入社日の決め方|引き継ぎと選考のあいだ

入社日は、選考の終盤に応募先から具体的に尋ねられる項目です。実際にいつ動けるかを決めるのは自分の側であり、引き継ぎの状況・有給休暇の扱い・応募先の都合という3つをどう並べて整理しておくかによって、選考の途中で判断が揺れるかどうかが大きく変わってきます。整理しておくかどうかが、後から効いてきます。
入社日を決めるうえで欠かせないのは、動ける時期を自分の側で先に決めておくことという視点です。
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この記事のポイント
- 入社日は、内定が出てから考えるのではなく、選考の初期に自分の中で動ける時期を決めておくと、その後の調整で迷いにくくなります
- 引き継ぎの状況・有給休暇の扱い・応募先の都合という3つを並べて整理しておくと、伝えるタイミングを判断しやすくなります
- テレワークを導入している企業は47.3%です*1。制度や運用は勤務先によって異なります
1. 入社日は、自分が動ける時期を先に決めておきます
入社日を決めるうえで軸になるのは、応募先の希望よりも先に、自分がいつなら動けるかを自分の中で決めておくことです。引き継ぎの状況・有給休暇の扱い・応募先の都合という3つを並べて整理しておくと、選考の途中で判断が揺れにくくなります。
2. 引き継ぎの状況によって、伝える内容が変わります
現職の引き継ぎがどこまで進んでいるかは、応募先に何をどう伝えるかを左右します。今の自分がどの状況に近いかを、先に確かめておきます。伝える相手が変わっても、状況を正直に共有するという進め方そのものは変わりません。
3つの状況は、優劣をつけるためのものではありません。今の自分がどこに当てはまるかを先に把握しておくと、応募先に伝える内容の組み立て方が定まります。
後任が未定の場合であっても、伝えないまま選考を進める必要はありません。状況をそのまま伝え、見通しが立った時点であらためて相談する進め方であれば、応募先との調整は続けられます。
状況は選考が進むにつれて変わることもあります。ある時点では後任が未定でも、選考が進む間に引き継ぎ先が決まる場合もあるため、その時々の状況を都度伝え直す姿勢のほうが、応募先との認識のずれを防ぎやすくなります。
3. 選考の早い段階で伝えておくと、後から迷いにくくなります
入社日について、選考の初期段階で「いつなら動けるか」を自分の中で決めておくと、その後の日程調整で気持ちが揺れにくくなります。決めないまま選考を進めると、内定が出た段階になって初めて時期を考えることになり、判断が遅れがちになります。判断が遅れれば、応募先への返答も後手に回りやすくなります。
自分の中で時期を決めておくためには、現職での引き継ぎの状況を先に確認しておく必要があります。担当している業務の範囲や、引き継ぎ先が決まっているかどうかによって、動ける時期の見通しは変わります。この見通しが立たないまま早めに動けると伝えると、後から現職側の事情で時期がずれ、応募先との調整が二度手間になることがあります。二度手間になれば、応募先に与える印象にも影響します。
有給休暇の扱いについても、自分の側で先に整理しておく事項の一つです。残っている日数をどう使うかは勤務先ごとに定めが異なるため、判断に迷う場合は就業規則を確認するか、人事に相談する形になります。ここを確認せずに入社日だけを先に決めてしまうと、退職の手続きと入社日の間で調整が必要になる場面が出てきます。手続きと入社日を切り離して考えると、後から両方を同時に調整することになりかねません。
応募先の都合も、時期を決めるうえでの要素の一つです。募集している部署の状況によって、応募先が希望する入社の時期は求人ごとに異なります。自分の側で動ける時期の候補を先に持っておくと、応募先の希望を聞いたときに、その場で対応できるかどうかを判断しやすくなります。候補を複数持っておけば、希望とずれた場合の相談もしやすくなります。
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4. 確かめることと相談先は、対応させて並べます
引き継ぎ・有給休暇・応募先の都合という3つは、確かめる項目ごとに相談する先と伝えるタイミングが異なります。項目を一つずつ切り分けておくと、何をどこに確認すればよいかで迷う場面が減ります。
下の表は、応募先に伝える前に整理しておく4つの項目をまとめたものです。
確かめること・相談する先・伝えるタイミング
| 確かめること | 相談する先 | 伝えるタイミング |
|---|---|---|
| 引き継ぎの範囲と担当 | 現職の上長 | 選考の初期段階 |
| 有給休暇の残日数と使い方 | 勤務先の人事 | 退職を伝える前後 |
| 応募先が希望する入社時期 | 応募先の採用担当 | 面接や内定の連絡時 |
| 就業規則に定められた手続き | 勤務先の人事 | 退職の意思を固めた時点 |
4つの項目は、どれか1つを確認すれば足りるというものではありません。引き継ぎと有給休暇は現職側、入社時期は応募先側というように、相談する先がそれぞれ異なります。
手続きに関わる部分は、勤務先の就業規則や人事への確認が起点になります。運用は勤務先ごとに異なるため、表の内容を目安としつつ、実際の手続きは自分の勤務先で確認してください。
表の4項目を見比べると、相談する先が現職側と応募先側とに分かれていることが分かります。同じ入社日という話題であっても、確認する窓口が違えば、伝える言葉の選び方も変わってきます。
伝えるタイミングを先に表で把握しておくと、複数の項目を同時に進める場合でも、どれから確認すべきかの優先順位がつけやすくなります。優先順位を決めずに動くと、確認すべきことが後回しになりがちです。
