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最終出社日と退職日の違いは?有給消化と社会保険の資格喪失日

最終出社日と退職日の違いは?有給消化と社会保険の資格喪失日のイメージ写真

退職前に有給休暇をまとめて使うと、会社に最後に出る日と、会社を辞める日が別の日になります。書類によって「最終出社日」「退職日」「離職日」「資格喪失日」と日付の呼び方が違い、どれがいつなのか分からなくなる人もいます。

最終出社日は会社に最後に出勤する日で、退職日は労働契約が終わる日です。休暇で会社に出ない日も契約は続いているので、手続きの基準になるのは退職日のほうです。健康保険と厚生年金の資格は退職日の翌日に失われ*1、雇用保険の離職日は退職日そのものです*3。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 最終出社日は最後に出勤する日、退職日は労働契約が終わる日です。有給休暇を使う間は、退職日まで在籍しています。
  • 健康保険と厚生年金の資格は退職日の翌日に失われます*1。保険料は、資格を失った日が属する月の前月分まで納めます*2。
  • 雇用保険の離職日は退職日そのもので、社会保険の資格喪失日とは違う日です*3。

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1. 最終出社日と退職日の違いは出勤と在籍

最終出社日は最後に出勤する日、退職日は雇用の契約がなくなる日です。休んでいる期間も社員のままなので、保険や雇用保険の手続きは契約の終わりの日を基準に進みます*1*3。

有給休暇を使わずに辞めるなら、最終出社日と退職日は同じ日になります。残っている有給休暇を退職の前にまとめて使うと、最後に出勤した日のあとに休みの期間が続き、その最後の日が退職日になります。

最後の出勤日のあとも、退職日までは会社の社員です。給与の支払いも、健康保険や厚生年金の加入も、退職日まで続きます。会社の書類や手続きで「退職日」と書かれていれば、それは最後の出勤日ではなく契約が終わる日を指しています。

最終出社日は、法律で決まった言葉ではなく、引き継ぎや挨拶の段取りを決めるために使われる日付です。会社とは、最後の出勤日と退職日を別々に決め、どちらがいつなのかを書面やメールで残しておくと、あとで食い違いが起きません。

最後の出勤日を決めるときは、引き継ぎに何日かかるかから考えます。担当している仕事を一覧にし、後任に渡す日を書き出していくと、最後に出勤する日が自然に決まります。そこから先の日数に有給休暇を充てれば、退職日も定まるはずです。

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2. 退職日を基準に決まる日付の一覧

退職にかかわる書類や制度では、退職日をもとにした日付がいくつも出てきます。どの日が何の基準になるのかを並べました。

退職日を基準に決まる日付

日付いつになるか決まり
健康保険・厚生年金の資格喪失日退職日の翌日3月31日に退職すれば4月1日*1
厚生年金の保険料資格喪失日が属する月の前月分まで月末に退職すれば退職した月の分まで納める*2
雇用保険の離職日雇用保険の資格の最終日社会保険の資格喪失日とは異なる*3
年次有給休暇の権利退職日をもって消える退職日までに使い切る申請には時季変更権を使えない*4

健康保険と厚生年金の資格を失う日は、退職日の翌日です*1。たとえば3月31日付けで退職した場合、資格喪失日は4月1日になります*1。この日付は、最後の出勤日がいつかには関係なく、退職日で決まります。

雇用保険の離職証明書では、離職年月日の欄に雇用保険の資格の最終日を書きます*3。3月31日が離職日なら3月31日と書き、社会保険の資格喪失日とは異なると注意書きがあります*3。同じ退職でも、雇用保険は退職日、健康保険と厚生年金はその翌日が基準です。

離職票は、会社が雇用保険の資格喪失の手続きをしたあとに届きます。離職票に書かれた離職年月日が退職日と同じになっているかを、届いたら最初に見てください。最後の出勤日の日付が書かれていたら、会社に直してもらう必要があります。

3. 有給休暇を使う期間は最終出社日と退職日のあいだ

最終出社日と退職日のあいだの期間が、有給休暇を使って休む期間です。この期間の長さは、使える休暇が何日あるかで決まります。

有給休暇を使う期間は最終出社日の翌日から退職日まで 有給休暇で休む期間 最終出社日 退職日 在籍は退職日まで続く 有給休暇の権利は退職日をもって消える*4

有給休暇の権利は、退職日をもって消えます*4。退職の間際に残りの有給休暇をすべて使い切って退職したいと申請した場合、退職で権利が消えるため、会社は時季変更権を使えず、取得を認めるしかないとされています*4。

会社が引き継ぎのために退職日を遅らせてほしいと打診することもありますが、応じるかどうかは労働者に委ねられています*4。最後の出勤日を後ろにずらすと、そのぶん有給休暇を使う期間が短くなるので、退職日と残りの日数を見比べて決めます。

休みの日数が分からないときは、給与明細や勤怠のシステムで調べるか、人事担当者に聞きます。土日や祝日が休みの職場なら、有給休暇は勤務日に充てるので、退職日から勤務日を数えてさかのぼった日が、有給休暇を使い始める日になります。

たとえば、有給休暇が10日残っていて、退職日を3月31日にするなら、3月31日から勤務日を10日さかのぼった日から休み始めます。その前の勤務日が最後の出勤日です。暦の上の日数ではなく勤務日で数えるので、土日や祝日が多い月は、最後の出勤日が思ったより早くなることがあります。

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4. 退職日が月末かどうかで変わる社会保険料

厚生年金の保険料は月単位で計算し、資格を失った日が属する月の前月分まで納めます*2。月の途中で退職すると、資格喪失日は同じ月の中にあるので、その月の保険料はかかりません*2。

