持ち回り決裁|並びと止まる場所を読む

会議室に承認する人を集めず、書類を順番に回して承認を得る決裁の型を持ち回り決裁と呼びます。会議を開かないぶん、書類がいま誰の手元にあるのかは外からは見えにくくなります。承認する人の並びがどこに書かれているか、順番が飛ぶことがあるのか、そして書類がいまどこで止まっているのかは、社内の規程や案内を読むことで分かります。
この記事が中心に置くのは、承認する人の並びがどこに書かれているか、そして持ち回り決裁の書類がいまどこにあるかをどう調べるかです。押印の有無や紙から画面への切り替わり、権限が下りない場面への対応は、書類の位置を知ることとは別の話のため、ここでは扱いません。
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この記事のポイント
- 持ち回り決裁の書類がいまどこにあるかは、承認する人の並びを示した規程や案内を読むと分かります
- 承認する順番が飛ぶ場合は、代わりに承認する人を立てる規定や専決の規定に書かれています
- 書類が止まったときの問い合わせ先は、文書を管理する部署や総務の案内にまとまっています
1. 持ち回り決裁の書類がいまどこにあるかは並びを読むと分かります
持ち回り決裁の書類がいま誰の手元にあるかは、承認する人の並びを定めた規程や案内を読むと分かります。会議を開かずに書類を順番に回す持ち回り決裁では、承認する人の並びと、いまその書類がどこまで進んでいるかの2つを押さえておくと、止まっている場所を追いやすくなります。まずは並びがどこに書かれているかを見ていきます。
持ち回り決裁は、会議室に承認する人を集める代わりに、書類そのものを順番に回して承認を集める決裁の型です。承認する人が同じ時間に顔を合わせないため、書類がいま誰の手元にあるのかは、外からは見えにくくなります。
承認する人の並びは、承認の順番を定めた規程や、部署ごとの事務分掌に書かれていることがあります。並びが分かれば、いま自分の書類がその並びのどの位置にあるかを見当てやすくなります。
持ち回り決裁の書類は部署をまたいで回る場合があり、途中で担当者が不在だったり、確認に時間がかかったりすることがあります。承認する人の並びが分かっていれば、いまどのあたりで時間がかかっているのかを見当てやすくなります。
書類に文書番号や受付番号が振られている会社では、問い合わせるときにその番号を伝えると、担当者がすぐに記録を探せます。番号の有無やどこに書かれているかも、案内で見ておくと役立ちます。
社内の規程を読んで初めて分かることは、承認する人の並びだけではありません。
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2. 書類が回り始めてから戻るまでを4段で追う
この4段階のうち、最初の『並びを見る』を省いて書類をいきなり回し始めると、いま何人目まで進んでいるのかが分からなくなります。並びを先に見ておくことで、止まっている位置を数えやすくなります。
紙の書類を回す場合は、次の承認者に手渡しか、社内便で送るかが規程や案内で決められています。出社の機会が少ない働き方でも、決められた方法に沿って進めれば、承認する人の並びに影響することはありません。
今どこにあるかを見る段階では、回付状況を記す表や、システムの進捗画面を見ます。書かれていない場合は、この段階で問い合わせ先に確認することになります。
控えを残す段階を省くと、あとで承認された記録を示せず、同じ書類をもう一度回すことになりかねません。戻ってきた時点で、承認の記録を残しておくことが大切です。
3. 順番が飛ぶ場面と飛ばない場面を分けて見る
持ち回り決裁の承認する人の並びは、規程や案内に書かれた順番のとおりに進むのが基本です。ただし、承認する人が不在だったり、権限のある人が別の立場を兼ねていたりすると、並びの一部が変わる場面があります。
承認する人が不在のときに、代わりに承認する人を立てる規定を置いている会社があります。この規定が使われると、並びの一部が変わり、通常より早く次の承認者へ進むことがあります。
急いで進めたい書類について、専決の規定を置いている会社もあります。専決の規定が当たる書類は、通常の並びより少ない人数の承認で進みます。どの書類が専決の対象になるかは、規程に書かれた範囲で決まります。
一方で、承認する人の並びに書かれていない飛び方――途中の承認者を無視して進めるような進め方は基本的にはありません。並びを変えられるのは、代わりに承認する人を立てる規定や専決の規定など、あらかじめ決められた範囲に限られます。
自分の書類がどちらに当たるのかが分からないときは、規程を読むだけでなく、問い合わせ先に聞いておくと、思い違いを防げます。
DX推進の人材が不足していると答えた企業は85.5%、そのうち「大幅に不足」と答えた企業は50.1%です*1。社内の仕組みを整える人手が十分でない職場では、書面の流れも見えにくいことがあります。ただし、この数字は企業側の人材の状況を示すものであり、持ち回り決裁の並びを決めるものではありません。
4. 承認者の並びと止まった先を規程や案内で照らす
承認する人の並びや、止まったときの動き方は、複数の規程や案内に分かれて書かれていることがあります。4つの項目に分けて見ていきます。
【表1】規程や案内で確かめること
| 確かめること | 書かれている場所 | 見るときの注意 |
|---|---|---|
| 承認する人の並び | 決裁規程・文書管理規程・事務分掌の案内 | 人数や順番が部署ごとに違う場合があります |
| 順番が飛ぶ場合の規定 | 代理承認の規定・専決規程の附則 | 対象になる書類の範囲が決まっています |
| 今どこにあるかを見る場所 | 回付状況の記録・システムの進捗画面 | 更新されるタイミングが規程に書かれていることがあります |
