オファー面談の録音|相手の了承と条件を書面に残す依頼

オファー面談を録音したいときは、面談の初めに相手へ録音したいと伝え、了承を取ってから始めます。話された条件は、面談のあとにメールか労働条件通知書(会社が労働条件を示すために渡す書面)で受け取ります。労働契約法第4条は、労働契約の内容をできる限り書面で確認するよう定めています*1。
オファー面談の録音は、面談で聞いた内容をあとから聞き返すための手段です。会社が条件として示す書面とは役割が違うので、書面を頼むメールを別に送ります。面談の直後に送るメールは、本日伺った条件を書面でいただけますかという一文で書けます。
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この記事のポイント
- 録音は、面談の冒頭で相手に伝えて了承を取ってから始めます。断られたときは録音せず、メモを取り、同じ内容を書面で頼みます。
- 面談で聞いた条件は、メールか労働条件通知書の形で受け取ります*1*3。録音だけでは書面にならないので、書面は別に頼みます。
- 書面を頼むメールは、面談の直後に一文で書けます。例文は本文に載せています。
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
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1. 録音は面談の初めに了承を得て条件は書面でもらう
録音するなら、面談の初めに相手へ伝えて了承を取り、条件はメールか労働条件通知書で書面にしてもらいます。オファー面談の録音は、聞き返すための手段で、条件を書面で受け取る頼みは録音とは別に必要です。この書面での確認は、労働者と使用者の両方に向けた定めです*1。口頭の説明だけで入社を決めるより、書面と照らして決めるほうが、条件の食い違いに気づけます。

2. 録音から書面を受け取るまでの4段階
1段階目は、録音を始める前に、面談の相手へ録音の了承を求めることです。面談の初めに一言伝え、返事を聞いてから録音を始めます。断られたときは、録音をせずメモで残します。
2段階目は、録音しながら条件を聞くことです。オファー面談は法令の用語ではなく、内定のあとに会社と労働条件を話す面談を指す呼び方です。賃金や勤務地のように、入社後の働き方に関わる条件を、この面談で聞きます。
3段階目は、面談のあとに、聞いた条件を書面でほしいと会社へ頼むことです。書面の交付が原則です*3。電子メール等は、出力して書面にできるものに限ります*3。
4段階目は、届いた書面を面談で聞いた条件と見比べることです。食い違う項目があれば、入社を決める前に会社へ連絡します。見比べるとき、オファー面談の録音は相手の発言を聞き返すために使います。
3. 条件を残す4つの手段と頼み方
表は、条件を残す4つの手段を、残るものと頼み方で並べたものです。労働条件の明示(会社が労働条件を労働者に示すこと)は、労働基準法が会社に求める手続きで、書面の交付が原則です*2*3。電子メール等は、労働者が希望した場合に限り、書面の代わりに使えます*3。
録音は、面談で話された言葉が残る手段です。メールと労働条件通知書は、会社が文章で示した条件が残る手段で、書面として受け取れるのはこちらの2つです。面談のメモは自分で書く記録なので、相手への依頼は要りません。
条件を残す4つの手段と頼み方
| 手段 | 残るもの | 頼み方 |
|---|---|---|
| 面談のメモ | 自分が聞き取った内容 | 相手への依頼は要らない。聞き取りにくかった数字や言葉は、その場で言い直してもらう |
| 面談の録音 | 面談で話された言葉 | 面談の初めに、録音したいと相手へ伝えて了承を取る |
| メール | 文章で書かれた条件 | 面談のあとに、本日伺った条件を書面でいただけますかと頼む*3 |
| 労働条件通知書 | 会社が明示した労働条件 | 書面の交付が原則なので、面談のあとに書面で受け取りたいと頼む*2*3 |
4. 録音の了承は面談の初めに言葉で取る
録音の了承は、面談が始まってすぐに取るのが基本です。「内容を正確に聞き返したいので、録音してもよいでしょうか」と、録音を始める前に相手へ尋ねます。相手の返事がないうちは録音を始めないので、了承のあとの録音だと双方に分かります。
了承が取れたら、録音は面談の最後まで止めずに続けるのが基本です。聞き取りにくかった数字や言葉は、その場で言い直してもらいます。賃金の金額や勤務地のように書面と見比べる項目は、メモにも書いておきます。
了承の依頼を面談の前にメールで送るのも、1つの方法です。面談の日程を決めるやり取りに、「面談の内容を聞き返せるよう、録音してもよろしいでしょうか」と一文を添えます。返事がメールに残るので、面談の初めには、その返事を口頭で相手と共有します。
了承が取れなかったときは、録音せずに聞いた内容をメモに取ります。録音がなくても、面談のあとに書面を頼む手順は変わりません。録音で聞き返して分かるのは、面談で相手が話した内容です。会社が労働条件として示す内容は、書面で受け取ります*2*3。
録音を聞き返す手順は、書面の項目を1つずつ選び、録音の該当する箇所を探すことです。メモに面談の開始からの時刻を書いておくと、箇所をすぐに見つけられます。見つけた発言と書面の記載が違っていれば、その発言を文字にして、問い合わせのメールに書きます。
オファー面談の録音を使う場面は2つあります。1つは、書面が届いたあとに、面談で聞いた賃金や勤務地と見比べるときです。もう1つは、書面に載っていない項目を問い合わせるメールで、面談での相手の発言を正確に書くときです。
あわせて読みたい | 内定後のオファー面談で聞くこと|賃金や勤務地など6つ
5. 書面を頼むメールの例文と書面の見方

