スタートアップへの転職で不安なこと|確かめる順番

エンジニアがスタートアップへの転職を考えるとき、頭に浮かぶ不安は一つではありません。ただ、不安の中身をよく見ると、事前に調べれば分かることと、入社するまで分からないことが混ざっています。ここでは、その二つを分けて、調べられる側から確かめる手順を示します。
スタートアップへの転職で不安を減らす分かれ目は、調べれば分かることを先に確かめきるかどうかです。分かることを確かめてから、分からないことに向き合います。
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この記事のポイント
- スタートアップへの転職の不安は、調べれば分かることと入社まで分からないことに分けられます
- 調べられる側は、求人票→面接→書面の順に確かめると、分かることを取りこぼしません
- 入社まで分からないことは残りますが、確かめられる範囲を先に埋めておくと判断の材料が増えます
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スタートアップへの転職で確かめておきたい求人は、リモートワーク対応の求人のなかにもあります。
1. スタートアップへの転職の不安を、二つに分けます
スタートアップへの転職に感じる不安は、事前に調べれば分かることと、入社するまで分からないことに分けられます。調べられる側から順に確かめていくと、残る不安の範囲を絞り込めます。
スタートアップへの転職を考えるとき、不安の中身は一人ひとり違います。給与や評価の仕組みに関する不安もあれば、任される仕事の範囲や、働き方に関する不安もあります。
転職そのものは、珍しい選択ではありません。転職入職率は9.7%です*1。この数字はスタートアップへの転職に絞った動向を示すものではなく、転職という行動全体の規模を示す背景情報として見ておきます。
二種類の不安を分けずに抱えていると、確かめられるはずのことまで、確かめようのないこととして扱ってしまう場合があります。給与や業務範囲は求人票や面接で確認できる項目ですが、漠然とした不安のまま放置すると、確認する機会を後回しにしがちです。
不安を漠然と抱えたままにせず、調べれば分かることと、入社するまで分からないことに分けると、何から確かめればよいかが見えてきます。次の項では、よく挙がる不安をこの二つに仕分けます。
2. 不安の中身を、確かめられるかどうかで仕分けます
スタートアップへの転職でよく挙がる不安を、確かめられる時期で仕分けると次のようになります。
よく挙がる不安の仕分け
| よく挙がる不安 | 調べれば分かること | 入社まで分からないこと |
|---|---|---|
| 給与・評価の仕組み | 求人票や面接で示される等級・評価基準の説明 | 実際の評価が運用の中でどう反映されるか |
| 担当する仕事の範囲 | 募集要項に書かれている職務内容や必要スキル | 配属後に任される仕事の広がり方 |
| 働き方や勤務体制 | 求人票の勤務地表記やリモート可否 | 実際の業務量や繁閑の波 |
| 一緒に働く人や社風 | 面接で受ける印象や採用ページの情報 | 配属されるチームの雰囲気 |
表の右側2列を見比べると、同じ不安でも、確かめる方法が違うことが分かります。「調べれば分かること」は、応募する前や面接の場で確認できる情報です。
求人票に書かれていない項目があった場合は、その場であきらめず、確認すべき点として控えておきます。募集要項に載っていない情報の多くは、面接で質問すれば確認できる範囲に含まれます。
表の左列に挙げた4つの不安は、いずれも珍しいものではなく、業種を問わず転職の場面で挙がりやすい項目です。スタートアップに限った不安ではない点も、確かめるときの前提として押さえておきます。
一方の「入社まで分からないこと」は、求人票や面接だけでは埋まらない範囲です。ここを無理に予測しようとするより、確かめられる範囲を先に埋めておくほうが、判断の材料としては確実です。
4項目とも、確かめる方法が違うだけで、確かめること自体をあきらめる必要はありません。次の項では、この仕分けを、確かめやすさと入社後の影響の大きさという2軸で位置づけ直します。
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3. 確かめやすさと影響の大きさで位置づけます
前の表で仕分けた不安を、確かめやすさと入社後の影響の大きさという2軸で位置づけます。表では「調べれば分かる」「入社まで分からない」の二分類でしたが、実際にはどちらの不安も、生活への影響の大きさは項目ごとに異なります。
2軸で位置づけると、優先して確かめるべきは右上の象限です。確かめられるにもかかわらず確認を怠ると、入社後に影響の大きい点を見落とすことになります。
左上の象限は、確かめにくいうえに影響も大きい観点です。ここは求人票や面接だけでは埋まらない範囲として、入社後に確かめていくことになります。
右下・左下の象限は、影響が比較的限られる観点です。優先順位としては後回しにしても、大きな見落としにはつながりにくい範囲です。
4つの象限を並べて見ると、確認にかけられる時間が限られているときの優先順位も立てやすくなります。右上から確認し、左上は入社後の確認事項として控えておく、という進め方です。
4. 求人票と面接で確かめられる範囲を示します
求人票に書かれている情報は、募集要項・給与レンジ・勤務地といった項目に限られます。これらは応募する前に、誰でも確認できる情報です。
面接では、求人票に書かれていない点を質問できます。担当する業務の範囲や、評価がどのように行われるかは、面接で確認しておきたい点です。
質問の仕方によって、得られる答えの具体性は変わります。「評価はどのように行われますか」という聞き方よりも、「評価の頻度と、誰が評価するのかを教えてください」というように、確認したい項目を具体的に区切って聞くほうが、答えを比べやすくなります。
