実家の近くで働くなら|距離の条件を先に決める

エンジニアの転職で「実家の近く」を条件にすると、住所そのものより、通える距離をどう線引きするかで迷う人が多くいます。毎日通えるか、週に数回でよいか、必要なときに動ければよいかによって、探すべき求人の条件が変わります。まず距離の線引きを決めてから、求人票の勤務地表記を読み進める手順を整理します。
「実家の近くで働く」という条件は、通える距離をどう線引きするかという一点に集約されます。求人票の言葉から、その距離を読み取る目を持てば選び方が変わります。
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この記事のポイント
- 「実家の近く」は住所ではなく、毎日/週に数回/必要なときの3通りの通える距離で決まります
- 転職入職者のうち、賃金が増加した人は40.5%、減少した人は29.4%、変わらない人は28.4%です*1。地域とは切り離した分布として押さえます
- 求人票の勤務地表記から読み取れることと、面接で確かめることを分けて整理します
1. 実家の近くという条件は、まず通える距離の線引きで決まります
「実家の近くで働く」という条件は、住所の近さではなく、通える距離をどう線引きするかで決まります。毎日通えるか、週に数回か、必要なときに動ければよいかによって、探す求人の範囲が変わります。まず自分の線引きを言葉にしてから、求人票を読み進めます。
「実家の近くで働きたい」という希望は、そのままでは求人を絞り込む条件になりません。同じ「近く」でも、人によって指している距離感が大きく異なるためです。
毎日通える距離を求める人と、月に数回行き来できればよい人とでは、確かめるべき求人の内容がまったく変わります。前者は通勤時間そのものが条件になり、後者は休暇の取りやすさや連絡の取りやすさが条件になります。
線引きは、最初から1つの数値に決め切る必要はありません。片道1時間までを第一候補、1時間半までを次点というように、幅を持たせておくと、求人が少ない段階でも探し続けやすくなります。
この章より先では、通える距離の線引きを3つの型に分け、それぞれで求人票のどこを読むかを整理していきます。
2. 条件によって、確かめる求人の範囲が変わります
「実家の近く」という言葉のまま求人を探すと、確かめるべき点がぼやけます。まず自分がどの条件に近いかを決めます。
3つの型のうち、どれが自分に近いかは、実家までの実際の移動時間を測ってみないと定まらないことがあります。地図上の距離と、電車やバスを乗り継いだ実際の所要時間は一致しない場合があります。
毎日通える距離を求める場合、勤務地の記載がある求人に絞って探すことになります。一方で必要なときに動ければよい場合は、勤務地よりも休暇制度や連絡手段を優先して確かめる探し方になります。
週に数回、行き来できればよい型は、出社の頻度と移動時間の両方を照らし合わせる分だけ、確かめる項目が多くなります。求人票の出社頻度の記載が曖昧なときは、面接で具体的な回数を尋ねる必要が出てきます。
どの型に当てはまるかによって、求人票のどの欄を先に読むか、面接で何を質問するかという、この先の進め方そのものが変わります。
3. 距離の線引きを先に決めると、求人票の読み解き方が定まります
通える距離の線引きを決めないまま求人票を眺めると、勤務地の記載がある求人もない求人も、同じように候補に見えてしまいます。条件があいまいなままでは、比較のしようがありません。
線引きを先に決めておくと、同じ求人票でも読み取れる意味が変わります。たとえば「リモート可」という表記は、必要なときだけ動ければよい人にとっては十分な条件になりますが、毎日通いたい人にとっては判断材料が不足したままの表記になります。
つまり求人票の言葉そのものに優劣があるのではなく、自分の線引きに照らして初めて、その言葉が条件に合うかどうかが決まります。同じ表記を見て、ある人は候補に残し、別の人は外すという判断が起きるのは、このためです。
求人票を複数並べて見比べる段階になると、この違いはさらにはっきりします。線引きを決めずに眺めた一覧と、線引きを決めたうえで見る一覧とでは、残る候補の数も中身も変わってきます。
次の章では、求人票によく出る勤務地の表記を具体的に取り上げ、そこから読み取れることと、面接で確かめるべきことを分けて整理します。
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4. 求人票の勤務地表記は、読み取れることと確かめることに分けられます
求人票に出てくる勤務地の表記から、どこまで読み取れるかを整理します。表現が似ていても、企業ごとに指している中身が異なる場合があります。
ここで挙げる4つの表記は、どの地域の求人にも共通して出てきます。特定の勤務地に限った話ではなく、通える距離を条件にする探し方全般に当てはまります。
求人票の勤務地表記と、読み取れること・確かめること
| 求人票の勤務地の書き方 | 読み取れること | 確かめること |
|---|---|---|
| 本社勤務 | 通勤を前提とした働き方である可能性 | 本社の所在地と、そこまでの実際の移動時間 |
| リモート可(出社あり) | 出社の頻度に幅がある可能性 | 出社の頻度と、直前の連絡で足りるかどうか |
| 転勤なし | 勤務地が変わらない可能性 | 配属先が今後変わる余地があるかどうか |
| 拠点採用 | 特定の拠点に所属する働き方である可能性 | 拠点の異動や統廃合の予定があるかどうか |
同じ「本社勤務」という表記でも、本社が実家の近くにある企業とそうでない企業があります。表記だけで判断せず、所在地まで確認して初めて、通える距離に当てはまるかが分かります。
「リモート可(出社あり)」という表記は、出社が月に1回程度の場合もあれば、週の半分を占める場合もあり、表記だけでは幅が分かりません。出社の頻度を具体的に確認する必要があります。