| 止まったときの問い合わせ先 | 文書管理の窓口・総務からの案内 | 部署ごとに窓口が分かれている場合があります |
承認する人の並びと、止まったときの問い合わせ先が同じページに書かれていれば探しやすいですが、承認の並びを定めた規程と文書管理規程が別のページに分かれている会社もあります。見当たらないときは、複数の規程を順に見ていきましょう。
規程の文章に分からない言葉が出てきたときは、附則や別表に並びの詳細が書かれている場合があります。読み飛ばさずに見ておくと、探している答えがそこに書かれていることがあります。
規程が複数のバージョンに分かれているときは、施行日が新しいものを優先して見ます。古い規程がそのまま残っていることもあるため、施行日は必ず見ておきましょう。
社内の規程を読んで初めて分かることは、ほかの書類にもあります。
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5. 並びと今の位置、2つの見え方を整理する
承認する人の並びが書かれているかどうかと、いまの位置が見えるかどうかは、別々に決まります。2つを掛け合わせると、次にどう動くかが変わります。
並びも位置も分かる状態であれば、規程を読んで次の承認者を特定し、進捗の記録でいまどこにあるかを見るだけで、止まっている場所が分かります。
位置は見えても並びが書かれていない場合は、進捗の記録に承認者の名前が出ていても、その次に誰が承認するのかまでは分からないことがあります。次の承認者が誰かは、問い合わせ先に確認します。
並びは分かっても位置が見えない場合は、規程を読んで承認する人の順番までは分かっても、いまどの承認者の手元にあるかまでは分かりません。この場合も、問い合わせ先に進捗を確認することになります。
並びも位置も分からない場合は、規程を読むところから始めます。規程に書かれていなければ、問い合わせ先に並びと位置の両方を確認します。
自分の書類がどの区分に当たるかを最初に見極めておくと、次に何を確認すればよいかが分かりやすくなります。
6. 止まったときに問い合わせる先を並べる
規程や進捗の記録を見ても分からないときは、問い合わせる先を切り替えると早く分かることがあります。
問い合わせ先の候補
- 文書管理の窓口:承認する人の並びや、書類の保管・回付の方法について聞けます
- 総務・庶務の担当:規程の書かれている場所や、最新の版がどれかを聞けます
- システムの管理担当:電子での承認を使っている場合、進捗画面の見方や不具合を聞けます
- 直前の承認者:自分より前に承認した人であれば、次に渡した先を知っている場合があります
窓口ごとに詳しい範囲が違うため、聞く順番を変えるだけで、同じ質問でも答えが早く見つかることがあります。まずは規程に担当として書かれている窓口から確認しましょう。
承認する人の並びについて聞く相手に迷ったら、まずは文書管理の窓口に聞くのが確実です。回付の方法だけでなく、並びについても案内していることがあります。
複数の窓口に同じ質問をすると、規程どおりの答えとずれる場合があります。まずは規程に書かれた担当窓口から確認し、そこで分からない点だけ他の窓口に聞くと、答えのずれを避けられます。
急いで進めたい書類については、専決の規定が使えるかどうかを窓口に確認する方法もあります。専決の規定が当たる範囲は規程で決まっているため、範囲外の書類には使えません。
窓口に聞く前に、規程のどの項目を見て分からなかったのかを整理しておくと、聞かれた側も答えやすくなります。書類を読んで初めて分かることは、ほかの書類にもあります。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. 持ち回り決裁で、いまの承認者が誰かはどうすれば分かりますか?
A. 進捗の記録やシステムの画面に承認済みの履歴が残っていれば、そこから分かります。記録がない場合は、直前の承認者か、文書管理の窓口に確認すると分かります。
Q2. 承認する人の並びは、案内のどこを見れば分かりますか?
A. 承認の順番を定めた規程や、部署の事務分掌に書かれています。見当たらないときは、文書管理の窓口に確認します。
Q3. 承認する人の順番が、規程に書かれた並びと違う順で進むことはありますか?
A. 代わりに承認する人を立てる規定や、専決の規定が当たる場合は、通常の並びと違う進み方になります。どちらの規定も、あらかじめ決められた範囲でのみ使われます。
Q4. 急ぐ場合に使える決まりはありますか?
A. 専決の規定など、通常より少ない人数の承認で進められる決まりを置いている会社があります。対象になる書類の範囲は規程で決まっているため、まずは自分の書類が当てはまるかを確認します。
8. まとめ:持ち回り決裁は並びと位置で止まりにくくなります
この記事の要点
- 持ち回り決裁の書類がいまどこにあるかは、承認する人の並びを示した規程や案内を読むと分かります
- 承認する順番が飛ぶのは、代わりに承認する人を立てる規定や専決の規定が当たる場合に限られます
- 並びと今の位置のどちらも見えると、止まっている場所を早く特定できます
- 規程や進捗の記録を見ても分からないときは、文書管理の窓口や総務に問い合わせます
持ち回り決裁の書類は、会議を開かずに進む分、いまどこにあるかが外からは見えにくくなります。承認する人の並びがどこに書かれているかと、進捗を見る場所を押さえておけば、止まっている場所を落ち着いて探せます。規程や記録だけで分からないときは、文書管理の窓口や総務に聞けば、並びと位置のどちらも確認できます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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