研修資料を任されたとき|先に決める4点

研修資料を任されると、内容から考え始めたくなります。ですが先に確かめておく点が4つあります。誰に向けた資料か、使える時間はどれだけか、すでにある資料がどこにあるか、そして仕上げる前に誰に見てもらうかです。この順に確かめておくと、作り直す範囲を小さくできます。
この記事の中心にあるのは、研修資料は、内容を考える前に対象と時間を確かめておくと作り直しが減るという点です。資料の見せ方や当日の話し方は、着手前に確かめる4点とは別の観点のため、ここでは示しません。
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この記事のポイント
- 研修資料を任されたら、対象の人数と持ち時間を先に確かめます。この2つで資料の詳しさと分量が決まります
- すでにある資料が共有の置き場所にないか、前の担当者に確認してから作り始めると、作り直す範囲が小さくなります
- 骨組みができた段階で、依頼した人に見てもらいます。仕上げてから見せると、直す範囲が資料全体に広がります
1. 研修資料を任されたら、対象と時間を先に確認します
研修資料を任されたときは、内容を考える前に4点を確認します。誰に向けた資料か(対象と人数)、使える時間はどれだけか(持ち時間)、すでにある資料がどこにあるか、そして仕上げる前に誰に見てもらうかです。この順に確かめておくと、後から作り直す範囲を小さくできます。
研修資料を任される場面では、依頼を受けた時点でまだ何も決まっていないことが多くあります。テーマだけが伝えられ、対象や持ち時間、参考にできる資料の有無は、自分で確認していく形になります。内容から考え始めると、後で対象や時間に合わせて作り直す範囲が広がります。
確かめる順番は、対象と持ち時間、すでにある資料の在りか、見てもらう相手の4点です。対象と持ち時間が決まれば資料の詳しさと分量の見当がつき、すでにある資料の在りかが分かれば作り直す範囲が絞れます。見てもらう相手を先に決めておくと、骨組みの段階で確認を挟めます。
社内で教える場を用意する動きは、研修資料を任される機会が増える背景の1つです。IPA「DX動向2026」によると、DX推進人材が「不足」と回答した企業は85.5%、そのうち「大幅に不足」と回答した企業は50.1%です*1。この数字は企業側の人材の状況を示すものであり、資料の作り方を決めるものではありません。
確認を後回しにして内容から作り始めると、骨組みができた段階で対象や持ち時間が想定と違っていたと分かることがあります。その時点で分量を大きく削ったり、構成を組み替えたりする必要が出て、仕上げまでの時間が圧迫されます。先に4点を確認しておく理由は、この圧迫を避けるためです。
資料が誰の依頼で、どの範囲まで使われるかを最初に確認しておくと、仕上げたあとに使われ方が想定と違うといった行き違いも防げます。依頼した人に確認する項目に、使われ方も含めておくと、あとから確認し直す手間が減ります。
2. 頼まれた時点から使うまでを4つの区切りで見ます
4つの区切りは、内容を考え始める前に確認を挟む位置を示しています。最初の区切りで対象と持ち時間が決まれば、次の区切りで資料の分量の見当をつけられます。
任された直後の時点で対象の人数が確定しないこともあります。そのときは依頼した人におおよその人数の目安を聞いておくと、骨組みの段階までに想定と大きくずれることを避けられます。
取りかかる前の区切りでは、すでにある資料の有無を確認します。過去に近い内容の資料があれば、更新して使える範囲を先に把握できます。
骨組みができた頃の区切りは、内容を書き切る前に置きます。見出しと要点だけの段階で見てもらうと、方向がずれていても直す範囲が小さく済みます。
仕上げの直前の区切りでは、内容を整えることに加えて、資料をどこに置くかを決めます。骨組みの段階で見てもらった相手に、置き場所も合わせて伝えておくと、当日までに探し直す手間が減ります。
骨組みの段階で見てもらう相手の予定が合わない場合は、依頼した人に早めに相談します。確認の期限をあらかじめ伝えておくと、仕上げの直前まで確認を持ち越さずに済みます。
3. 着手前に確かめる4点は、確認できる場所が決まっています
対象と人数、持ち時間、すでにある資料の在りか、見てもらう相手。この4点を確認できる場所の目安をまとめました。
4点より多く確認しようとすると、着手までの時間がかかりすぎることがあります。まずこの4点に絞って確認します。
着手前に確かめる4点と、確認できる場所の目安
| 確かめること | 確認できる場所の目安 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| 対象と人数 | 依頼した人・案内文の宛先欄 | 人数によって資料の詳しさと配布の形が変わります |
| 持ち時間 | 依頼時の案内・当日の日程表 | 質疑応答の時間を含むかどうかも見ます |
| すでにある資料の在りか | 共有の置き場所・前の担当者 | 更新して使えるか、作り直すかがここで決まります |
| 見てもらう相手 | 依頼した人・関係する部署の担当者 | 骨組みの段階で見てもらう相手を先に決めます |
4点のうち、対象と持ち時間は依頼した人に直接確認できます。残りの2点は依頼した人だけでは分からないことがあり、共有の置き場所や前の担当者への確認が必要になります。
4点はどれも、依頼した人か、社内の別の窓口かのどちらかで確認できます。確認先が分かれているため、先に順番を決めておくと、同じ相手に何度も聞き直す手間を減らせます。
4点の確認にかかる時間は、依頼した人への確認だけで済む場合もあれば、複数の部署をまたぐ場合もあります。後者に当たりそうなときは、着手前の確認だけで数日かかることを見込んでおきます。
資料を作る時間そのものを業務として使えるかどうかは、この4点とは別の話です。学習の時間を業務として使えるかについては、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 学習の時間を業務として使えるか|確かめる先
