Flaskの経験を転職で活かす|引き継いだアプリの話

Flaskで開発を担当してきたエンジニアが職務経歴書を書くとき、担当した機能やAPIの一覧を並べるだけになりがちです。しかし採用担当者が読みたいのは、すでに動いているアプリを引き継ぎ、直しながら運び続けた過程でどんな判断をしてきたかという中身です。同じ経験でも、書き方によって伝わる深さが変わります。
中心になるのは、すでに動いている小さなアプリを引き継ぎ、仕様書が残っていない状態でも動きを確認しながら少しずつ直し、動かし続けてきたという経験そのものをどう語るかという視点です。フレームワークの比較や文法の解説、年収の相場には立ち入りません。
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この記事のポイント
- Flaskで引き継いだアプリの経験は、直しながら運び続けた過程での判断で職務経歴書の伝わり方が変わります
- 雇用型就業者でテレワークを実施しているのは15.6%にとどまり、出社を伴う求人が引き続き中心です*1
- 把握した範囲・直した理由・運用への影響という3つの要素を職務経歴書に足せます
1. 引き継いだアプリを運んだ経験は、判断の履歴として読まれます
Flaskで開発を担当してきた経験は、すでに動いているアプリを引き継ぎ、直しながら運び続けた過程での判断で読まれます。雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%にとどまり、出社を伴う求人が中心であるからこそ、開発の中身を丁寧に伝える必要があります*1。
Flaskでの開発経験を職務経歴書に書くとき、担当した画面やAPIのエンドポイントを列挙する形になりやすいものです。しかし一覧は、何を担当したかは伝えても、何を判断したかは伝えません。
すでに動いているアプリを引き継ぐ場面では、まず手元にあるコードと実際の挙動を突き合わせる作業から始まります。仕様書が残っていない場合や、残っていても実際の挙動と食い違っている場合があり、突き合わせ自体が最初の判断になります。
把握を終えたあとは、気づいた不具合や無駄を直しながら、アプリを止めずに動かし続けます。新しく設計する仕事とは違い、既存の挙動を壊さずに直すという制約のなかで判断を重ねる経験です。
職務経歴書に書くべきは、担当した機能の名称だけではありません。引き継いだ時点で何を把握し、どこを優先して直したのかという判断の中身まで書くことで、担当した範囲の広さだけでなく、判断の深さも伝わります。
この置き換えは、担当してきたアプリの規模にかかわらず進められます。小さなアプリであっても、把握し、直し、動かし続けた場面は存在するはずです。
当時のコミット履歴やissueのやり取りが残っていれば、そこに書かれた判断の経緯を読み返すことも、思い出す手がかりになります。記録が残っていない場合は、一緒に運用していたメンバーに当時の背景を確認する方法もあります。
テストコードが整っていない引き継ぎでは、手を入れる前に手動での動作確認を重ね、直した箇所が既存の挙動を壊していないかを裏付ける作業が加わります。
担当した機能の数が少ない場合でも、1つの判断を丁寧に説明できれば、経験の浅さを補う材料になります。
2. 引き継ぎの仕事は、2つの軸で置き場所が決まります
Flaskで引き継ぐ仕事は、担当する範囲の大きさと、そのまま使い続けるか作り替えるかという方針の、2つの軸で位置が決まります。
4つの区画のうち、多くの人がまず思い浮かべるのは右側の作り替えです。しかし実務では、範囲の大小にかかわらず、左側のそのまま使い続ける区画から始まることが多いものです。
すでに動いている小さなアプリを一人で引き継いだ場合、多くは左下の区画にあたります。限られた範囲を直しながら、日々の運用を支える立場です。
この区画にいる経験は、右側の作り替えに比べて地味に見えることがあります。しかし止めずに動かし続けるという制約のなかで判断してきた経験は、区画の位置にかかわらず職務経歴書に書く価値があります。
同じ人が同じアプリを担当し続けるうちに、区画をまたぐ場合もあります。小さな保守を重ねるうちに、一部の機能だけを作り替える判断に移ることも珍しくありません。
自分がどの区画にいたかを最初に整理しておくと、次の判断の説明にもつながりやすくなります。
3. 同じ引き継ぎでも、書き方で伝わる範囲に差が出ます
同じFlaskでの引き継ぎ経験でも、職務経歴書にどこまで書くかによって、読み手に伝わる情報の深さが変わります。
書き方による情報の差
| 職務経歴書の書き方 | 読み手が受け取る情報 | 足すと伝わること |
|---|---|---|
| Flaskで開発を担当したと書く | 使用した技術の名称のみ | 引き継いだ時点でアプリが何をしていたか |
| 不具合を直しながら運用したと書く | 保守作業をしていた事実 | 何を優先して直したかという判断基準 |
| 仕様書がない状態から把握したと書く | 把握作業をした事実 | どうやって仕様を再構成したかという方法 |
表の左列は、Flaskでの引き継ぎ経験があれば書ける内容です。右に進むほど、担当した作業の裏にあった判断が伝わるようになります。
中央の列だけで終わる職務経歴書は少なくありません。保守作業をしていた事実までは書かれていても、何を優先して直したかという判断基準までは書かれていないことが多いためです。
3行はいずれも、同じ引き継ぎの経験から書ける内容です。担当してきたアプリを振り返りながら、実際に当てはまる行を選べます。
面談でこの表について聞かれた場合は、行を上から順に説明するのではなく、実際に自分が担当した行から話し始めると、経験の実感が伝わりやすくなります。
複数のアプリを引き継いだ経験があれば、それぞれで何を優先して直したかを比べておくと、判断の基準が状況によって変わったことも合わせて説明できます。
