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職務経歴書のAIスキルの書き方|使ったツールと業務の例

午後の机で、罫線と枠だけの職務経歴書の用紙と暗いノートパソコンに置いた手

職務経歴書のAIスキルは、ツールの名前だけで終わらせず、どの業務に使い、出力をどう確認し、何が変わったかまで書きます。ここでいうAIは、文章やコードを作る生成AIで、書くのは業務で使った経験です。ITエンジニアなら、コードレビューの補助やテストデータの作成が、書ける業務の例です。

デジタルスキル標準は、生成AIの出力を客観的な事実を確認したうえで使うことと、入力する情報を適切に選ぶことを求めています*1。この2点は、確認した方法と入力した情報の書き方にそのまま使えます。書き方に公的な見本は無いので、例文は筆者の例です。

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この記事のポイント

  • ツール名より先に、使った業務と使い方を書きます。職務内容欄には使用機器や技術を付記できるので、ツール名は本人の判断でそこに添えます*4。
  • 生成AIの出力は、客観的な事実を確認したうえで使うことが行動例として示されています*1。職務経歴書には、出力をどう確認したかを書きます。
  • 入力した情報の選び方も、書く項目の1つです*1。社内の情報や顧客名は書かず、成果は可能なら数値で書きます*4。

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

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1. AIスキルは使った業務と確認した方法で示す

職務経歴書のAIスキルは、使ったツールの名前ではなく、使った業務・使い方・確認した方法・成果の4つで書きます。職務内容欄(仕事の内容を書く欄)には、仕事の具体的な内容と責任の範囲を書き、使用機器や技術を付記できます*4。デジタルスキル標準は、生成AIが出力した内容の事実を確認して使うことと、入力した情報がどう使われるかを理解して情報を選ぶことを挙げています*1。この2つが、書く項目の根拠です。

日本企業で何らかの業務に生成AIを使っているのは86.4%です(「わからない」と答えた企業を除いた割合)*2。使っている業務は、議事録・メール作成補助が約7割で最も多くなっています*2。使うこと自体は珍しくなくなったので、職務経歴書では、使ったかどうかよりも、どの業務にどう使ったかが書く中身になります。

ITエンジニアの職務経歴書のAIスキルでは、共通スキルリストの項目が使えます。デジタルスキル標準の共通スキルリストには、ソフトウェアエンジニア向けに「生成AI活用」と「コーディング支援」があります*1。コーディング支援は、コードの作成をAIに手伝わせる使い方を指す語です。応募先の求人票に同じ語があるときは、そろえて書けます。

ツールの名前を書くかどうかは、本人が決めます。生成AIの経験が選考でどう評価されるかは、断定できません。応募先が使っているツールが分からないときは、ツール名を書かず、使い方の説明だけにしても、書く項目は成り立ちます。

2. AIの経験を職務経歴書に載せる4つの手順

使った業務を選び、使い方・確認した方法・成果を順に書くと、AIの経験が1つの実績になる 1 使った業務を選ぶ 担当した業務を2〜3つに絞る 2 使い方を書く どの作業に何を渡したか 3 確認した方法を書く 出力の事実をどう確認したか 4 成果を書く 数値で書けるものは数値で 業務・使い方・確認・成果の4つを順に書けば、AIの経験が1つの実績になる

1つ目は、使った業務を選ぶことです。職務内容欄に書くのは、担当した仕事の具体的な内容です*4。AIを使った作業を全部並べず、コードレビューの補助、テストデータの作成、議事録の要約のように、何をした業務かが読んで分かるものを2〜3つに絞ります。

2つ目は、使い方を書くことです。どの作業に、どんな情報を渡して、何を出力させたかを、1〜2文で書きます。筆者の例では、「プルリクエストのコードレビューで、変更箇所の差分を生成AIに読ませ、指摘の候補を出力。採否は自分で判断」となります。

3つ目は、確認した方法を書くことです。生成AIの出力は事実を確認してから使うことが、行動例に挙げられています*1。コードなら実行とテスト、要約なら元の資料との照合というように、出力の種類ごとに確認の仕方が違うので、自分が行った方法をそのまま書きます。

4つ目は、成果を書くことです。実績は、可能なら成果を数値で書きます*4。「レビューにかかる時間」や「テストデータの作成にかかる時間」は、使う前と使った後で比べた値が成果の数値です。測っていないときは、数値を作らず、「議事録の作成を自分の作業から外せた」のように、実際に起きたことだけを書きます。

