リモートワークのトラブル対応|入社前に確かめる4項目

自宅のネット回線が急に切れたとき、まず誰に連絡すればよいかを入社前に確認している人は多くありません。障害や不具合が起きた瞬間に詰まりやすいのは、連絡の経路、その場で使える権限、そして対応の記録が残る場所の3点です。求人票や面談で確かめられる内容であり、入社してから探すものではありません。
雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%です*1。在宅勤務の対応の仕組みは会社ごとに差があり、入社前に整え方を確認しておく価値があります。
Relasic(株式会社LASSIC運営)|リモートワーク対応の転職支援
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- 雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%です*1。在宅勤務の対応体制は会社によって整備の差が大きく、入社前の確認が有効です。
- トラブル対応で詰まりやすいのは、連絡の経路、その場での権限、記録の残し方の3点です。
- 転職者数は年330万人です*2。新しい職場の対応の流れをまだ知らないまま入社する人は少なくありません。
1. リモートワークのトラブル対応は連絡先と権限で詰まります
リモートワークでのトラブル対応で詰まりやすいのは、連絡先と権限の2点です。国土交通省の調査では、雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%でした*1。在宅勤務はまだ一部の実施にとどまっており、障害や不具合が起きたときの対応の仕組みは、会社によって整備の差があります。入社前に、連絡の経路とその場での権限、そして記録の残し方を確認しておくと、対応が始まってから慌てずに済みます。
リモートワークで働いているときに機材の不具合や通信の障害が起きると、まず誰に連絡すればよいかで迷う場面があります。オフィスに出社していれば近くの同僚や情報システム部門にすぐ声をかけられますが、在宅勤務では連絡先を自分で探すところから始まります。
連絡先が分かっても、その場で対応できる権限がなければ、承認を待つ間に時間が過ぎていきます。設定の変更や機材の交換など、誰の判断で進めてよいかが決まっていない状態は、在宅勤務のトラブル対応でとくに詰まりやすい場面です。
対応が終わったあとに、何が起きてどう対処したかを記録に残す場所が決まっているかどうかも、見落とされやすい点です。記録が残らないと、同じ不具合が再発したときに同じ調べ直しから始めることになります。
これらは入社してから初めて分かることではなく、求人票の記載や面談での質問を通じて、入社前に確かめられる項目です。連絡先・権限・記録・設備の負担という4つの観点から、確認しておきたい内容をここから順に見ていきます。
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2. 障害の発生から収束までの4段階
リモートワーク中に障害や不具合が起きてから収まるまでの流れを、4つの段階に分けて見ていきます。
障害や不具合が起きてから収まるまでの流れを、4つの段階に分けて整理します。オフィスに出社していれば近くの人に声をかけられる場面も、在宅勤務では1人で最初の段階を進めることになります。
最初の段階は、いつもと違う状態に気づくことです。画面が固まる、回線が切れる、システムに接続できないなど、症状はさまざまですが、この時点ではまだ原因は分かりません。
次の段階は、決められた連絡先に状況を伝えることです。宛先が上長なのか、情報システム部門なのか、外部の窓口なのかが決まっていないと、誰に伝えればよいかを探すところから時間がかかります。
続く段階は、その場で許されている権限の範囲で対応することです。設定の変更や機材の交換など、自分の判断で進めてよい範囲が決まっていないと、承認を待つ間、作業が止まったままになります。
最後の段階は、対応の内容と結果を記録に残すことです。記録が残る場所が決まっていれば、同じ不具合が再発したときに、過去の対応を参照できます。
3. 権限の範囲を知らないまま対応が始まります
リモートワークのトラブル対応でとくに詰まりやすいのは、連絡先よりも権限の範囲です。誰に連絡すればよいかが分かっていても、その場で自分の判断で進めてよい範囲が分からなければ、対応は承認待ちの状態で止まります。
総務省の調査によると、転職者数は年330万人です*2。新しい職場に移った直後は、既存の社員であれば当然知っている権限の範囲を、まだ知らない状態にあります。この数字自体はトラブル対応の体制を示すものではありませんが、毎年一定数の人が同じ状況で新しい職場に入っていることを示しています。
権限の範囲が曖昧なまま在宅勤務を始めると、小さな設定変更のたびに承認を求めることになり、対応のたびに時間がかかります。逆に、権限の範囲が明確であれば、その場で判断して進められる作業が増え、対応が長引きにくくなります。
権限の範囲は、部署やチームによって異なります。同じ会社の中でも、開発を担当する部署と、事務を担当する部署とでは、任されている判断の範囲が違う場合があります。配属先が決まっている場合は、その部署での権限の範囲を面談で確認しておく方法があります。
権限の範囲を確認するタイミングは、入社が決まった時点が向いています。実際にトラブルが起きてから確認しようとすると、対応を進めながら同時に権限の範囲も探ることになり、余計に時間がかかります。
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4. 確認する項目と確認できる場所の一覧
リモートワークのトラブル対応について、確認しておきたい項目と、どこで確認できるかを一覧にします。
【表1】確認する項目と確認できる場所
| 確認する項目 | 確認できる場所 |
|---|---|
| 連絡先の宛先 | 求人票の記載、または面談での質問 |
| その場での権限 | 配属先の部署について、面談で確認 |
