時短勤務を申し出るとき|先に確かめること

時短勤務を使えるかどうかは、多くの会社の就業規則に定められています。気になるのはその先の順番です。1日の勤務時間、始業と終業の時刻、いつから、どのくらい続けるかを自分で決めてから、どの書面で条件を確かめ、誰にいつ伝えるかという順に進めると、話が一度で伝わりやすくなります。ここでは、決める項目と、確かめる書面に絞って整理します。
時短勤務について最初に整理したいのは、条件を決める順番と、それを確かめる書面という2つの点です。
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この記事のポイント
- 時短勤務を申し出るときに整えておきたいのは、勤務時間・時刻・開始日・期間という4つの条件です
- 4つの条件は、就業規則・社内の案内・申請書という書面で扱いを確かめます
- 決める段と確かめる段を分けたうえで、上長に伝える範囲を3つに絞ります
1. 時短勤務は、条件を決めてから申し出ます
申し出るときに最初に整えておきたいのは、制度があるかどうかではなく、1日の勤務時間、始業と終業の時刻、いつから、どのくらい続けるかという4つの条件です。この4つを自分で決めてから、どの書面で扱いを確かめるかに進むと、申し出る段になって迷う範囲を減らせます。
時短勤務という制度が会社にあるかどうかは、就業規則を見ればすぐに分かります。気になるのは、その先の順番です。1日の勤務時間をどれだけ短くするか、始業と終業の時刻をどう動かすか、いつから始めるか、どのくらいの期間を想定するかという4つは、制度の有無とは別に自分で決める必要があります。
この4つを決めずに人事へ相談すると、会社側から何時間にしたいかを聞き返され、その場で即答できずに話が持ち越されることがあります。先に条件を決めておくと、確かめる範囲を最初から絞れます。
4つの条件は、同じ書面にまとめて書かれているとは限りません。就業規則に書かれている項目もあれば、社内の案内に書かれている項目、申請書を書く段になって初めて分かる項目もあります。
条件を決める順番と、書面を確かめる順番を分けて考えておくと、上長に伝える段になって話がぶれません。何時間にするかを決めていないまま相談すると、話が条件の相談から始まってしまい、一度で伝わりにくくなります。
次の章では、条件を決める前に書面を確かめようとすると何が起こるかを整理します。
2. 決める順番を誤ると、確認が振り出しに戻ります
条件を決める前に書面を確かめようとすると、就業規則を読んでも何時間からが時短勤務として扱われるかが具体的には書かれておらず、結局は人事に聞くところまで戻ってしまいます。書面は扱える幅を示すもので、自分がその幅のどこを選ぶかまでは書いていません。
先に条件を決めておけば、書面を確かめる作業は、決めた条件が扱える範囲に収まっているかを見るだけで済みます。この順番を逆にすると、条件の相談と扱いの確認が一度に混ざり、どちらも中途半端なまま話が終わることがあります。
時短勤務を考える場面は、一度きりではありません。一般労働者の賃金は55〜59歳が月396.2千円で全年齢のピークとなり、60〜64歳では329.3千円まで下がります*1。この数字は年代ごとの賃金の水準を示すもので、時短勤務の扱いを決めるものではありません。働く期間は長く、勤務時間の使い方を変える場面はこの先も何度か訪れると考えておくと、一度の申し出に条件を詰め込みすぎずに済みます。
条件を決める段と、書面を確かめる段を分けておくと、期間を延ばす、時刻を変えるといった見直しをするときも、同じ順番をもう一度使えます。最初に整えた順番は、一度きりの申し出のためだけのものではありません。
書面だけでは、実際にどのくらい使われているかまでは分かりません。制度として書かれていることと、実際に使われていることの差は、別に確かめておく価値があります。
次の章では、決めておく4つの条件と、それぞれをどの書面で確かめるかを表にして整理します。
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3. 決める4つの条件は、書面によって確かめ方が変わります
申し出る前に決めておきたい4つの条件を、どの書面で確かめるかと合わせて整理します。
4つとも、就業規則だけに書かれているとは限りません。
決める条件/確かめる書面
| 決める条件 | どの書面で確かめるか |
|---|---|
| 1日の勤務時間 | 就業規則に、選べる時間の幅(下限・上限)が定められています |
| 始業と終業の時刻 | 社内の案内に、選べる時刻の組み合わせが示されている場合があります |
| いつから始めるか | 申請書に、申し出から適用までに必要な期間の目安が書かれています |
| どのくらい続けるか | 就業規則や社内の案内に、期間の区切りや更新の手続きが定められています |
表の4つは、申し出るときに決める、1日の勤務時間、始業と終業の時刻、いつから始めるか、どのくらい続けるかという順に並んでいます。この順で決めておくと、確認する順番も同じ順で進められます。
1日の勤務時間は、就業規則に選べる時間の幅が定められています。何時間から選べるかは会社によって異なるため、一般化して示すことはできません。就業規則の該当箇所を確認しておくと、自分が決めたい時間がその幅に収まるかが見えてきます。
始業と終業の時刻は、社内の案内に選べる組み合わせが示されている場合があります。示されていない場合は、人事の窓口に聞くという方法もあります。
いつから始めるかは、申請書に申し出から適用までに必要な期間の目安が書かれています。適用までに一定の準備期間を置く会社もあるため、始めたい時期より前に申し出る必要があります。
どのくらい続けるかは、就業規則や社内の案内に期間の区切りや更新の手続きが定められています。区切りごとに更新の手続きが必要な会社もあれば、期間を決めずに運用する会社もあります。
