会社の分も含みます*1。
- 自分の額は、給与明細の基本給と手当の合計を、昇給の前と後で引き算して出します。
- 情報通信業の会社に勤める人は、全体の平均と業種の平均の両方に自分の額を並べます。
- 転職した人では、賃金が1割以上増えた人が29.4%、1割以上減った人が21.7%でした*2。
給与明細から残業代と賞与を除いた月給の差を出せば、昇給額の平均とも、同じ規模や同じ業種の会社の平均とも、同じ数え方で並べられます。
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出典・参考情報
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