| 記録の残し方 | 入社時のオンボーディング資料、または面談での質問 |
| 設備・通信費の負担 | 求人票の待遇欄、または面談での質問 |
表の4項目は、いずれも入社してから初めて分かる内容ではなく、選考の過程で確認できる内容です。求人票に書かれている場合もあれば、面談で質問して初めて分かる場合もあります。
連絡先の宛先は、求人票の緊急連絡網の記載や、面談での質問で確認できます。誰が最初の窓口になるかが分かっていれば、実際にトラブルが起きたときに迷う時間が減ります。
その場での権限は、配属先の部署によって異なる場合があるため、配属が決まっている場合はその部署を対象に面談で確認する方法があります。
記録の残し方と、設備・通信費の負担についても、面談で質問することで確認できます。設備や通信費の負担を会社と本人のどちらが持つかは、求人票の待遇欄に記載されている場合があります。
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5. 入社前に確かめる順番を3段で整理します
ここまでの内容を、入社前に確かめる順番として、土台から頂点まで3段に整理します。
土台になるのは、連絡先の宛先を確かめる段階です。トラブルが起きたときに誰に連絡すればよいかは、最初に確かめておきたい項目です。
中段は、その場での権限の範囲を確かめる段階です。連絡先が分かっていても、権限の範囲が分からなければ、対応は承認待ちで止まります。
頂点は、記録の残し方を確かめる段階です。連絡先と権限を確かめたうえで、対応の記録がどこに残るかまで確かめておくと、再発したときに過去の対応を参照できます。
この順番を踏まずに、記録の残し方だけを先に質問しようとすると、連絡先や権限について答える側も、何を基準に答えればよいか分かりにくくなります。土台から順に確かめることで、質問の内容を絞れます。
リモートワークで働くことが決まったら、入社前にこの3段を確かめておくと、面談で聞く内容を絞り込めます。
6. 設備と通信費の負担を確認する4項目
リモートワークで働くとき、設備と通信費の負担について、会社と本人のどちらが持つかを確認する項目を整理します。
設備・通信費の負担を確認する4項目
- 貸与端末の有無:パソコンや周辺機器が会社から貸与されるか、自分で用意するかを確認します。
- 通信費の補助:自宅の回線費用について、補助の有無と基準額を確認します。
- 故障時の対応:貸与された機材が故障したとき、交換や修理の窓口がどこかを確認します。
- セキュリティ対策の手配:ウイルス対策ソフトやVPNなどの設定を、会社と本人のどちらが手配するかを確認します。
設備や通信費の負担は、会社によって違います。パソコンなどの端末が貸与される会社もあれば、自分で用意した端末を使う会社もあります。
通信費の補助についても、基準額が決まっている会社もあれば、補助がない会社もあります。求人票の待遇欄に記載がない場合は、面談で質問して確認する項目です。
貸与された機材が故障したときの対応窓口も、確認しておきたい点です。窓口が決まっていないと、機材が使えない間、作業が止まったままになります。
セキュリティ対策の手配についても、会社と本人のどちらが担うかが分かれます。VPNの設定やウイルス対策ソフトの導入を自分で行う場合は、その手順が入社前に案内されるかどうかも、あわせて確認しておく項目です。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. リモートワーク中にトラブルが起きたとき、最初に何を確認すればよいですか。
A. 最初に確認するのは連絡先です。誰に、どの手段で伝えるかが決まっていれば、対応の最初の段階で迷わずに進められます。連絡先が決まっていない場合は、入社前に求人票や面談で確認しておく方法があります。
Q2. 権限の範囲は、面談でどのように聞けばよいですか。
A. 配属予定の部署を対象に、設定の変更や機材の交換について、どこまで自分の判断で進められるかを聞く方法があります。部署によって権限の範囲が異なる場合があるため、配属先を明確にしたうえで聞くと、答えがずれにくくなります。
Q3. 記録を残す仕組みがない会社は、珍しいですか。
A. 珍しくはありません。対応の記録を専用のツールに残す会社もあれば、メールやチャットのやり取りをそのまま記録として扱う会社もあります。仕組みが決まっていない場合は、自分でメモを残しておく方法もあります。
Q4. 収入の水準も、あわせて確認したほうがよいですか。
A. 確認しておくとよい項目です。厚生労働省の調査では、一般労働者の賃金は25〜29歳で月279.4千円でした*3。この数字はトラブル対応の体制を示すものではありませんが、求人条件を比べるときの目安になります。
8. まとめ:リモートワークの整え方は入社前に決まります
この記事の要点
- 雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%です*1。在宅勤務の対応の仕組みは会社によって整備の差があります。
- トラブル対応で詰まりやすいのは、連絡先の宛先、その場での権限、記録の残し方の3点です。
- 転職者数は年330万人です*2。新しい職場の権限の範囲をまだ知らないまま入社する人は少なくありません。
- 設備や通信費の負担を会社と本人のどちらが持つかも、求人票や面談で確認できる項目です。
リモートワークのトラブル対応で詰まらないためには、連絡先・権限・記録・設備の負担という4項目を、入社前に確かめておくことが有効です。求人票や面談で確認できる内容を先に押さえたうえで、転職の準備を進めていきましょう。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 国土交通省「テレワーク人口実態調査」(2025年公表)
*2 総務省「労働力調査(詳細集計)」2025年平均(2026年公表)
*3 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)
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