フルリモートで孤独になる?雑談の場とチームの決まり

フルリモートでも孤独を感じる人はいますが、手がかりは気軽に話せる相手の有無です。全国調査では、気軽に話せる相手がいない人の孤独感は「しばしばある・常にある」が25.0%、いる人は2.5%でした*1。入社前に、定例の頻度や雑談の場、相談先を聞けば見分けられます。
孤独感は、働き方にかかわらず感じる人がいます。全体では「しばしばある・常にある」が4.5%、「時々ある」が13.7%、「たまにある」が19.5%でした*1。ただし全体の値で、フルリモートの人だけを取り出した値ではありません。
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この記事のポイント
- テレワークでは周囲に上司や同僚がいない環境で働きます。厚生労働省のガイドラインは、事業者の措置の例に、定期的・日常的なオンラインミーティングの実施等を挙げています*2。
- 聞く内容は4つあり、答えに曜日や担当者の名前が出るかどうかで、仕組みがあるかが分かります。入社前に聞けば、入社後の様子を先に知れます。
- テレワークを導入しない企業が挙げる理由に、「社内のコミュニケーションに支障があるから」16.3%があります*3。これは導入しない企業の理由であり、テレワークのデメリットの割合ではありません。
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
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1. 孤独への備えは入社前に聞く4つの質問
フルリモートの孤独は、定例の頻度、雑談の場、相談先、オフラインで集まる機会の4つを入社前に聞くことで、備えられます。厚生労働省のガイドラインによると、テレワークでは周囲に上司や同僚がいないため、上司等とコミュニケーションを取りにくい場合が多いです*2。上司等が部下の心身の変調に気づきにくくなることも、同じガイドラインに挙がっています*2。事業者には、健康相談体制の整備やコミュニケーションの活性化のための措置が望ましく、定期的・日常的なオンラインミーティングの実施等が例に挙がっています*2。

このガイドラインは事業者に向けた文書です。求職者の側から見ると、同じ項目を入社先に聞くことができます。オンラインミーティングが定期的にあるか、健康の相談窓口があるかは、面接の逆質問で尋ねられます。
孤独感そのものについては、内閣府が令和7年に全国調査を実施しています*1。調査は孤独感の程度ごとの割合を、仕事の状態別にも集計しています。正規の職員・従業員で「しばしばある・常にある」は4.5%、非正規の職員・従業員は4.8%、失業中は11.0%です*1。正規と非正規の値はほぼ同じで、失業中だけが高くなっています。
入社前に聞く4つの質問は、どれも答えが具体的かどうかで職場の様子が分かる質問です。たとえば雑談の場なら、毎週決まった曜日と時刻に、話題を決めずに集まると答える会社があります。「必要があればチャットで」とだけ答える会社もあるため、前者は仕組みとして用意されており、後者は個人が声をかけるかどうかに左右されます。
2. 不安の種類ごとに聞く質問が変わる
孤独の不安は、入社後のどの場面で起こるかによって、聞く質問が変わります。誰とも話さない日が続く場面、困ったときに言い出せない場面、画面越しの関係しかない場面の3つに分けると、質問を選びやすくなります。
雑談の場は、仕事の話をしない時間を職場が用意しているかどうかを聞く質問です。厚生労働省のガイドラインでは、措置の例に、定期的・日常的なオンラインミーティングが挙がっています*2。面接では「チーム全員が集まる定例は、週に何回ありますか」「仕事以外の雑談をする場はありますか」と尋ねます。
相談先は、上司とは別に話せる窓口が職場にあるかを聞く質問です。ガイドラインは、上司等が心身の変調に気づきにくい状況に対して、健康相談体制の整備を挙げています*2。「業務の悩みを上司以外に話せる人はいますか」と聞くと、体制の有無が分かります。
オフラインで集まる機会は、画面の外で顔を合わせる場を聞く質問です。求人によっては、出社日や社内イベントでの出社が条件に書かれています。条件に書かれていない場合は、「入社後に全員が集まる機会はありますか」「年に何回ほどですか」と尋ねます。
3. 聞く質問と答えの返り方を一覧にした表
聞く内容、面接での聞き方、答えが具体的な場合と具体性がない場合の違いを、4つの質問ごとに並べます。同じ質問でも、返ってくる答えの形で、職場の仕組みがどこまであるかが見えてきます。
表:入社前に聞く4つの質問と答えの返り方
| 聞くこと | 面接での聞き方 | 具体的な答えの例 | 具体性がない答えの例 |
|---|---|---|---|
| 定例の頻度 | チーム全員が顔を合わせる定例は、どのくらいの頻度ですか | 毎週の曜日と時刻が決まっている | 必要なときに集まる |
| 雑談の場 | 仕事の話をしない時間は、設けられていますか | 雑談用の時間やチャットの部屋がある | 話したい人がチャットで声をかける |
| 相談先 | 業務や体調の悩みを、上司以外に話せる窓口はありますか | 担当者や窓口の名前が挙がる | 困ったら上司に言う |
| オフラインで集まる機会 | 全員が集まる機会は、入社後にありますか | 年間の予定が決まっている | 希望が出れば検討する |
表の「具体性がない答えの例」の列は、仕組みがまだない会社から返ってくる答えの形です。たとえば「必要なときに集まる」は、集まるかどうかが個人の判断にかかっています。定例も雑談の場も、決まりがなければ、声をかけるかどうかは一人ひとりの働きかけにかかります。
答えが曖昧だった場合は、続けて「現在のチームでは、実際にどうしていますか」と聞きます。決まりが文書になっていなくても、運用が先に動いていることがあります。逆に、決まりがあっても使われていなければ、実際の様子は答えに表れません。
4. チームの決まりは定例と連絡手段と個別面談に出る
フルリモートの孤独への備えは、会社が用意する雑談の場と、チームが日々使う連絡の決まりの両方にあります。ガイドラインは、テレワークの特徴として、上司等との連絡が難しくなりやすいことを挙げています*2。そのため、全社の場だけでなく、配属先のチームが何を決めているかも聞きます。
定例は、チームが顔を合わせる回数を決める決まりです。毎日の短い朝会があるのか、1週間のまとめの定例だけなのかで、画面越しに顔を見る機会が変わります。参加者が全員なのか、リーダーだけなのかも、聞いておく項目です。
チャットでの連絡の決まりは、返信を待つ時間と、雑談をしてよい場所に表れるものです。「返信は当日中」「雑談用の部屋がある」のように書かれた決まりがあれば、新しく入った人も遠慮せずに話しかけられます。決まりが無い職場でも、先に入った人のチャットの使い方を聞くことはできます。
個別面談(1on1)は、上司と部下が1対1で話す時間です。頻度が決まっていれば、相談ごとを言い出すきっかけが用意されています。面接では「上司との1対1の面談は、どのくらいの間隔で行われますか」と聞きます。
オンラインだけで進む職場では、決まりが文書になっているかどうかも聞く項目です。入社の前後で渡される資料に、定例の日程と連絡の手段が載っているかを尋ねれば、新しく入る人の受け入れが決まっているかが分かります。載っていない場合は、入社後に最初に誰へ聞けばよいかを尋ねておきます。
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5. コミュニケーションは導入しない企業も課題に挙げる