4. すでにある資料は、更新か作り直しかを先に見分けます
共有の置き場所に近い内容の資料があった場合、更新して使えるか、内容を作り直すかを先に見分けます。見分ける基準は、対象と持ち時間が前回と同じかどうかです。対象や持ち時間が変わっていれば、構成から作り直す範囲が広がります。
資料が見つからない場合は、依頼した人や関係する部署に、過去に近い内容で使った資料がないかを確認します。表計算やスライドの形で個人の手元に残っているだけで、共有の置き場所には上がっていないこともあります。
共有の置き場所に似た資料が複数見つかることもあります。作成日が新しいものを優先し、日付が分からない場合は、依頼した人か前の担当者にどちらが新しいかを確認します。
見つかった資料が今回と同じ対象向けかどうかは、日付だけでは判断できないことがあります。対象の人数や持ち時間が前回と同じかどうかを、依頼した人に確認してから、使う範囲を決めます。
資料の中身が新しい技術を扱うかどうかは、この記事で確かめる4点とは別の観点です。新しい技術に触れられるかについては、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 新しい技術に触れられるか|決め方と周期を見る
5. 見てもらう相手には、この順番で声をかけます
見てもらう相手は、依頼した人だけとは限りません。関係する部署の担当者が対象に含まれる場合、その担当者にも骨組みの段階で見てもらうと、後から見方の違いに気づく事態を避けられます。
骨組みの段階で意見をもらったら、資料全体ではなく、指摘された部分だけを直します。仕上げの段階では、置き場所を決めて完成させ、依頼した人に最終確認を求めます。
骨組みの段階で複数の相手から意見をもらうと、指摘の内容が重なる場合と分かれる場合があります。指摘が分かれたときは、対象と持ち時間に近い側の意見を優先すると、仕上げの段階で判断に迷う場面を減らせます。
6. 研修資料に取りかかる前に、揃えておきたいものが4つあります
内容を考え始める前に、手元に揃えておきたいものが4つあります。
取りかかる前に揃えておきたい4つ
- 対象の人数:依頼した人に確認した、想定される参加人数とおおよその内訳
- 持ち時間:質疑応答を含むかどうかまで確認した、当日の持ち時間
- すでにある資料:共有の置き場所や前の担当者に確認した、近い内容の資料の有無
- 見てもらう相手の名前:骨組みの段階で確認を頼む、依頼した人以外の担当者の名前
4つが手元に揃った時点で、研修資料の骨組みを考え始められます。揃っていないまま内容から考え始めると、後から対象や時間に合わせて作り直す範囲が広がります。
4つのうち、対象の人数と持ち時間は依頼した人への確認だけで揃います。残りの2つは、共有の置き場所を見に行ったり、関係する部署に問い合わせたりする時間が必要になるため、先に動き始めると余裕ができます。
4つのうち1つでも確認できていない場合は、着手を数日遅らせてでも先に確認を済ませておくと、全体としての作業時間を短くできます。焦って内容から書き始めると、あとで確認が入り、二度手間になりやすくなります。
資料に載せる知識を、社外の勉強会で得ることもあります。勉強会に参加する意味については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 勉強会に参加する意味|転職で効く部分と効かない部分
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 対象の人数が、当日になって増えることはありますか。
A. あります。増える可能性がある場合は、依頼した人に事前に確認しておくと、配布形式や資料の詳しさを調整しやすくなります。当日の会場の広さも合わせて確認しておくと、配布形式を早めに決められます。
Q2. すでにある資料が見つかったが、内容が古い場合はどうしますか。
A. 対象と持ち時間が前回と同じであれば、内容を更新して使える範囲が広くなります。対象や時間が変わっている場合は、構成から見直す範囲が広がります。前回の資料に作成日が書かれていない場合は、前の担当者に確認すると分かることがあります。
Q3. 見てもらう相手が複数いる場合、順番はありますか。
A. 依頼した人に骨組みの段階で見てもらい、その後に関係する部署の担当者へ確認を広げる順番が目安になります。依頼した人の確認を後回しにすると、仕上げの段階で方向の違いに気づく事態につながります。確認する順番を先に決めておくと、意見が分かれたときの調整もしやすくなります。
Q4. 持ち時間に質疑応答の時間は含まれていますか。
A. 案内によって異なります。持ち時間を確認する際に、質疑応答を含むかどうかも合わせて確認しておくと、資料に割ける時間の見当がつきます。含まれていない場合は、資料の中に質疑応答用の時間を別に確保しておきます。
8. まとめ:対象と時間を先に確かめます
この記事の要点
- 研修資料を任されたら、内容を考える前に対象と持ち時間を確かめます
- すでにある資料の在りかを共有の置き場所や前の担当者に確認すると、作り直す範囲が絞れます
- 骨組みができた段階で、依頼した人や関係する部署の担当者に見てもらいます
- 見てもらう相手には、骨組みの段階と仕上げの段階の2回に分けて声をかけます
- 4点を着手前に確かめておくと、内容から考え始めるより作り直しが減ります
研修資料を任されたときに最初に迷うのは、内容そのものより、何をどこまで確認してから始めるかという点です。対象と持ち時間、すでにある資料の在りか、見てもらう相手の4点を着手前に確かめておくと、内容を考え始める段階から作り直す範囲を小さくできます。4点のうち先に確認できるものから動くと、骨組みに取りかかるまでの時間を短くできます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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