会議の多さをどう測るか|決める会議と報告の会議

エンジニアの求人には「会議が多い」という声がしばしば聞かれますが、体感の負担を左右しているのは会議の本数そのものではなく、決める会議と報告の会議のどちらが中心かという割合です。求人票の書き方や面接で確かめられる内容から、入社前にその内訳を見極める視点に絞って整理します。
会議の負担感を左右するのは、会議の本数の多さではなく、決める会議と報告の会議のどちらが中心かという割合であるという見方です。数のみを基準にすると、実態を見誤ることがあります。
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この記事のポイント
- 会議の負担感を左右するのは会議の本数ではなく、決める会議と報告の会議の割合です
- 会議は名称ではなく、そこで何が起きるかを基準に種類を見分けます
- 求人票だけでは分からない会議の種類は、面接で議題の共有方法や決定権の所在を聞いて確かめます
1. 会議の多さは、決める会議の比率で測れます
エンジニアの求人で聞かれる「会議が多い」という声は、本数の多さそのものよりも、決める会議と報告の会議のどちらが中心かという割合に左右されます。求人票の記載や面接での質問から、入社前に会議の種類を確かめる視点を整理します。
会議が多いという感覚は、会議の本数だけでなく、その場で何が決まるかによって変わります。決める会議は結論を持ち帰れるため負担として意識されにくく、報告のための会議は結論を伴わないまま時間だけが積み重なりやすくなります。
求人票や面接では、会議そのものの有無ではなく、決める会議と報告の会議のどちらが中心かを確かめることに意味があります。会議数を減らす交渉ではなく、種類を見極める視点に絞って整理します。
同じ月の会議数だとしても、その多くが決める会議であれば負担として意識されにくく、逆にほとんどが報告の会議であれば、回数が少なくても重く感じられることがあります。比べるべきは本数ではなく、この構成比です。
求人票に「会議は少なめです」と書かれていても、その内訳までは分かりません。少ない会議がすべて決める会議である場合もあれば、逆に決める場がほとんどない場合もあります。
一般労働者の賃金は全国計で月340.6千円です*1。エンジニアの働き方を検討するときの前提の一つとして参照しますが、この数字自体は会議の量や種類とは関係がありません。
この整理は、会議そのものを否定したり、特定のやり方を批判したりする目的ではありません。決める会議と報告の会議の比率を、入社前に確かめるための物差しとして使います。
次の項目では、1日の流れのなかで会議がどの時間帯に置かれやすいかを見ていきます。
2. 会議の重さは、時間帯によって変わります
会議が1日のどの時間帯に集まっているかは、負担感を左右する要素の一つです。同じ回数でも、始業直後に集中している場合と、夕方以降に集中している場合とでは、体感の重さが変わります。
複数の求人を比べるときは、同じ4区分を毎回当てはめて記録しておくと、後から候補同士を横に並べて比較しやすくなります。
ただし、時間帯の分散だけを見ても、決める会議か報告の会議かという性格までは分かりません。時間帯は入り口であって、確かめるべき本体は会議の種類です。
時間帯の置かれ方を細かく聞き出すのは難しくても、始業前・午前・午後・夕方以降という4つの区分に当てはめて考えると、応募先ごとに比べる手がかりになります。
求人票には会議の時間帯までは書かれていないことがほとんどです。次の項目では、会議の種類そのものを軸に、確かめる観点を並べます。
3. 会議の種類ごとに、確かめる観点を並べます
会議は名称だけでは性格が分からないため、そこで何が起きるかを基準に整理します。
会議の種類と確かめる観点
| 会議の種類 | そこで起きること | 面接で確かめること |
|---|---|---|
| 定例 | 議題が事前に共有され、その場で結論が出ることがあります | 議題が事前に共有されるかどうか |
| 進捗共有 | 現状の報告が中心で、その場での決定は少ないことがあります | 報告のあと、誰がどう判断するか |
| 設計の相談 | 案を持ち寄り、その場で方向性を決めることがあります | 決定権を持つ人がその場にいるかどうか |
| 振り返り | 過去の進め方を確認し、次に活かす場になることがあります | 振り返りの結論が次の行動に反映されるか |
表の4区分は、会議の名称ではなく、その場で何が起きるかを基準にしています。同じ「定例」という名称でも、会社によって中身は変わるため、名称だけで種類を判断することはできません。
決める会議とは、その場で結論が出て、次の行動が決まる会議です。報告の会議とは、現状の共有が中心で、その場での決定を伴わない会議です。この区別が、会議の多さを考えるときの起点になります。
4区分のなかでも「定例」という名称は特に幅が広く、結論を伴う会議を指す場合もあれば、報告だけで終わる会議を指す場合もあります。名称だけで判断せず、中身を確かめる姿勢が要ります。
求人票には、会議の種類や頻度まで詳しく書かれていないことがほとんどです。表の右列に挙げた観点は、面接で確かめる際の切り口として使えます。
面接前にこの右列を控えておくと、聞き忘れを防ぎやすくなります。特に複数社の面接が重なる時期は、記録をそろえておく効果が大きくなります。
また、出社かリモートかによって、会議の開き方そのものが変わることもあります。求人票の働き方の記載と合わせて確認しておくと、入社後のイメージが具体的になります。
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4. 決める会議が少ないと、作業は結論のないまま進みます
決める会議が少ない環境では、報告のための会議は行われていても、その場で結論が出ないまま作業だけが進むことがあります。会議自体が悪いわけではなく、決める場が別に用意されていないことが影響します。