月の末日に退職すると、翌月1日が資格喪失日になるので、退職した月の分まで保険料を納めます*2。この場合は、給与の締め日によって、退職時の給与から前月分と当月分の2か月分が引かれることがあります*2。

最後の出勤日がいつでも、保険料の扱いを決めるのは退職日です。有給休暇の消化で退職日が月末をまたぐかどうかで、引かれる保険料の月数が変わることがあるので、退職日を決めるときに給与明細の見込みも聞いておきます。

最後の給与明細では、厚生年金保険料がいくら引かれたかを見ておくと、手元に残る額の見込みが立ちます。2か月分が引かれていても、月末に退職した場合の扱いなら、計算の誤りではありません*2。

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5. 転職先の入社日は退職日の翌日以降に置く

転職先の入社日は、前の会社の退職日の翌日以降に置くと、手続きが単純になります。前の会社の健康保険と厚生年金は退職日の翌日に外れ*1、同じ日に次の会社で資格を取れば、加入が途切れません。

最後の出勤日の翌日を入社日にしてしまうと、有給休暇を使っている間は前の会社にも在籍しているので、2つの会社に同時に籍がある状態になります。この場合は社会保険の届出が増えるので、入社日を決める前に、前の会社の退職日をはっきりさせてください。

入社日と退職日のあいだに空白の日があるなら、その間は国民健康保険や国民年金に入る手続きが要ることがあります。空白が何日になるかを先に数えておけば、手続きの準備もしやすくなります。

転職先から入社日を聞かれたら、「最後の出勤日は〇月〇日、退職日は〇月〇日です」と2つの日付を並べて伝えると、誤解が起きません。入社日を最後の出勤日の翌日と取り違えられると、在籍が重なってしまうからです。

6. 最終出社日までに済ませることと退職日に届くもの

最後の出勤日は、会社に出る最後の日なので、引き継ぎや貸与品の返却、挨拶は、この日までに済ませます。パソコンや社員証などの貸与品を返し、離職票などを送ってもらう住所を伝えておけば、退職日まで会社へ行かずに済みます。

リモートワークで働いている人は、最後の出勤日がそのまま最後のオンライン勤務の日になることもあります。会社に出向かずに辞める場合は、貸与されたパソコンを送り返す方法と期限、業務用のアカウントが止まる日を先に聞いておきます。アカウントが止まると社内のチャットは使えなくなるため、個人の連絡先を人事担当者に伝えておくのが安心です。

一方で、健康保険の資格を失うのは退職日の翌日なので*1、保険証や資格確認書を返すのは、退職日のあとに郵送で行う会社もあります。返し方と期限は、最後の出勤日に人事担当者に聞いておきます。

離職票や源泉徴収票は、退職日のあとに会社が手続きを済ませてから届きます。届く先の住所と、届くまでのおおよその時期を、最後の出勤日の前に会社と打ち合わせておくと安心です。

挨拶のメールを送るのも最後の出勤日です。退職日まではまだ在籍していることを書き添えておくと、休暇中に連絡が来たときの扱いを相手も分かりやすくなります。

7. よくある質問

Q1. 最終出社日と退職日は同じ日でないといけませんか?

A. 同じ日でなくても構いません。有給休暇を使うなら、最後の出勤日のあとに休みの期間を置き、その最後の日を退職日にします。

Q2. 健康保険の資格はいつ失いますか?

A. 退職日の翌日です*1。最後の出勤日ではなく退職日が基準なので、有給休暇で休んでいる間も会社の健康保険を使えます。

Q3. 雇用保険の離職日は資格喪失日と同じですか?

A. 違います。雇用保険の離職日は辞める日当日で、健康保険と厚生年金の資格喪失日はその次の日です*1*3。

Q4. 退職の前に有給休暇を全部使えますか?

A. 退職日をもって権利が消えるので、会社は時季変更権を使えず、取得を認めるしかないとされています*4。

Q5. 月末に退職すると保険料はどうなりますか?

A. 翌月1日が資格喪失日になるので、退職した月の分まで保険料を納めます*2。

Q6. 退職届には最終出社日と退職日のどちらを書きますか?

A. 退職届には、労働契約が終わる日として退職日を書きます。最後の出勤日は、会社と引き継ぎの段取りを決める日付です。

Q7. 最終出社日のあとに会社から連絡が来たら対応しないといけませんか?

A. 契約が続いている間は、引き継ぎの確認などの連絡が来ることはあります。連絡の方法と時間帯を、最後の出勤日に決めておくと休みを妨げられにくくなります。

Q8. 最終出社日のあとに退職日を早めてもいいですか?

A. 会社と合意できれば早められます。ただし、使う予定だった有給休暇が残るので、残る日数を見てから決めてください。

8. まとめ:最終出社日と退職日の違いは手続きの基準日

この記事のまとめ

  • 最終出社日は最後に出勤する日、退職日は労働契約が終わる日
  • 有給休暇を使う間も、退職日までは在籍している
  • 健康保険と厚生年金の資格は退職日の翌日に失われる*1
  • 雇用保険の離職日は退職日そのもので、資格喪失日とは違う*3
  • 有給休暇の権利は退職日をもって消える*4

残っている有給休暇の日数を人事担当者に聞き、退職日から勤務日をさかのぼって最後の出勤日を決めてから、転職先の入社日を退職日の翌日以降に合わせてください。

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出典・参考情報

*1 従業員が退職・死亡したとき(健康保険・厚生年金保険の資格喪失)の手続き(日本年金機構・2026年10月更新)
*2 月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の保険料はどのようになりますか(日本年金機構・2025年9月更新)
*3 離職証明書の書き方~初めての方向け~(愛知労働局・ハローワーク)
*4 年次有給休暇(確かめよう労働条件・厚生労働省)

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