この表を作った後で状況が変わった場合も、確認し直す価値があります。とくに引き継ぎの範囲は選考が進む間に変わることがあるため、最新の状態を優先して応募先に伝えます。
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5. 伝え方は、状況ごとに言葉を変えます
引き継ぎ・有給休暇・応募先という3つの相手に対して、何をどう伝えるかを整理します。相手が変われば、伝える内容も変わります。同じ入社日の話であっても、相手ごとに必要な情報の粒度は異なります。
相手ごとの伝え方
- 現職への伝え方:引き継ぎの状況を踏まえ、動ける時期の見通しを早めに共有します
- 応募先への伝え方:選考の段階で、動ける時期の候補と調整の余地を伝えます
- 人事への伝え方:有給休暇の扱いを確認したうえで、退職と入社の間の期間を伝えます
3つの伝え方は、順番を決めずに同時に進めると、内容が混ざって伝わりにくくなります。まず現職の引き継ぎを整理し、そのうえで応募先と入社時期を調整する順番のほうが、話がまとまりやすくなります。
人事への確認は、退職の意思を固めた段階で行うことになりますが、有給休暇の扱いは勤務先ごとに定めが異なるため、早い段階で一度確認しておいても差し支えありません。
3つの伝え方に共通するのは、状況を先に整理してから言葉にするという順序です。整理する前に話し始めると、同じ内容を後から言い直す場面が増え、相手に与える印象も定まりにくくなります。
迷ったときは、まず現職への伝え方から言葉にしてみると、応募先や人事への伝え方も自然と整理しやすくなります。伝える順番を先に決めておくこと自体が、内容を整理する助けになります。
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6. 入社日は、棚卸し・線引き・伝え方の順に組み立てます
3つの要素を、土台から順に整理すると、応募先に伝える内容が固まりやすくなります。順番を飛ばして伝え方だけを先に決めようとすると、土台となる情報が足りず、話が具体性を欠きやすくなります。
担当の棚卸しから始めるのは、引き継ぎの範囲が見えないまま時期を決めると、後から見通しが崩れやすくなるためです。まず自分が抱えている業務を洗い出すことが、次の段階の土台になります。
時期の線引きは、棚卸しの結果をもとに、動ける時期の候補をいくつか自分の中で持っておく段階です。候補を持たないまま応募先の希望を聞くと、その場での判断が難しくなります。
伝え方は、相手が現職か応募先かによって内容が変わります。土台と中段を先に固めておけば、どちらの相手に対しても、迷わず言葉を選べるようになります。
3段階は、一度組み立てたら固定するものではありません。引き継ぎの状況が変われば棚卸しの内容も変わるため、選考が進む間は、必要に応じて土台から見直す姿勢が役立ちます。
3段階を書き出しておくと、選考が進む間に状況が変わっても、どの段階を見直せばよいかがすぐに分かります。段階を分けずに考えていると、変化が起きたときにどこから手を付ければよいか迷いやすくなります。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 入社日は、内定が出てから考えるものですか。
A. 内定後に決める場合もありますが、選考の途中で希望を伝えておくことも可能です。動ける時期の見通しを自分の中で先に持っておくと、内定後の調整をしやすくなります。伝えるタイミングに迷う場合は、面接のなかで応募先に相談しながら進める方法もあります。
Q2. 引き継ぎが終わっていない場合、選考は不利になりますか。
A. 一律には言えません。引き継ぎの状況を正直に伝えたうえで、応募先と調整を進めることになります。見通しが立たない場合は、その旨を伝え、決まり次第あらためて相談する形になれば、選考を止めずに進められます。
Q3. 有給休暇は、退職前にすべて使い切る必要がありますか。
A. 必要があるとは限りません。休暇の残日数の扱いは勤務先ごとに定めが異なるため、判断に迷う場合は就業規則を確認するか、人事に相談してください。退職の手続き自体も、勤務先の定めに沿って進めることになります。
Q4. 現職への申し出は、いつまでに済ませればよいですか。
A. 手続きに必要な期間は勤務先の規定によって異なります。判断に迷う場合は、就業規則を確認するか、人事に確認する形になります。手続きの流れが分からない場合は、早めに人事へ相談しておくと、見通しを立てやすくなります。
8. まとめ:入社日は、自分の側の判断から決まります
この記事の要点
- 入社日は、内定が出てから考えるのではなく、選考の初期に自分の中で動ける時期を決めておくと、その後の調整で迷いにくくなります
- 現職の引き継ぎは、担当が決まっている・担当が動いている・後任が未定の3つの状況によって、応募先への伝え方が変わります
- 有給休暇の扱いは勤務先ごとに定めが異なるため、就業規則の確認と人事への相談が判断の起点になります
- 応募先への伝え方は、担当の棚卸し・動ける時期の線引き・相手への伝え方という順で整理すると進めやすくなります
- 確かめること・相談する先・伝えるタイミングを先に整理しておけば、複数の項目を同時に進める場面でも、何を優先するかで迷いにくくなります
入社日は、応募先だけが決めるものではなく、自分の側が「いつなら動けるか」を先に決めておくことで、選考の途中で判断が揺れにくくなります。引き継ぎ・有給休暇の扱い・応募先の都合という3つを並べて整理する姿勢が、入社までの調整を落ち着いて進める備えになります。手続きの細部は勤務先ごとに異なるため、迷ったときは就業規則の確認と人事への相談を起点にしてください。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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