結論が出ないまま進む作業は、あとになって手戻りが発生しやすくなります。決める会議が少ないかどうかは、会議の回数からは見えにくく、実際に参加してみないと分からない部分でもあります。
報告のための会議として始まったはずが、その場で判断を求められる場面が生じることもあります。決める場が別に用意されていないと、こうした場面のたびに持ち帰りが発生し、結論までの時間が延びやすくなります。
決める会議が少ないかどうかは、組織図やチーム規模だけでは判断できません。同じ規模のチームでも、決定権の持たせ方は会社によって異なります。
決める場を持ちにくい状況は、拠点や時間帯が分かれて働くメンバーが多いチームほど起きやすくなります。全員が同じ時間に集まりにくいと、決定のための会議自体を組みにくくなるためです。
決める会議が少ない状態を入社前に指摘したり、変えるよう求めたりする必要はありません。ここで整理しているのは、あくまで見極めるための視点であり、交渉のための材料ではありません。
時間帯が分かれて働くチームの実情は、別の記事で扱っています。ここでは、決める会議の有無を入社前にどう見極めるかに話を戻します。
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5. 会議の見極めは、3段階で組み立てます
会議の見極めは、いきなり求人票と照らし合わせるのではなく、土台から順に積み上げていくと整理しやすくなります。
土台では、いまの会議を種類ごとに書き出します。定例、進捗共有、設計の相談、振り返りなど、名称にとらわれず、そこで何が起きているかを基準に分けます。
書き出す際は、会議の名称に加えて、頻度と、誰が結論を出しているかまで書き添えておくと、次の仕分けの段階で迷いにくくなります。
中段では、書き出した会議を、決める会議か報告の会議かに仕分けます。ここまでを済ませておくと、応募先の会議がどちらに偏っているかを比べる基準ができます。
この3段階は、入社後に見直しても構いません。実際の会議に参加してみて初めて、想定していた仕分けとずれていたと気づくこともあります。
頂点は、その基準を使って求人票や面接で確かめる段階です。次の項目では、面接でどう聞くかを具体的に見ていきます。
6. 面接では、会議の種類をこう聞きます
面接では、会議の量そのものではなく、種類を見分けるための聞き方に絞ります。
面接で聞く3点
- 議題の共有:会議の議題が事前に共有されているかを聞きます
- 決定権の所在:その場で決める人が同席するかどうかを聞きます
- 結論の扱い:決まったことが次の行動にどうつながるかを聞きます
面接では、会議の回数を尋ねるよりも、議題が事前に共有されているかを聞くほうが、決める会議か報告の会議かの見当がつきやすくなります。
決定権を持つ人がその場に同席するかどうかも、聞いておきたい点です。決定権を持つ人が別の場で判断している場合、面接で聞いた会議の印象と、入社後の実感が変わることがあります。
決まったことが次の行動にどうつながるかを聞くと、その会議が形だけの報告で終わっていないかを確かめられます。
これらの質問にその場で明確に答えられない場合もあります。その際は、入社後に確かめる項目として持ち越し、面接での回答の有無自体を判断材料の一つにする方法もあります。
これらの質問は、選考の初期段階よりも、実務に近い担当者と話せる段階で聞くほうが、具体的な答えを得やすくなります。
面接で聞いた内容と、入社後の実際の会議運用に差がないかは、入社後の早い時期に確かめておくと安心です。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. 会議が多い会社は避けたほうがよいですか。
A. 会議の多さ自体を基準にするよりも、決める会議と報告の会議のどちらが中心かを確かめるほうが、実態に近づきやすくなります。件数の多い少ないは、会社や職種によって前提が異なります。
Q2. 会議の種類は、求人票を読むだけで分かりますか。
A. 求人票だけでは分からないことがほとんどです。面接で議題の共有方法や決定権の所在を聞くことで、種類の見当をつけられます。回答があいまいな場合は、深追いせず次の質問に移ってもかまいません。
Q3. 決める会議が少ない会社は、入社を避けるべきですか。
A. 一律に避けるべきとは言えません。決める場が別の形で用意されている場合もあるため、面接で確認したうえで判断する事項です。同じ「決める会議が少ない」状態でも、背景は会社ごとに異なります。
Q4. 会議の種類は、部署によって変わりますか。
A. 部署や職種によって、会議の性格が変わることは考えられます。配属予定の部署については、面接で個別に確認しておくと安心です。同じ会社でも、部署をまたぐと前提が変わることがあります。
8. まとめ:会議は本数ではなく種類で見極めます
この記事の要点
- 会議の負担感を左右するのは本数ではなく、決める会議と報告の会議の割合です
- 会議は名称ではなく、そこで何が起きるかを基準に種類を見分けます
- 求人票だけでは会議の種類は分からないため、面接で議題の共有方法や決定権の所在を聞きます
- 会議の見極めは、いまの会議の書き出しから、種類の仕分け、求人での確認へと積み上げて進めます
- 決める会議が少ない状態は一律に避けるべきものではなく、面接で確かめたうえで判断する事項です
会議の多さは、本数だけを見ても実態はつかみにくいものです。決める会議か報告の会議かという割合に目を向け、求人票と面接でその内訳を確かめることが、入社後の実感とのずれを小さくする手がかりになります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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