4つを並べると、職務内容欄の1つの業務が、次のように読めます。「テスト工程で、テストデータの作成にコーディング支援のAIを使用。作成したデータは仕様書の項目定義と照合し、不足項目は手で追加。作成にかかる時間を〇時間から〇時間へ短縮」。〇には、自分で測った実際の値を入れます。

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3. 職務内容欄に書く6つの項目と例文

職務内容欄に書く項目を、6つに分けて並べます。表の例文は筆者の例で、ITエンジニア向けです。

実際の職務経歴書では、6つすべてを毎回書く必要はありません。字数が限られるときは、使った業務・確認した方法・成果の3つを残します。

AIを使った経験を職務経歴書に書く6つの項目と、書く内容・例文・根拠を並べた表

項目書く内容例文(筆者の例)根拠
使った業務担当した業務の名前プルリクエストのコードレビュー職務内容欄は仕事の具体的な内容を書く*4
使ったツールツールの名前か種類と、用途生成AIのチャットツールで、差分の指摘候補を出力使用機器・技術は付記できる*4
入力した情報渡した情報の種類と、渡さなかった情報関数単位のコードのみを入力。社内の仕様書と顧客名は入力しない入力した情報がどう使われるかを理解して入力する*1
確認した方法出力をどう確認して使ったか指摘の候補を、実際にコードを実行して再現してから採否を判断出力は客観的な事実を確認して使う*1
直した点出力のうち、自分で直した部分テストデータの不足項目を手で追加期待しない結果が出力されることに注意する*1
成果数値で書けるものは数値でレビュー1件にかかる時間を〇分から〇分へ短縮実績は可能なら成果を数値で書く*4

表の例文は、コードレビューとテストデータの作成の2つの業務を混ぜて作っています。実際には、業務ごとに1〜3行にまとめ、行の頭に業務名を置きます。業務名が先にあると、読み手は何の仕事の話かを先に知ったうえで、使い方を読めます。

議事録の要約は、日本企業の生成AIの用途で約7割と最も多い「議事録・メール作成補助」に当たる業務です*2。ITエンジニアの職務経歴書でも、「定例会議の議事録の要約を生成AIで作成し、決定事項と担当者を自分で見直してから共有」のように書けます。見直した点を書くと、出力をそのまま使っていないことが伝わります。

職務経歴書の「活かせる能力」欄(身につけた技術や知識を書く欄)の見出し例には、スキル、得意な技術、扱える言語、活かせる技術などがあります*4。この欄に生成AIを書くときは、「生成AI活用」「コーディング支援」のように使った業務が思い浮かぶ語を選び*1、業務の詳しい内容は職務内容欄に書きます。「活かせる能力」欄の語と職務内容欄の業務が食い違わないことも、書くときの条件です。

4. 入力した情報は種類で述べ社内の情報と顧客名は外す

デジタルスキル標準は、生成AIなどへの入力情報がどのように利用されるかを理解し、渡す情報を適切に選ぶことが求められるとしています*1。職務経歴書では、この点を「入力した情報」の項目として書けます。「関数単位のコードのみを入力」「社内の仕様書と顧客名は入力しない」のように、渡したものと渡さなかったものを分けて書きます。

職務経歴書そのものにも、社内の情報や顧客名は書きません。「社内の基幹システム」「小売業向けの在庫管理システム」のように、会社や顧客が特定されない書き方にします。AIに入力した内容も同じで、書くのは情報の種類までで、中身は書きません。

社内の情報の扱いは会社ごとの規程で決まっているので、書く前に前職の規程を見ておきます。AIの利用や、利用した経験を外に書くことについて規程に指定があれば、それに従います。指定が見つからないときの問い合わせ先は、前職の上司や人事部門です。

生成AIの利用では、期待しない結果が出力されること、著作権などの権利侵害、情報漏洩、倫理的な問題に注意することも、デジタルスキル標準に挙げられています*1。職務経歴書には、これらへの対応を、「確認した方法」と「入力した情報」の項目に分けて書けます。出力が期待と違った経験は、「直した点」として書くと、確認を実際に行ったことが伝わります。

