制度の利用実績を聞く|あると使えるの差

求人票には、制度の名前が並んでいます。ただし、制度が『ある』ことと、実際に『使われている』ことは別です。名前だけでは分からないのは制度の利用実績で、そこは聞き方によって見え方が変わります。求人票や規程のどこを読み、面接で何を聞くと運用に近づけるのかを、順番に整理します。
『書かれている』ことと『使われている』ことの差を確かめる糸口は、面接の場で直近に使った人がいるかを尋ねられるかどうかにあります。
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この記事のポイント
- 制度が『ある』ことと、実際に『使われている』ことは別です。名前だけを見て判断すると、運用の実態を見落とします
- 運用の実態は、直近に使った人がいるかと、その人が休んでいる間に代わりを担える人がいるかに表れます
- テレワークを導入している企業の割合は47.3%です*1。企業がその仕組みを用意しているかどうかの前提として示します
1. 制度と運用の違いを先に分けます
制度が『ある』ことと、実際に『使われている』ことは別です。求人票に書かれているかと、面接で運用の実態を聞けるかを分けて確かめると、名前だけを見たときには気づけない差に気づきやすくなります。まずは何を分けて見るかを整理します。
求人票には、制度の名前が並びます。名前が載っているということは、その名前が社内規程などの書面に存在することを示しています。ただし、書面にあることと、社員が実際に利用している状態にあることは、別の話です。
同じような書き方に見える求人票でも、記載の詳しさは会社によって差があります。詳しく書かれている求人票ほど、あとから確かめる作業は少なくなり、記載が薄い求人票ほど、面接や書面での確認に頼る場面が増えます。どちらであっても、確かめる手順そのものは変わりません。
求人票の記載と面接での聞き方から、運用の実態をどう確かめるかを追っていきます。数字を使った利用率の目安ではなく、確かめる手順に絞って見ていきます。
面接で聞ける内容と、就業規則や社内規程を読んで分かる内容には、それぞれ得意な範囲があります。面接では実際の様子を聞きやすく、規程では判断の基準そのものを確認しやすくなります。どちらか一方だけに頼ると、確かめられる範囲が狭くなります。
確かめる作業は、内定を受け取った後も続けられます。入社前に分からなかった点は、入社後に就業規則や社内規程を読む機会に確認できます。
2. 導入企業は47.3%|数字の範囲を区切ります
テレワークを導入している企業の割合は47.3%です*1。これは、制度として用意している企業がどれだけあるかを示す数字で、実際に社員が使っているかどうかとは別の集計です。
この数字が示す範囲は、企業が導入しているかどうかだけです。導入している企業の中でも、実際の利用の広がりは会社ごとに差があると考えられ、この数字だけでは読み取れません。
求人票やコーポレートサイトに制度名が載っている場合、その企業は導入している側に含まれている可能性は高くなります。ただし、運用まで確かめるには、別の手がかりが必要です。
この数字だけを見て、多くの企業で実際に活用が進んでいると考えるのは早計です。テレワークを導入していても、対象となる部署や職種が限られている場合や、申請の実績がまだ少ない場合もあります。
同じ47.3%という数字であっても、業種や企業規模によって内訳は異なると考えられます。応募先の企業がこの数字にどう当てはまるかは、この数字だけでは分からず、求人票や面接で個別に確かめる必要があります。
総務省の調査では、常用雇用者の規模が一定以上の企業を対象にしています。応募先の企業がその対象に含まれるかどうかも、確かめる材料の一つになります。
3. 制度の利用実績を確かめる先を3つ並べます
制度が使われているかを確かめる先は、選考の段階によって変わります。代表的な確かめ先を、そこで分かることと合わせて挙げます。
選考が進むほど、開示される情報は詳しくなる傾向があります。
確かめること・どこで分かるか・聞き方の例
| 確かめること | どこで分かるか | 聞き方の例 |
|---|---|---|
| 直近に使った人がいるか | 面接での回答 | 直近で使った方はいらっしゃいますか |
| 休んでいる間の引き継ぎ方 | 面接での回答 | 休んでいる間、業務はどのように引き継ぎますか |
| 書面にどう書かれているか | 就業規則や社内規程 | 就業規則ではどのように書かれていますか |
| 申請から利用までの流れ | 人事・採用担当への確認 | 申請はどこにすればよいですか |
4つの確かめ先は、順に上から下へ進むものではなく、答えが得られた時点で止めてよいものです。面接で具体的な答えが得られれば、就業規則まで確かめずに済むこともあります。
求人票に記載がある場合でも、記載の粒度は会社によって異なります。名前だけが書かれている場合と、対象者や申請の流れまで書かれている場合とでは、確かめが必要な範囲も変わります。
求人票だけで判断がつかない場合でも、それだけで確かめる手段が尽きたわけではありません。面接で聞けなかった点は、内定後に就業規則の記載を確かめることで補える場合があります。
面接で聞いた内容と就業規則の記載が一致していれば、そこで確かめは十分といえます。一致しない場合や、記載が見当たらない場合に、次の確かめ先へ進みます。
送り迎えと両立する時間の使い方を知りたい場合は、別の記事で扱っています。
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4. 使われているかは、代わりの作り方に表れます
制度が使われているかどうかは、単発の記録だけでは見えにくいものです。手がかりの一つは、直近に実際に使った人がいるかどうかです。
もう一つの手がかりは、使う人が抜けたときに、代わりを担える人がどのように作られているかです。代わりの担当者を決める仕組みがあるかどうかは、制度が日常の業務に組み込まれているかを示す材料になります。
