労働条件通知書|求人票との差を見る

内定の連絡を受けたあと、勤務先から労働条件通知書が渡されます。応募のときに目にしていた求人票と並べると、就業の場所や賃金の決め方など、書かれている内容が細かい部分で変わっている場合があります。差が出やすい項目と、受け取ったあとの確かめ方を、順番にたどっていきます。
労働条件通知書を受け取ったら、求人票に書かれていたことと、実際に示された条件の差をどこで見るかに絞って確かめると、採用担当に聞く点も具体的になります。
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この記事のポイント
- 労働条件通知書は、内定後に勤務先から渡され、求人票と見比べることで差が見えてきます
- 差があること自体は珍しくありません。大切なのは、どこに差があるかを書き出しておくことです
- 転職で賃金が増加した人は40.5%、減少した人は29.4%、変わらなかった人は28.4%です*1。通知書の内容は、この分布とは別に確かめる事柄です
1. 労働条件通知書は、内定後に受け取ります
労働条件通知書は、内定を受けたあとに勤務先から渡される書面で、実際の勤務条件が個別に記されています。応募時に見ていた求人票と並べ、記載に差がある箇所を書き出しておくと、採用担当に確かめる際の材料になります。
内定の連絡を受けると、勤務先から労働条件通知書が送られてきます。応募のときに見ていた求人票と、書かれている内容を見比べる人は多くありません。
求人票は、募集の時点で示された条件です。労働条件通知書は、実際に働き始める本人に向けて、勤務先が個別に示す条件です。同じ求人から出発していても、書かれている粒度や書き方が異なる場合があります。
差があること自体は、珍しいことではありません。大切なのは、どこに差があるかを見つけ、書き出しておくことです。
受け取る形式は、紙・PDF・システム上の画面など、勤務先によって異なります。形式が違っても、見るところと確かめ方は変わりません。
見るところを、確かめ方まで含めてたどっていきます。
2. 求人票との差が出やすい項目を見比べます
労働条件通知書には、求人票と同じ項目が並んでいても、書かれ方が変わっている場合があります。差が出やすい項目を、見る場所ごとに並べます。
見る項目・差が出やすい点・確かめ方
| 見る項目 | 求人票との差が出やすい点 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 就業の場所 | 求人票では範囲で書かれ、通知書では単独の拠点に変わっている場合があります | 記載されている場所を書き出し、想定していた勤務地と合っているかを見ます |
| 始業と終業の時刻 | 求人票では目安の時間帯、通知書では具体的な時刻で示される場合があります | 始業と終業の時刻を書き出し、求人票の記載と見比べます |
| 賃金の決め方と支払い方 | 求人票では総称で書かれ、通知書では計算の基準や支払いの時期まで書かれる場合があります | 決め方と支払いの時期を書き出し、求人票の記載と揃っているかを見ます |
| 契約の期間と更新 | 求人票では正社員としての表記、通知書では契約の区分や更新の有無まで書かれる場合があります | 契約の区分と更新の有無を書き出し、求人票の記載と合っているかを見ます |
表の4項目は、求人票と通知書のどちらにも載っている項目です。書き方の粒度が変わりやすい場所を並べています。
「就業の場所」は、求人票では対応可能な範囲や複数の拠点として書かれることがあります。通知書では、実際に配属される単独の拠点として書かれる場合があります。
「始業と終業の時刻」も同様です。求人票では目安の時間帯として書かれていても、通知書では配属先での時刻に置き換わることがあります。
「賃金の決め方と支払い方」は、求人票では月給や年俸といった総称で示されることが多く、通知書では計算の基準や支払いの時期まで書かれます。金額そのものではなく、決め方と支払いのタイミングを見比べる対象になります。支払いの時期は、締め日と支払日の組み合わせで通知書に書かれる場合があります。
「契約の期間と更新」は、正社員という表記だけでは、契約の区分や更新の有無まで分からない場合があります。通知書に書かれた区分と、求人票の表記を見比べておくと、あとで確かめる点が明確になります。
4項目に共通するのは、求人票が範囲や総称で書かれているのに対し、通知書では個別の内容に置き換わるという型です。型が分かれば、ほかの項目を見るときにも同じ視点を使えます。
賞与の書き方も、求人票と通知書で見比べる対象になります。賞与の書き方については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 求人票の賞与の書き方|読み取れることの範囲
3. 読み合わせの受け止め方を位置づけます
労働条件通知書を読み合わせるとき、差が見つかったからといって、その場で良し悪しを判断する必要はありません。まず、どこに差があるかを確かめる段階だと考えると、読み方が定まります。
確かめる段階では、量よりも項目の見落としがないかを優先します。
差が見つかった時点でできることは、内容を書き出しておくことです。良し悪しの判断は、この段階では必要ありません。
書き出す内容は、差があった項目名と、求人票の記載、通知書の記載を並べる形にすると、あとで見返しやすくなります。
書き出した内容は、あとで勤務先の人事・採用担当に確かめるときの土台になります。読み合わせの段階では、判断よりも記録を優先します。
書き出したメモは、面談の場でそのまま見せる必要はありません。話すときの手元の控えとして使えば十分です。
見つかった差が複数ある場合は、優先して確かめたい項目から並べておくと、限られた時間でも聞き取りやすくなります。
4. 差は、書かれた時点の違いから生まれます
求人票と労働条件通知書に差が生まれる大きな理由は、書かれる時点の違いです。求人票は、募集を始める時点で示される条件で、応募する人全体に向けて書かれています。