「転勤なし」や「拠点採用」といった表記も、雇用形態によって扱いが異なる場合があります。契約社員として採用したうえで配属先を限定する求人もあるため、雇用形態そのものも合わせて確認しておくと、後から条件が変わる事態を避けやすくなります。
「拠点採用」という表記についても、拠点そのものが将来にわたって維持されるかどうかは、表記だけでは分かりません。組織の統廃合の予定まで確認しておくと、通える距離という条件が長く成り立つかどうかが見えてきます。
表の4行は、優劣をつけるためのものではありません。自分の通える距離に照らして、どの行を優先して確認するかは、これまでの状況によって変わります。
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5. 面接前に、自分の考えを言葉にしておきます
距離の条件だけでなく、伝え方も事前に整理しておくと、面接での受け答えに迷いにくくなります。3点はどれも、当日その場で考え始めると時間を使ってしまう項目です。
面接前に整理する3点
- 通える範囲:毎日/週数回/必要時のどれに当てはまるかを、自分の言葉で決めておきます
- 伝える範囲:勤務地の希望を伝えるか、通える距離だけを伝えるかの選択肢を決めておきます
- 確認する順番:求人票を先に読むか、面接で質問するかの順番を決めておきます
「実家の近くで働きたい」という希望を、どこまで詳しく伝えるかは、決まった正解があるわけではありません。距離の条件だけを伝える人もいれば、状況まで含めて伝える人もいます。
どちらを選ぶ場合でも、面接の場で初めて考えるのではなく、事前にどちらで臨むかを決めておくと、質問への答え方に迷いにくくなります。
求人票の勤務地表記を先に読み込んでから面接に臨む進め方と、気になる点をまとめて面接で質問する進め方のどちらも成立します。求人ごとに情報の量が異なるため、状況に応じて使い分ける形になります。
3点を箇条書きにして手元に残しておくと、面接の当日にその場で言葉を組み立てる負担が減ります。話す内容を暗記する必要はなく、確認したい順番さえ決まっていれば十分です。
面接が複数回に分かれる場合は、最初の回で通える範囲を伝え、条件が具体的になった回で細かい確認をするというように、聞く内容を分けても構いません。
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6. 距離の見極めは、記録・言語化・選定の3段で進みます
3段は、下から積み上げる関係にあります。実家までの実際の移動時間を測らないまま、距離の希望だけを言葉にしても、その希望が現実に見合っているかどうかは分かりません。
移動時間を測ったうえで、毎日/週数回/必要時のどれに当てはまるかを言葉にすると、次に求人票のどこを見るべきかが定まります。
頂点にある求人の見極めは、土台と中段が固まって初めて機能します。距離の記録も言語化もないまま求人票を読むと、表記の意味を都合よく解釈してしまうことがあります。
求人を探す期間が数か月に及ぶ場合は、土台の記録を一度きりで終わらせず、途中で測り直す余地を残しておくと、状況が変わったときにも線引きを更新しやすくなります。
土台を先に固めておくと、求人が増えても、上の段の判断がぶれにくくなります。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 実家の近くで働きたいという希望を、面接で伝えてもよいですか。
A. 伝えても問題ありません。理由まで詳しく話すか、希望条件として伝えるだけにとどめるかは、面接前に自分の中で決めておくと、当日の受け答えに迷いにくくなります。どちらを選んでも、通える距離という条件そのものは変わりません。
Q2. 実家の近くに住む事情に応じて、勤務地や働き方を調整してもらえますか。
A. 調整の可否は勤務先の制度や自治体の支援内容によって異なります。個別の事情については、自治体の窓口と勤務先の人事に確認します。
Q3. 「リモート可」と書かれた求人なら、実家の近くに住み続けられますか。
A. 出社の頻度によって変わるため、表記だけでは判断できません。出社の頻度と、直前の連絡で足りるかどうかを確認すると、実態に近づけます。頻度が定まっていない求人では、入社後に変わる余地があるかも合わせて尋ねておくと、判断材料が増えます。
Q4. 通える距離が決まっていない段階で、求人を探し始めてもよいですか。
A. 探し始めても問題ありませんが、線引きが曖昧なまま比較すると、条件に合わない求人まで候補に残りやすくなります。まず自分の線引きを決めてから探すと、比較がしやすくなります。線引きは探しながら見直しても構いません。
8. まとめ:実家の近くという条件は、距離の線引きから決めます
この記事の要点
- 「実家の近く」は住所ではなく、毎日/週数回/必要時のどれに当てはまるかで決まります
- 求人票の勤務地表記は、読み取れることと確かめることを分けて読みます
- 面接前に、通える範囲・伝える範囲・確認する順番の3点を言葉にしておきます
- 距離の見極めは、移動時間の記録・言語化・求人の見極めという3段で進みます
- 実家の近くに住む事情に応じた調整の可否は、自治体の窓口と勤務先の人事に確認します
「実家の近く」という条件は、あいまいなまま抱えると求人選びが進みません。通える距離を先に線引きし、求人票の表記を読み取ったうえで、調整が必要な事柄は自治体の窓口と勤務先の人事に振り分けます。順番を決めておけば、条件に合う求人を見落とさずに探せます。線引きは一度で終わりではなく、状況に応じて見直してよいものです。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 厚生労働省 雇用動向調査
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