確認するタイミングも一度に限られません。最初の面接で聞ききれなかった点は、次の面接や、内定後の面談で改めて確認する機会があります。一度で全てを確認しきる必要はありません。聞きそびれた点があれば、次の場で聞き直せばよいだけのことです。
ただし、求人票と面接で確かめられる範囲にも限界があります。配属後のチームの雰囲気や、実際の業務量の波は、入社してみないと分からない部分として残ります。
求人票と面接で確かめられる範囲を先に把握しておくと、入社後に確かめるべきことも絞り込みやすくなります。次の項では、この範囲を確かめる順番として並べ直します。
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5. 確かめる順番を並べます
ここまでの内容を、確かめる順番として並べ直します。
4段階は、この順に進めるほど、確かめられることを取りこぼしにくくなります。順番を飛ばして書面だけを見ようとすると、面接で聞くべきだった点を確認しないまま進むことになります。
書面での確認は、内定後に提示される条件が、面接で聞いた内容と食い違っていないかを見る段階です。食い違いがあれば、入社前に確認する余地が残っています。
食い違いに気づいた場合は、その場で確認を求めることができます。書面は口頭でのやり取りより後に残るものなので、条件を確かめる最後の機会として扱っておきます。曖昧な表現のまま署名するより、先に確認したほうが、後で見立てがずれにくくなります。
4段階を終えても、入社後に確かめることは残ります。これは順番を間違えたからではなく、求人票や面接では埋まらない範囲がもともと存在するためです。
6. 求人票で確認する3点を挙げます
求人票の段階で確認しておきたい点を3つに絞ります。
求人票で確認する3点
- 給与の等級:提示されている給与が、どの等級に基づくのかを確認します
- 業務の範囲:募集要項に書かれている担当業務の広さを確認します
- 評価の頻度:評価が行われる頻度と、その基準の明記があるかを確認します
3点はいずれも、求人票の中で確認できる内容です。面接に進む前に目を通しておくと、質問すべき点も整理しやすくなります。
給与の等級は、提示された金額だけでなく、どの等級に位置づけられているかまで見ておくと、昇給の見通しを考える材料になります。
業務の範囲は、求人によって具体性に差があります。担当領域が曖昧に書かれている場合は、面接で確認する対象になります。
評価の頻度は、求人票に明記されているとは限らない項目です。書かれていない場合は、面接で確認すべき点として残しておきます。半年ごとなのか年に一度なのかによって、給与の変化を実感するまでの期間も変わります。
複数の求人票を並べて見るときは、3点をそれぞれメモに残しておくと比較しやすくなります。求人ごとに書かれている粒度が違うため、印象だけで比べると見落としが出やすくなります。
求人票の書き方は、企業ごとに詳しさが異なります。詳しく書かれていない求人票を、内容が薄いと決めつける前に、まず面接で確認できる項目として控えておく進め方もあります。書かれていないことと、確認できないことは、必ずしも同じではありません。
3点を確認したうえで面接に進むと、面接で聞く内容を絞り込みやすくなります。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. スタートアップへの転職では、給与が下がることが多いですか。
A. 求人によって差があります。給与の水準は等級や評価の仕組みによって変わるため、提示された金額だけでなく、どの等級に基づくかを確認することが判断の材料になります。ストックオプションなど現金以外の報酬が含まれる場合は、条件が書面でどう明記されているかも確認する対象になります。
Q2. 入社前に、事業の将来性を確認する方法はありますか。
A. 求人票や面接で確認できるのは、募集要項や評価の仕組みなど、企業が開示している情報の範囲に限られます。事業の見通しそのものは、求人票や面接から確かめられる情報ではありません。確かめられる範囲と、確かめられない範囲を分けて考えることが、判断のずれを防ぐことにつながります。
Q3. 配属後の業務量や忙しさは、面接で聞いてもよいのですか。
A. 質問して問題ありません。ただし、面接で聞いた内容が、そのまま入社後の実態と一致するとは限らないため、参考情報の一つとして受け止めておくと判断がぶれにくくなります。書面の内容と食い違う説明を受けた場合は、その場で改めて確認しておくと、後から見立てがずれにくくなります。
Q4. 求人票に書かれていない点は、誰に確認すればよいですか。
A. 面接の場で採用担当者に確認するのが基本です。内定後に提示される書面でも、口頭の説明と食い違いがないかをあわせて確認できます。確認できた点とまだ確認できていない点をメモに分けておくと、次にどの段階で何を聞くべきかが整理しやすくなります。
8. まとめ:不安の中身を確かめる進め方を整理します
この記事の要点
- スタートアップへの転職の不安は、調べれば分かることと入社まで分からないことに分けられます
- 転職入職率は9.7%です*1。転職そのものは珍しい行動ではありません
- 確かめやすさと入社後の影響の大きさの2軸で見ると、優先して確認すべき項目が見えてきます
- 確かめる順番は、求人票→面接→書面→入社後の4段階です
- 求人票の段階では、給与の等級・業務の範囲・評価の頻度の3点を確認しておきます
スタートアップへの転職に感じる不安は、すべてを一度に解消できるものではありません。ただ、調べれば分かることから順に確かめていけば、入社後に残る不安の範囲を絞り込むことができます。確かめた内容と、まだ確かめられていない内容を分けて記録しておくと、応募先を比べるときの基準としても使えます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 厚生労働省 雇用動向調査
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