代わりの作り方が決まっていない場合、制度が用意されていても、実際に使うと業務が止まってしまう懸念が残ります。逆に、代わりの作り方が決まっている場合は、運用が業務の流れに組み込まれていると考えられます。
学校行事などで平日に数時間抜ける働き方について、休みの刻み方を知りたい場合は、別の記事で扱っています。
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5. 書かれているかと聞けたかを2軸で整理します
求人票の記載と、面接で聞けた内容を、2つの軸に置いて位置を確かめます。
2つの軸は、書面にどう書かれているかと、面接でどこまで聞けたかです。どちらも揃っている右上の位置に近いほど、確かめが進んでいると言えます。
右下のように記載はあっても聞けていない場合は、面接や人事・採用担当への確認を通じて、もう一段確かめを進める余地があります。左側の記載が薄い場合は、面接で使った人の話を聞けるかどうかが手がかりになります。
2軸のどちらか一方しか埋まっていない場合でも、埋まっていない側を次の面接や書面で埋めていく進め方があります。位置が変わるのは、確かめる行動を重ねた結果です。
求人票の記載を先に確認し、面接ではまだ聞けていない側を中心に質問すると、限られた時間の中でも効率よく位置を埋めていけます。順番を決めておくと、聞き忘れも減ります。
象限のどこに位置していても、それ自体は応募を控える理由にはなりません。位置は今の情報量を示すだけで、次に何を確かめればよいかの目印になります。
6. 制度の利用実績を面接で聞く言い方をそろえます
面接で運用について聞くときは、聞き方によって答えやすさが変わります。次の3つの言い方をそろえておくと、聞き取れる内容が増えます。
聞くときの3つの言い方
- 使った人を聞く:直近に制度を使った方がいるかを聞きます
- 引き継ぎを聞く:休んでいる間、業務をどう引き継ぐかを聞きます
- 窓口を聞く:記載について確かめる窓口がどこかを聞きます
3つの言い方は、実際に使った例・引き継ぎの仕組み・確かめる窓口という3つの角度に対応しています。どれか1つだけを聞くより、3つを順に聞いておくと、運用の実態に近づきやすくなります。
面接の場で聞きにくいと感じる場合は、就業規則や社内規程の記載を見た上で、分からない点だけを人事・採用担当に確かめる進め方もあります。
答えの内容が求人票の記載と異なっていた場合は、その場で聞き直すよりも、あとで書面と突き合わせて整理するほうが、記憶に頼らず確かめられます。
聞き方をそろえておくと、面接官によって答え方が変わっても、聞き取れる内容の粒度は揃います。複数の面接を受ける場合は、同じ3つの言い方を繰り返し使うと、会社どうしの記載を比べやすくなります。
3つの言い方をすべて聞く時間がない場合は、使った人を聞く質問を優先すると、運用の実態に最も近づきやすくなります。残りは書面や別の機会に確かめる形で補えます。
半日単位で休めるかどうかを知りたい場合は、別の記事で扱っています。
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7. よくある質問|求人票と規程が手がかりです
Q1. 制度が『ある』かどうかは、どこで確認できますか。
A. 求人票や就業規則、社内規程に記載がある場合は、そこで確認できます。記載が見当たらない場合は、面接や人事・採用担当への確認が手がかりになります。求人票の待遇欄に記載がある場合は、その内容も参考になります。
Q2. 使われているかどうかは、どうすれば分かりますか。
A. 面接で、直近に使った方がいるかや、休んでいる間の引き継ぎの仕組みを聞く進め方があります。書面の記載だけでは、運用の実態までは分かりません。聞いた内容は、その場でメモに残しておくと、あとで書面と見比べやすくなります。
Q3. 求人票に制度名が書かれていない場合、使われていないと考えてよいですか。
A. 求人票に記載がないことと、制度が用意されていないことは、常に同じとは限りません。就業規則や社内規程の記載、または面接での確認が手がかりになります。記載の詳しさに差があっても、それ自体は優劣を示すものではありません。
Q4. 面接で聞きにくい場合はどうすればよいですか。
A. 内定後に就業規則や社内規程の記載を確かめる進め方や、勤務先の人事・採用担当に相談する方法があります。分からない点を残したまま入社の判断をする必要はありません。
8. まとめ:制度と運用の差はここで確かめます
この記事の要点
- 制度が『ある』ことと、実際に『使われている』ことは別です
- 運用の実態は、直近に使った人がいるかと、代わりの作り方に表れます
- 求人票・就業規則・社内規程の記載と、面接での確認を組み合わせると、書かれている内容と実際の状況の両方から確かめが進みます
- テレワークを導入している企業の割合は47.3%です*1。導入の前提として示しました
- 記載や面接だけで分からない点が残る場合は、勤務先の人事・採用担当に確かめる進め方があります。焦って結論を出す必要はありません
制度が『ある』ことと、実際に『使われている』ことは、別の話です。求人票や就業規則、社内規程の記載を確かめたうえで、面接では制度の利用実績――直近に使った人がいるかや、休んでいる間の引き継ぎの仕組みを聞くと、運用の実態に近づきやすくなります。記載や面接だけで分からない点が残るときは、勤務先の人事・採用担当に相談する進め方があります。確かめる作業を重ねるほど、書かれている内容と実際の状況との距離は縮まっていきます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 総務省 通信利用動向調査
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