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5. 個人の判断で使った経験は使った場面を添える

朝のオフィスで、暗い2台のモニターの前でマグカップを手に取る人の後ろ姿

情報処理推進機構の調査では、生成AIを導入している企業は2025年度に44.0%で、2024年度の22.6%から増えています*3。組織での利用は、「個人で業務利用している」が63.3%で、「部署の業務プロセスに組み込まれている」は11.9%です*3。そのため、部署の仕組みになっていなくても、自分の判断で業務に使った経験を、自分の担当業務として書きます。

個人で使った経験を書くときは、誰が決めて使ったかを書き分けます。「チームで導入したツールの運用を担当」と、「自分の担当業務で個人の判断で使用」とでは、読み手が思い浮かべる仕事は別です。チームで導入していないものを、チームの取り組みのように書くと、面接で聞かれたときに話が合わなくなります。

AIを使わなかった業務は、AIの項目を作らず、これまでどおりの書き方です。使っていない業務にAIの記述を足すと、実際に使った業務との違いが、読み手から見えなくなります。AIを使った業務が2〜3つ書かれていれば、AIの経験は伝わります。

職務経歴書に書いたAIの使い方は、面接でも聞かれる場合があるので、使った場面・入力した情報・確認した方法の順に、口頭でも話せるようにしておきます。成果の数値は、測った方法を説明できるものだけを書きます。生成AIについての考えを聞かれたときの答え方は、関連記事の例文が参考です。

書いた内容と、実際にやったことが食い違わないようにします。ツールの名前を書くなら、そのツールを使った作業も話せることが条件です。ツール名と使い方は、応募する時点で自分が説明できる内容だけを書き、説明できない使い方は書かずに、ほかの業務で経験を伝えます。

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6. よくある質問

Q1. 職務経歴書にAIスキルと書いてよいですか

A. 書けます。職務内容欄は、仕事の内容と責任の範囲を書く欄で、使用機器や技術を付記できます*4。生成AIの経験は公的な見本が無いため、4つの項目(業務・使い方・確認・成果)に分けて書きます。

Q2. ツールの名前は書いたほうがよいですか

A. 書くかどうかは本人が決めます。書かないときは、「生成AIのチャットツール」のようにツールの種類だけを書けば、使い方の説明は成り立ちます。ツール名を書いたときの選考での評価は、断定できません。

Q3. 成果を数値で書けないときはどう書きますか

A. 実績は、可能なら成果を数値で書きます*4。測っていないときは、数値を作らず、「テストデータの作成を、手作業から生成AIの出力の修正に変更」のように、実際に起きたことを書きます。

Q4. 前職の社内資料や顧客名を書いてもよいですか

A. 書きません。入力した情報は、「関数単位のコードのみ」のように種類で書きます*1。顧客は、「小売業向け」のように業種で書きます。

Q5. 自分だけで使っていた場合も書けますか

A. 書けます。組織での利用は「個人で業務利用している」が63.3%と中心です*3。「自分の担当業務で個人の判断で使用」と、誰が決めて使ったかを添えて書きます。

Q6. AIの出力が間違っていた経験は書いてもよいですか

A. 書けます。生成AIは期待しない結果を出力することがあるので、注意が必要です*1。「生成AIが出力したコードを実行して不具合に気づき、ドキュメントを読んで直した」のように、確認した方法と直した点の例になります。

7. まとめ:業務・確認した方法・成果の3つで伝える

AIの経験の書き方

  • 書く単位:ツール名ではなく、使った業務・使い方・確認した方法・成果の4つ*4
  • 確認した方法:生成AIの出力は、客観的な事実を確認したうえで使う*1
  • 入力した情報:種類で書き、社内の情報と顧客名は書かない*1
  • 成果:可能なら数値で書き、測っていなければ数値を作らない*4
  • ツール名:書くかどうかは本人が決める

職務経歴書のAIスキルは、職務内容欄の業務ごとに、使った業務から成果までを1〜3行で書き、応募先の求人に合わせて前に出す業務を選びます。

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出典・参考情報

*1 デジタルスキル標準 ver.2.0(情報処理推進機構・経済産業省・2026年4月)
*2 令和8年版 情報通信白書 生成AIの業務利用状況(総務省)
*3 DX動向2026(情報処理推進機構)
*4 職務経歴書の作り方(厚生労働省・ハローワーク)

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