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医療ITのエンジニアはフルリモート?電子カルテの導入と在宅の業務

午前の病院の医療情報部門の部屋で、端末の並ぶ部屋で打ち合わせる医療ITのエンジニアと職員

医療ITのエンジニアがフルリモートで働けるかは、担当する業務で変わります。電子カルテを病院へ入れる作業と、入れたあとの保守やクラウドの開発とでは、仕事を行う場所が違うためです。求人を読むときは、どの業務の求人かを先に押さえます。

ガイドラインに定めがあるのは外から接続する要件で、働く場所までは決めていません*1*2。在宅で働けるかどうかは、求人ごとに接続の方法と病院へ行く頻度を聞いて判断します。

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この記事のポイント

  • 医療情報システムに外から接続する場面は、職員のテレワーク、患者の自宅、事業者の保守の3つです*1*2。エンジニアの働き方に近いのは、事業者の保守の場面です。
  • 導入作業の設定と研修は、病院で行う現場の仕事です。保守とクラウドの開発は、接続の要件を満たせば遠隔でもできます。
  • ガイドラインの対象は、外から接続するときの要件です*1*2。在宅かどうかは、応募先に直接聞いて判断します。

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

リラシクの強み

医療ITの求人では、病院へ行く頻度が応募先を選ぶ条件になります。リラシクの求人は、「地方フルリモートOK」「週1日以上の出社」「社内イベントでの出社可能性あり」などの条件で絞り込めるので、出社の有無を先に決めて探せます。

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1. 医療ITの在宅の可否は仕事の種類で分かれる

医療ITのエンジニアの在宅の可否は、仕事の種類ごとに分かれます。導入作業のうち病院での設定と研修は、病院に出向く現場の仕事です。保守やクラウドの開発は、外から接続する要件を満たしていれば、遠隔でも進められます。勤務形態の可否そのものはガイドラインに書かれていないため、面接での質問が判断の手がかりです*1*2。

午後の病院で、看護師に電子カルテの端末の操作を説明する医療ITのエンジニア

2. 電子カルテの仕事で病院に行く業務と遠隔でもできる業務

電子カルテを入れる病院では、導入する作業と、導入したあとの保守が別々に発生します。導入作業のうち設定と研修は、病院の中で行います。保守と、クラウド型の電子カルテの開発は、外から接続して進められる業務です。

図は業務の置き場所を3つに分けたもので、在宅で働ける人の割合を示すものではありません。求人票に「医療IT」とだけ書かれていると、どの業務の求人か分かりません。応募の前に、業務の名前を聞いておきます。

導入作業は病院で行い、保守とクラウドの開発は遠隔でもできる 電子カルテの仕事は、どこで行うか 導入作業(設定・研修) 病院で行う現場の仕事です。 設定も研修も病院の中で進めます。 保守 接続の要件を満たせば遠隔でも 可能です。リモートログインは必要な場合に限ります。 クラウドの開発 接続の要件を満たせば遠隔でも 可能です。接続の方法は求人ごとに聞きます。 導入作業なら病院へ出向き、保守とクラウドの開発なら遠隔でもできる

3. 電子カルテの導入率は病院の規模で差がある

令和5年の医療施設調査では、電子カルテの導入率は一般病院が65.6%、一般診療所が55.0%でした*4。400床以上の一般病院は93.7%で、規模が大きい病院ほど導入が進んでいます*4。一般診療所は対象が104,894施設と多く、導入していない施設が残っています。

政府は、令和12年12月31日までに導入率を約100%にする目標を掲げています*4。一般病院の65.6%と一般診療所の55.0%は、目標との差が残る区分です。導入作業は病院で行う仕事なので、求人が導入と保守のどちらを指すのかは、応募の前に聞きます。

電子カルテの導入率(令和5年の医療施設調査・厚生労働省)

施設の区分導入率導入している施設数出典
一般病院65.6%7,065施設中4,638施設*4
一般診療所55.0%104,894施設中57,662施設*4
400床以上の一般病院93.7%-*4

4. 外部からの接続は医療機関が条件を定める

医療情報システムに外から接続する場面は、職員のテレワーク、患者の自宅、事業者の保守の3つです*1*2。職員のテレワークは病院の職員が自宅から接続する場面で、患者の自宅は患者が自宅から接続する場面です。医療ITのエンジニアの働き方に近いのは、保守を行う事業者の場面で、ここが在宅の可否に関わります。

外部からの接続を認めるか、認めるならどんな条件にするかは、医療機関の企画管理者が規則と手順で定めます*2。条件を決めるのはエンジニアの会社ではなく、接続を受ける医療機関です。同じ電子カルテの仕事でも、病院が違えば接続の条件が違う場合があります。

職員が自宅などから接続するときは、事前の許可と技術的な対応が必要です*1。技術的な対応として、VPN(外から病院の通信網へ安全につなぐ仕組み)などを使います*1。これに加えて、仮想デスクトップ(手元の端末では画面だけを操作する仕組み)などの運用要件を設定します*1。仮想デスクトップでは、処理そのものは病院側で行われる仕組みです。

接続の要件は、システム運用編と企画管理編の2つの編に書かれています。システム運用編は職員の自宅からの接続や保守の対策を、企画管理編は接続を認めるかどうかの決定を扱っています*1*2。在宅で働く医療ITのエンジニアは、応募先がどの接続の方法を採っているかを、面接で聞きます。

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5. リモート保守の対策とクラウド型の保守委託

夜の自宅で、保守の接続の前にスマートフォンで本人確認をするエンジニア

リモートログインは、保守作業など必要な場合に限って行います*1。厚生労働省のガイドラインは、リモートメンテナンス(遠隔で行う保守作業)を、正規のルートを装って侵入できる裏口になり得るとしています*1。便利な接続口はそのまま攻撃の入口にもなるので、保守だから遠隔でよい、という扱いにはなりません。