通知書は、内定を受けた本人に向けて、勤務先が個別に示す条件です。配属先や担当する業務が決まった段階で書かれるため、求人票よりも内容が具体的になります。
求人票は、採用担当や広報の担当が、応募する人を広く集める目的で作成することが多くあります。労働条件通知書は、配属先が決まったあとに、人事や労務の担当が個別に作成します。作成する担当が分かれている場合、書き方の粒度も分かれやすくなります。
同じ求人から出発していても、募集時点の条件と、個別に定まった条件では、書かれる粒度が異なります。差があること自体は、この時点の違いから生まれるものです。
年間休日の書き方も、求人票と通知書で表記が変わる項目のひとつです。休みの形について詳しく知りたい場合は、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 年間休日の数字だけでは分からない|休みの形
5. 受け取ってからの流れをたどります
労働条件通知書を受け取ってから、求人票と差を確かめるまでの流れを、順番にたどります。
流れの中で見落とされやすいのは、求人票を見返す段階です。内定の連絡を受けた時点では、求人票の内容を覚えているつもりでも、細部までは覚えていない場合があります。
応募のときに保存していた求人票の画面や、応募先から届いたメールを残しておくと、読み合わせの段階で見返せます。求人票の画面を保存していない場合は、応募していた求人媒体のマイページに残っていることもあります。
通知書と、保存していた求人票は、同じフォルダにまとめておくと、あとから見返しやすくなります。書面で受け取った場合は、写真やスキャンで残しておく方法もあります。
差を確かめる段階まで進んだら、書き出した内容をもとに、採用担当へ確認する連絡をします。連絡の方法は、勤務先が案内している窓口に沿うとよいでしょう。
6. 読み合わせの手順を書き出します
労働条件通知書と求人票を読み合わせるときは、次の3つを順に書き出しておくと、確かめる作業が進めやすくなります。
読み合わせで書き出す3つの型
- 差がある項目:求人票と通知書で記載が変わっている項目を書き出します
- 気になった箇所:内容が分かりにくかった箇所を書き出します
- 確かめたいこと:採用担当に聞きたい点を書き出します
3つの型に沿って書き出すと、読み合わせで見つけた内容を、面談で話せる形にまとめやすくなります。
書き出した項目は、多いほど良いわけではありません。実際に気になった点に絞って書き出すと、確かめる作業も進めやすくなります。
書き出しは一度で終わらせず、通知書を読み返すたびに見直すと、確かめたい点を漏らさず残せます。書き出したメモは、読み合わせたときだけでなく、あとから読み返す記録としても残せます。
任される業務の範囲についても、通知書に書かれた内容と、面接で聞いていた内容を見比べる対象になります。任される範囲の期待値について詳しく知りたい場合は、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 任される範囲の期待値|内定前後で言葉にする
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 労働条件通知書は、いつ受け取るものですか。
A. 内定の連絡を受けたあと、勤務先から書面またはデータで渡されます。渡す時期は勤務先によって異なるため、届いていない場合は採用担当に確認するとよいでしょう。受け取ったら、内容に目を通す時間を確保しておくと、読み合わせの準備がしやすくなります。
Q2. 求人票と労働条件通知書で記載が違う場合、どうすればよいですか。
A. まず違っている箇所を書き出し、勤務先の人事・採用担当に確かめることが進め方になります。差の大きさにかかわらず、書き出しておくことが最初の一歩になります。
Q3. 労働条件通知書に書かれていない項目がある場合はどうすればよいですか。
A. 書かれていない項目があれば、その点も含めて採用担当に確認すると、記載の有無を含めて把握できます。就業の場所や賃金の決め方など、確かめたい項目を具体的に挙げて質問すると、答えを得やすくなります。
Q4. 差を確かめたことは、選考や入社の判断に影響しますか。
A. 確かめる行為自体は、記載内容を正確に把握するための手続きです。判断は、確かめた内容をもとに本人が行うことになります。次の連絡や面談に進めるかどうかも、本人が確かめた内容をもとに決めることになります。
8. まとめ:労働条件通知書は、求人票との差を書き出して確かめます
この記事の要点
- 労働条件通知書は、内定後に勤務先から渡され、実際の勤務条件が個別に記されています
- 求人票との差は、就業の場所・始業と終業の時刻・賃金の決め方と支払い方・契約の期間と更新で出やすくなります
- 差が見つかった段階では、良し悪しの判断よりも、内容を書き出すことを優先します
- 読み合わせの手順は、差がある項目・気になった箇所・確かめたいことの3つを書き出す型で進められます
- 転職で賃金が増加した人は40.5%、減少した人は29.4%、変わらなかった人は28.4%です*1。通知書の内容は、この分布とは別に確かめる事柄です
労働条件通知書は、求人票と見比べることで、差がある箇所を具体的に確かめられます。書き出した内容は、勤務先の人事・採用担当に確かめるときの材料になります。受け取ってからの時間を使って、落ち着いて読み合わせる進め方も選べます。書き出す型を先に決めておけば、通知書を受け取ったその日から使えます。差の見つけ方や確かめ方について気になる点は、専任エージェントに相談しながら進めることもできます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 厚生労働省 雇用動向調査
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