書面を頼むメールの本文は、面談で聞いた条件を挙げて、書面の形を伝える文面です。電子メール等での交付は本人の希望があるときだけなので、メールでよいときは、その旨をこちらから書きます*3。件名は「オファー面談のお礼と条件書面のお願い」のように、内容が分かる題にします。
「〇〇株式会社 採用ご担当者様。本日はオファー面談のお時間をいただき、ありがとうございました。本日伺った賃金、勤務地、入社日の条件を、メールまたは労働条件通知書でいただけますでしょうか。入社の判断に使いますので、ご対応をお願いいたします。」
会社名と担当者名は、実際の面談の相手に合わせて書きます。条件の項目は、面談で話に出たものだけを挙げて構いません。話に出なかった項目まで書くと、面談で話していない条件を頼む文面になります。
書面を頼む根拠は、労働契約法第4条にあります。使用者は、労働者に示す労働条件と労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするとされています*1。労働者と使用者は、労働契約の内容を、できる限り書面により確認するものとされています*1。面談のあとに書面を頼むのは、この定めに沿った依頼です。
労働基準法第15条は、労働契約を結ぶときに会社が労働条件を明示するよう定めています*2。明示された条件が事実と違えば、労働者は即時に労働契約を解除できます*2。この定めがあるので、書面に書かれた条件は、入社後の働き方を決める根拠として読みます。
書面が届いたら、録音とメモにある条件と、1項目ずつ照らし合わせます。リモートワークで働く前提で入社する人は、面談で聞いた働く場所が、書面の就業場所と合っているかも見ます。就業場所と業務の変更の範囲とは、将来、働く場所と仕事がどこまで変わりうるかの範囲です。この2つの範囲は、2024年4月から、会社が労働条件として明示しなければならない事項になったので、書面に載っているかを見ます*3*4。
厚生労働省は、面接などで明らかでない労働条件がないか確認することが大切と案内しています*4。書面に載っていない項目があれば、その項目を挙げて会社に問い合わせます。問い合わせの文面は、次のようになります。
「〇〇株式会社 採用ご担当者様。いただいた書面に、就業場所の変更の範囲が載っておりませんでした。面談でも話に出なかった項目のため、ご記載の有無をご教示ください。お手数ですが、入社の返事の前にご回答をお願いいたします。」
録音と書面が食い違っていたときは、入社の返事をする前に、違う項目を会社に伝えて書面を直してもらいます。書面の食い違いは、入社前に見つけるほうが、入社後に気づくより手間が少ないです。食い違う項目が複数あるときは、項目ごとに、面談で聞いた内容と書面の内容を並べて1通のメールに書きます。
あわせて読みたい | オファー面談で年収交渉はできる?確認すべき条件と進め方
6. よくある質問
Q1. オファー面談を録音するときは何をしますか
A. 面談が始まったらすぐ、相手に録音の了承を求めます。断られたら、聞いた内容をメモで残します。
Q2. 録音があれば書面は要りませんか
A. 書面は録音とは別に頼みます。書面での確認は、労働契約法第4条に沿った頼み方です*1。
Q3. 書面はメールでもよいですか
A. 本人が希望したときは、電子メール等でも受け取れます*3。メールでよいときは、こちらからその旨を伝えます。
Q4. 面談で聞いた条件と書面が違っていたらどうしますか
A. 入社を決める前に、違う項目を会社へ連絡し、直した書面を頼みます。録音は、面談で話された内容を相手へ伝えるときに使います。
Q5. オファー面談は法令の用語ですか
A. 法令の用語ではありません。会社が労働条件を示す手続きは、労働基準法の明示のルールが根拠です*2。
Q6. 書面に載っていない項目があったらどうしますか
A. 会社へメールで、その項目を挙げて尋ねます。2024年4月以降は、働く場所と仕事の変更の範囲も、書面で示される項目です*3*4。
Q7. オファー面談の録音を面談の前にメールで頼むときはどう書きますか
A. 面談の日程を決めるメールの末尾に、録音してよいかを尋ねる一文を書きます。メールで返事をもらえば、了承の記録が文章でも手元に残ります。
Q8. 労働条件通知書はどんな書面ですか
A. 会社が労働者に労働条件を明示するための書面で、交付が原則です*2*3。
7. まとめ:録音は了承を取り条件は書面で受け取る
この記事のまとめ
- オファー面談の録音は、相手の了承を得てから始めます。
- 条件は、面談のあとにメールか労働条件通知書で受け取ります*1*3。
- 書面を頼むメールは、一文で書けます。
- 書面は録音と見比べ、食い違う項目は入社の返事をする前に会社へ伝えます。
面談のあとは、書面が届いたら録音とメモを聞き返して見比べ、食い違う項目だけを会社へ伝えて直してもらいます。
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出典・参考情報
*1 労働契約法 第4条(e-Gov法令検索)
*2 労働基準法(e-Gov法令検索)
*3 労働基準法施行規則 第5条(e-Gov法令検索)
*4 企業から受ける労働条件明示のルールが変わります(厚生労働省 求職者向けリーフレット)
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