ガイドラインが示す対策には、専用のアカウントを使うこと、アクセスログを集めること、作業計画書と照合することがあります。ほかに、二要素認証(パスワードに加えて別の方法でも本人確認する仕組み)も示されています*1。専用のアカウントは、保守作業のためだけに発行される認証情報です。アクセスログは誰がいつ何を操作したかの記録で、作業計画書と突き合わせて、計画にない作業がないかを調べます。

作業計画書と照合されるので、遠隔の作業でも、作業の内容を事前に書面へ書き出しておく手順が入ります。二要素認証が入った接続では、パスワードだけでは入れません。遠隔で保守を行うエンジニアは、こうした手順を踏んだうえで作業します。

クラウド型の電子カルテで保守を委託する医療機関向けには、保守委託機関編があります*3。保守委託機関編は、システム運用編や企画管理編とは別の編として出ています*1*2*3。クラウド型の保守に就く場合は、保守を任せる病院がこの編に沿って委託しているかを、応募先の会社に聞けます。

面接では、接続の方法と、病院へ行く頻度の2つを聞きます。接続の方法は、VPNと仮想デスクトップと二要素認証のうちどれを使うか、専用のアカウントが発行されるかです。病院へ行く頻度は、導入作業、研修、障害が起きたときのうち、どの場面で何回行くかを聞きます。

どちらの答えも、求人票には書かれていない場合があります。書かれていないときは、書類選考の段階で問い合わせるか、面接の最初の質問にします。入社後に病院へ行く回数が想定より多かったと分かるより、先に聞くほうが、条件を比べやすいです。

求人票では、仕事内容の欄の言葉で業務を見分けます。「導入」「設定」「研修」とあれば、病院へ出向く業務を含みます。「保守」「運用」「クラウド」とあれば、外から接続して進める業務に近い求人です。

両方の言葉が並んでいる求人は、1つの職種のなかに現場の仕事と遠隔でもできる仕事が混ざっています。その場合は、どちらの業務を主に担当するのか、1か月のうち何日が現場の仕事なのかを聞きます。接続の方法がまだ決まっていない段階なら、決まる時期もあわせて聞きます。

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6. よくある質問

Q1. 医療ITのエンジニアはフルリモートで働けますか

A. 業務ごとに答えが違います。ガイドラインが定めるのは接続の要件までで、働く場所は定めていません*1*2。フルリモートの求人があるかどうかも、ガイドラインからは分かりません。

Q2. 電子カルテの導入作業は在宅でできますか

A. 導入作業のうち、病院での設定と研修は現場で行う仕事です。導入作業を含む求人では、設定と研修のどこまでを病院で行うのかを、応募先に聞きます。その答えが、病院へ行く頻度の見当になります。

Q3. 電子カルテの保守は在宅でできますか

A. 遠隔でもできる業務です。接続の要件を満たしていることが前提で、リモートログインを使えるのは、保守作業などの必要な場合に限られます*1。遠隔で行う場合は、専用のアカウントや二要素認証などの対策が付きます*1。

Q4. クラウド型の電子カルテの保守に特別な決まりはありますか

A. あります。保守を委託する側の医療機関のために、保守委託機関編が出ています*3。システム運用編と企画管理編とは別の編です*1*2。保守を請け負う会社で働く場合は、委託元の病院がこの編に沿っているかを聞けます。

Q5. 外部から接続できる条件は誰が決めますか

A. 医療機関の企画管理者です。接続を認めるかどうかと、その条件を、規則と手順で定めます*2。応募先の病院ごとに聞くことになります。

Q6. 電子カルテの導入率はどのくらいですか

A. 令和5年の医療施設調査では、400床以上の一般病院が93.7%です*4。政府は令和12年12月31日までに約100%を目標にしています*4。一般病院は65.6%、一般診療所は55.0%です*4。

Q7. 面接では何を聞けばよいですか

A. 聞くのは2つです。1つ目はVPN、仮想デスクトップ、二要素認証のどれを使うかという接続の方法で、2つ目は導入作業、研修、障害時のどれで何回かという行く頻度です。

Q8. 求人票を見れば在宅で働けるかどうか分かりますか

A. 書き方は求人ごとに違います。仕事内容の欄に「導入」「設定」「研修」があれば病院へ出向く業務を含み、「保守」「運用」「クラウド」なら外から接続する業務に近い求人です。どちらとも読めないときは、応募先に聞きます。

7. まとめ:医療ITの在宅は業務ごとに分けて求人を読む

この記事のまとめ

  • 医療情報システムに外から接続する場面は、職員のテレワーク、患者の自宅、事業者の保守の3つです*1*2。
  • 設定と研修は病院で行う仕事で、保守とクラウドの開発は、接続の要件を満たせば遠隔でもできます。
  • 外部からの接続の条件は、医療機関の企画管理者が規則と手順で定めます*2。
  • ガイドラインは働く場所を定めていないので、面接で接続の方法と病院へ行く頻度を聞きます*1*2。

医療ITの求人は、導入作業、保守、クラウドの開発のどの業務かを先に聞き、そのうえで応募先を絞ります。

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※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。

出典・参考情報

*1 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版 システム運用編(厚生労働省・令和8年6月)
*2 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版 企画管理編(厚生労働省・令和8年5月)
*3 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版 保守委託機関編(厚生労働省)
*4 電子カルテ普及計画(厚生労働省・令和8年9月9日)

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