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4. 作り替えないという判断も、説明できます
引き継いだアプリを作り替えずにそのまま使い続けるという判断は、消極的な選択に見えることがあります。しかし利用者が日常的に使っているアプリを止めずに動かし続けるには、作り替える以上に慎重な判断が必要になる場面があります。
作り替えないという判断の裏には、たいてい理由があります。作り替えにかかる工数と、そこから得られる効果を比べたときに、直しながら使い続けるほうが利用者への影響を抑えられると判断した場合などです。
職務経歴書には、作り替えなかったという事実だけでなく、何と比べてその判断に至ったかまで書く余地があります。比較した内容まで書くことで、判断を任された経験として伝わります。
面談では、なぜ作り替えなかったのかを聞かれる場面があります。比較した内容をあらかじめ言葉にしておくと、同じ説明がそのまま使えます。
一部の機能だけを作り替え、残りはそのまま使い続けるという組み合わせ方を選んでいる現場もあります。全てを一方に寄せる前提で考えなくても、判断の余地は残ります。
作り替えない判断は、技術者以外の関係者に共有される場面もあります。運用への影響を、専門用語を使わずに説明した経験も、職務経歴書に書ける材料になります。
判断の重さは、担当していた体制によっても変わります。一人で運用を任されていた場合と、チームで相談しながら進めていた場合とでは、同じ判断でも背景が異なります。自分が置かれていた体制まで添えると、判断の背景がより伝わります。
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5. 説明は3段で積み上げます
引き継いだ経験を説明するときは、思い出した順に話すよりも、3段で積み上げて説明する方が伝わりやすくなります。
土台になるのは、動いているアプリの仕様と挙動を確認する把握の段階です。ここが曖昧なままでは、その上の改善も判断も成り立ちません。
中段は、気づいた不具合や無駄を少しずつ直していく段階です。この段階の積み重ねが、頂点にある作り替えの判断を支える材料になります。
頂点は、作り替えるかどうかを根拠を添えて選ぶ段階です。3段を順番に説明すると、面談で聞かれる質問の順番ともおおむね重なります。
6. 職務経歴書に足せる3つの要素
引き継いだアプリの経験を職務経歴書に足すとき、書き加えられる要素を3つに整理します。
職務経歴書に足せる3つの要素
- 把握した範囲:引き継いだ時点でアプリがどこまで動いていたかを一文で示します
- 直した理由:どの不具合や課題を優先して手を入れたかを書きます
- 運用への影響:直したことで、運用や利用者にどんな変化があったかを書きます
3つはいずれも、担当した機能の一覧に一行を足すだけでは書けません。作業の裏にあった判断を思い出す作業が必要です。
3つを全ての機能について書く必要はありません。方針の判断が特に関わった場面を選び、そこに絞って書く方が読み手には伝わりやすくなります。
書き終えたら、3つの要素が別々の場面を指しているかを確認します。同じ機能から3つとも書いてしまうと、経験の幅が狭く見えることがあるため、担当してきたアプリのなかから異なる場面を選ぶようにします。
募集要項に保守や運用についての記載がある求人であれば、その記載と自分が引き継いだ経験を照らし合わせておくと、書類のどこを厚く書くかを判断しやすくなります。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. Flaskで小規模なアプリを引き継いだ経験しかない場合でも、転職の応募は検討できますか。
A. 応募の可否は求人ごとの募集要項によります。新規開発の経験を必須とする求人もあれば、既存アプリの保守や運用の経験を評価する求人もあります。募集要項に書かれた条件と、自分が説明できる経験の範囲を照らし合わせてから応募先を選ぶと、選考の過程でずれが少なくなります。
Q2. 仕様書が残っていない状態で引き継いだ経験も、職務経歴書に書けますか。
A. 仕様書がない状態から実際の挙動を確認し、仕様を把握し直した経験は、それ自体が書ける内容です。何を手がかりに仕様を再構成したかを添えると、把握の過程が具体的に伝わります。
Q3. 小規模なアプリの保守経験は、職務経歴書のどこに書くのが適切ですか。
A. 担当したアプリの説明のなかに、保守した事実だけでなく判断の経緯として書き加える形が考えられます。担当したアプリごとの説明の一部として書くと、担当範囲と判断の両方が伝わります。
Q4. 作り替えなかったという判断について、面談で聞かれた場合はどう答えればよいですか。
A. 職務経歴書に書いた比較の内容や判断の理由は、面談での説明にもそのまま使える内容です。書類で結論を示し、面談で比較した内容や体制などの経緯を補うという役割分担もできます。
8. まとめ:引き継ぎの経験は、判断で語れます
この記事の要点
- Flaskで引き継いだアプリの経験は、直しながら運び続けた過程での判断で職務経歴書の伝わり方が変わります
- 雇用型就業者でテレワークを実施しているのは15.6%にとどまり、出社を伴う求人が引き続き中心です*1
- 作り替えないという判断も、比較した内容まで書けば判断を任された経験として伝わります
- 把握・小さな改善・作り替えの判断という3段で説明すると、判断の過程がそのまま伝わります
- 把握した範囲・直した理由・運用への影響という3つの要素を職務経歴書に足せます
アプリを作り直すのではなく、その裏にあった判断を言葉にすることが、引き継いだ経験を実績に変える最初の一歩になります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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