総務省の令和7年通信利用動向調査(企業編)では、テレワークを導入しない理由に「社内のコミュニケーションに支障があるから」を挙げた企業が16.3%でした*3。これはテレワークを導入していない企業が挙げた理由の割合で、テレワークのデメリットを示す割合ではありません。リモートで働く人が感じる孤独の程度を、この数字から読むこともできません。
コミュニケーションが課題として意識されていること自体は数字から分かるため、導入済みの会社は課題に合わせた決まりを作っている場合があります。入社前の質問では、その決まりが実際に動いているかを聞きます。
フルリモートの孤独を感じたときに話せる相手がいるかどうかは、全国調査の数字にも表れています*1。相手は職場の人に限りません。友人や前の職場の同僚など、職場の外に話せる相手を持っておくことも、自分でできる備えです。入社直後のうちに、同じ時期に入った人へ声をかけると決めておく方法もあります。
出社できる日がある求人なら、その日に顔を合わせて話す相手を作れます。出社の予定がまったくない求人でも、オンラインの雑談の場があれば、画面越しに話す相手は作れます。どちらが向くかは、一方が正しいと決められるものではありません。
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6. よくある質問
Q1. フルリモートだと孤独になりやすいですか
A. 働き方の名前だけでは言えません。全国調査の孤独感は仕事の状態別に集計されていますが、テレワークかどうかで分けた値はありません*1。入社先の定例や雑談の場、相談先が決まっているかで、日々の様子は変わります。
Q2. 孤独が不安なとき面接で何を聞けばよいですか
A. 定例の頻度、雑談の場、上司以外の窓口、出社や社内イベントの4つを聞きます。「雑談の場はありますか」だけで終えず、いつ誰が参加するかまで聞くと、実際の様子が分かります。
Q3. 出社日がある求人のほうが孤独を避けられますか
A. 避けられるとは言えません。出社日があれば、同僚と顔を合わせて話す場ができます。出社日がなくても、雑談用の場や定例が決まっていれば、話す機会はあります。
Q4. 孤独を感じたとき会社に相談してよいですか
A. 相談して構いません。厚生労働省のガイドラインは、事業者には健康相談体制の整備が望ましいとしています*2。上司だけでなく、人事担当者や健康相談の窓口に話せる会社もあるので、入社前に窓口の有無を聞いておきます。
Q5. 雑談の場がない会社は避けたほうがよいですか
A. 一律には言えません。雑談の場がなくても、定例や1対1の面談で話す機会がある職場もあります。「今はどうしていますか」「今後つくる予定はありますか」と続けて聞くと、会社の考え方が分かります。
7. まとめ:孤独への備えは入社前の4つの質問
フルリモートの孤独に備える4つの質問
- 定例の頻度:チームが顔を合わせる定例の間隔と、参加者を聞きます
- 雑談の場:仕事の話をしない時間が用意されているかを聞きます
- 相談先:上司以外に、業務や体調を話せる窓口があるかを聞きます*2
- オフラインで集まる機会:出社や社内イベントでの回数と、対象を聞きます
孤独感の割合は、話せる相手の有無で差が出ています*1。面接の逆質問と求人の条件の絞り込みを使って、話せる相手ができる職場を探します。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年)調査結果のポイント(内閣府・令和8年4月14日)
*2 テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン(厚生労働省)
*3 令和7年 通信利用動向調査報告書(企業編)(総務省)
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