4つとも一度に決めなくてもかまいません。まず自分の希望を仮に置いてから、書面と見比べて調整するという進め方でも、条件は固まっていきます。
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4. 時短勤務を申し出るまでは、4つの段を順に進みます
申し出るまでの流れを、4つの段に分けて整理します。
最初の段は、自分の条件を決めることです。1日の勤務時間、始業と終業の時刻、いつから、どのくらい続けるかを、書面を見る前に自分の中で決めておきます。
次の段は、決めた条件が就業規則や社内の案内で扱える範囲に収まっているかを確かめることです。ここで幅から外れている部分が見つかれば、条件を調整してから次の段に進みます。
3段目は、上長に伝えることです。決めた条件と確かめた扱いをそろえてから伝えると、条件の相談と扱いの確認が一度に混ざらずに済みます。
4段目は、人事の窓口で手続きを確かめることです。申請書の書き方や、適用までに必要な期間は、窓口で確認すると具体的に分かります。
4つの段を順に進めば、前の段で決めたことをもとに次の段へ進めるため、同じ説明を繰り返す場面が減ります。
5. 確かめの位置は、申し出の前に見ておきます
条件を決めたあと、どこまで確かめられているかを、2つの極の間で見ておきます。
就業規則を読んで条件が扱える範囲に収まっていると分かった時点では、確かめはまだ半分ほどです。就業規則は原則を示すもので、社内の案内や申請書に書かれている実際の手続きまでは示していません。
社内の案内まで見て、選べる時刻の組み合わせや期間の区切りを確認できていれば、確かめの位置は右側に近づきます。それでも、申請書の書き方や適用までの期間は、人事の窓口で確かめるまで分からないことがあります。
帯のどちら寄りにいても、次にすべきことは変わりません。まだ確かめていない書面を、就業規則、社内の案内、人事の窓口という順で見ていくだけです。
確かめが半分で止まっている状態のまま上長に伝えると、扱いの確認が終わっていない部分について聞かれ、話が一度で終わらないことがあります。伝える前に、確かめの位置を右側に寄せておくと話がまとまりやすくなります。
6. 上長に伝えるときは、伝える範囲を3つに絞ります
決めた条件と確かめた書面がそろったら、上長に伝えるときに整理する範囲を3つに絞っておきます。
伝えるときに整理する3点
- 決めた条件:1日の勤務時間、時刻、開始日、どのくらい続けるかをまとめて伝えます
- 確かめた扱い:就業規則や社内の案内で確認した、扱える範囲を伝えます
- 相談したい点:まだ書面で確かめられていない部分を、相談したい点として伝えます
3つの項目は、社内の案内に伝え方の示し方がない場合でも、自分で組み立てられる範囲です。決めた条件、確かめた扱い、相談したい点を分けて伝えると、上長も何を判断すればよいかが分かりやすくなります。
決めた条件は、4つをまとめて一度に伝えます。1日の勤務時間だけを先に伝えて、時刻や期間を後から追加すると、上長が判断をやり直す場面が増えます。
確かめた扱いは、就業規則や社内の案内で見た内容をそのまま伝えます。ここで自分の解釈を加えずに、書かれていた内容と、まだ確かめられていない内容を分けて伝えておくと、上長からの質問が減ります。
相談したい点は、書面だけでは分からなかった部分に絞ります。選べる時刻の細かい組み合わせなど、就業規則には書かれていない部分がここに当たります。
3つを分けて伝える準備は、人事の窓口に行く前でも進められます。上長に伝える段と、人事の窓口で手続きを確かめる段は、内容が重なる部分もありますが、伝える相手が違うため準備も分けておくと進めやすくなります。
伝える範囲を3つに絞っておくと、時短勤務の相談が一度で終わらなくても、次に何を確かめればよいかがその場で分かります。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. 時短勤務は、何時間からが対象になりますか。
A. 会社によって定めが異なります。就業規則に、扱われる時間の幅が定められているので、まずその範囲を確認します。
Q2. 就業規則を確認する前に、条件を決める必要がありますか。
A. 先に決めておくと確認がしやすくなります。条件を決めてから就業規則を確認すると、決めた条件が扱える範囲に収まっているかを見るだけで済みます。
Q3. 上長と人事のどちらに先に伝えればよいですか。
A. 会社によって順番が異なります。社内の案内に、最初に伝える相手の順番が示されている場合が多いので、そこを確認してから伝えます。
Q4. 期間を決めずに時短勤務を始めることはできますか。
A. 会社の制度によって異なります。就業規則や社内の案内に、期間の区切りや更新の手続きが定められているかを確認しておくと、始める前に見通しを持てます。
8. まとめ:条件を決めてから、書面で確かめます
この記事の要点
- 時短勤務を申し出るときに整えておきたいのは、1日の勤務時間・時刻・開始日・期間という4つの条件です
- 4つの条件は、就業規則・社内の案内・申請書という書面で扱いを確かめます
- 決める段と確かめる段を分けたうえで、上長に伝える範囲を3つに絞ります
- 確かめの位置が半分で止まっているまま伝えると、話が一度で終わらないことがあります
- 人事の窓口で手続きを確かめる段まで進めると、申し出の準備が整います
時短勤務を申し出るときに大切なのは、制度があるかどうかではなく、条件を決める順番と、それを確かめる書面です。1日の勤務時間、時刻、開始日、どのくらい続けるかを自分で決めたうえで、就業規則や社内の案内、申請書で扱いを確かめ、上長と人事の窓口に順に伝えます。条件や扱いは制度の定めと社内の規程で決まるため、案内と窓口で確かめながら進めます。
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